「名勝負」を語る 始発に乗り、開門ダッシュで見た1年間の総決算。私にとって人生最高の有馬記念となった2001年有馬記念を振り返る 2023年12月21日 有馬記念は多数あるG1レースの中でも"特別なレース"である。 馬券の売上高も断トツで1位なのが有馬記念、しかしそれだけではないのが有馬記念だ。 1年を締めくくるG1レースとしての盛り上がり、有馬記念をラストランとする馬たちの見納めなど…。師走の寒空の中で、精いっぱいの声を張り上げて選んだ馬を応援すると、長い1年が終わっ... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る 「ヒシアマゾン女傑ストーリー」の原点、1993年阪神3歳牝馬ステークス 2023年12月10日 【女傑】 しっかりした気性とすぐれた知恵を持ち、実行力に富んだ女性──出典:コトバンク 「女傑」というフレーズを耳にすると、平成の初め頃に活躍していた一頭の牝馬を思い出す。 その名をヒシアマゾンという、黒鹿毛のがっちりとした牝馬である。外国産馬ゆえに、4歳(現3歳)の春のクラッシック戦線には出走できず、秋のエリザベス女... 夏目 伊知郎
「名馬」を語る エルコンドルパサーが見据えた「その先」 - 1998年ジャパンカップ 2023年11月26日 現役最強布陣のジャパンカップ ジャパンカップの立ち位置が少しずつ変化しているように思う。 ジャパンカップが国際招待レースとしてスタートした頃は、海外招待馬の「場所貸し」的なレースが続いた。日本馬は1984年にカツラギエース、翌年にはシンボリルドルフと連勝する。しかしその後6年間は、再び外国馬の独壇場となり勝利を攫って... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る 勝負の"ツキ"が明暗を分けた一戦。フサイチパンドラとカワカミプリンセスの激突した2006年エリザベス女王杯 2023年11月12日 ──ツイてる日とツイてない日。 生きていれば毎日を、この二通りのどちらかに当てはめることができる。 私は特に縁起担ぎや占いを信じるタイプではないと思っている。しかし日によっては、自分が決断したものが裏目に出たりすると"ツキの無さ"を嘆くことが多々ある。そして"今日は運気下降の日"と決めつけてしまう。 人間と同じく、馬た... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る 1990年、秋。孤軍奮闘のオグリキャップを横で見届けた、盟友ヤエノムテキ/天皇賞(秋) 2023年10月27日 年齢を重ねていくと、人生のターニングポイントとなる年が必ずある。 毎週を「競馬開催メニュー」で区切っていけば、それを52回繰り返すと一回りする。そこには、様々な世代のヒーロー、ヒロインが登場し、52週の物語を作り上げていく。私たちは競馬場で、あるいはモニターで、彼らの命を懸けた疾走に喜怒哀楽を爆発させて、毎週の「競馬開... 夏目 伊知郎
「名馬」を語る 時代を象徴する"凄い牝馬"。メジロドーベルの挑戦を振り返る 2023年10月15日 いつの時代も、「凄い牝馬」がたびたび登場する。2歳のデビュー時から世代の頂点に立ち3歳牝馬三冠で名を残す牝馬、あるいは3歳時に惜しいレースを繰り返し古馬になってから大成する牝馬などなど…。凄い牝馬が、春秋のG1戦線で名シーンを演出している。 しかし古馬になってから牡馬・牝馬混合の中距離G1、2000m~2500mのレー... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る 「ヤマト」と「照男」の大金星!/2000年スプリンターズステークス 2023年10月1日 『照男』とは 関東の現役ジョッキーの中で、「江田照男」は特別な存在である。 1990年秋、雨中の天皇賞(秋)でメジロマックイーンの降着で繰り上がり優勝したプレクラスニー。鞍上は当時19歳だった江田照男騎手、彼の存在をしっかり記憶に留めたのはこの時だった。 武豊とメジロマックイーンの独壇場となった天皇賞。その遥か後方の2... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る 元祖二刀流・ホクトベガ。勝利の方程式と出会った1994年札幌記念を振り返る 2023年8月20日 競馬界の「二刀流」とは? 世間の「二刀流」といえば、誰もが認める大谷翔平ではないだろうか。では、誰もが認める逸材だが、競馬界の「二刀流」といえば誰だろうか。 競馬の世界では芝とダートのG1を制した馬が、それに該当するのではないか。JRAでのダートのG1レースといえば、フェブラリーステークスとチャンピオンズカップ(201... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る 絶対に負けられない戦い。 - 2017年レパードステークス/エピカリス苦難の蹄跡を振り返る 2023年8月6日 競馬の昔話は盛り上がる? 最近の私は、昔の話が多くなったと自分でも感じ始めている。人間は歳を重ねると、未来の話より過去の話が多くなり、その比率はどんどん高まるそうだ。決して自分が老けたとは思わないが、居酒屋タイムの半分近くは、過去の話で盛り上がっていることに気がつく。特に過去ネタの口火を自分が切っていることが多いという... 夏目 伊知郎
「名馬」を語る PR [キタサンブラック伝説]人間万事塞翁が馬/キタサンブラックの蹄跡から学ぶ! 2023年7月25日 座右の銘によく使われる「人間万事塞翁が馬」。 「淮南子(えなんじ)」という中国の哲学書に記された言葉で、「人生は予測できないものだ」というたとえである。これだけでは心を打つ言葉にはならないが、「良いことも悪いことも予期できないから、その出来事に振り回されてはいけない」、「悪いことが続いても今度は良い事があるかもしれない... 夏目 伊知郎