2016年に2歳を迎えた、ベストダンス。
ダンスパートナーの最後の仔として早くから話題となっていた本馬は、千葉のサラブレッドセールにて、イタリアンネオなどの馬主として有名な平井裕氏に落札され、デビューにむけての育成がされている。
今回はそのベストダンスについて、平井さんにインタビューに答えていただいた。
(以下、ウマフリ=ウ、平井さん=平)
ウ:「それでは、よろしくお願いします」
平:「よろしくお願いします」
ウ:「さて、まずはベストダンスの購入を決意した理由を伺いたいと思います。馬体、血統、タイム、この3つで順番をつけるならば、どの順になりますか?」
平:「血統、馬体、タイムの順になります」
ウ:「なるほど。3つの中では血統が一番の決め手ということですね。この馬で血統、といえばやはりダンスパートナーの最後の仔、という点に注目してしまいますが、ダンスパートナーの現役時代や繁殖牝馬としての印象やイメージなどありましたら、教えてください」
平:「彼女には出遅れ癖と丈夫な子の印象があります」
ウ:「それでは逆にその相手であるワークフォースという種牡馬に対しては、どんなイメージをお持ちですか?」
平:「ダービで大差で勝ったりして、能力はあるけれども、負ける時は大負けしていて、ムラがある性格かもと思っています。重い馬と思っていましたが、自分の馬の走りをみていると意外と素軽いです」
確かに、凱旋門賞の成績だけを見ても2010年は1着、2011年は12着と、良くも悪くもムラがありそうに思えます。ワークフォースの父キングズベストは、日本でもダービー馬エイシンフラッシュを輩出しています。思い返せばエイシンフラッシュも好走と凡走がはっきりした馬でした。そのような一面がある血筋なのかもしれませんね。
血統的にはいかにも欧州の重い馬といった感じですが、平井さんのおっしゃるような素軽いさを見せる産駒もいて、種牡馬としての傾向はまだ定まっていないように思えます。種牡馬として2世代目の産駒がデビューする今年、1世代目とは違ったタイプの産駒が出てくる可能性は大いにありそうです。
ウ:「ここで話は少し変わりますが、今回平井さんがベストダンスを落札された千葉サラブレッドセールは、年々注目度が上がっているセールですね」
平:「そうですね。千葉のセリは年々馬の質や仕上げ方のレベルが向上していると思います」
ウ:「平井さんは、イタリアンネオを筆頭に”セリ”で魅力的な馬を落札されていますよね。セリでの購入時に特に気にされている点はありますか?」
平:「経済的に高価な馬の勝負は出来ませんので、値段を抑えても重賞を目指せる馬を探すようにしています」
ウ:「値段に折り合いをつけつつも力のある馬を見極める、というのは、セリでは軸になる目線なのかもしれませんね」
千葉サラブレッドセールは先日特集記事を組みました(千葉サラブレッドセール2016訪問記)が、年々注目度の高まっているセールです。値段もその分競り上がる傾向になっていくでしょうが、その中から落札価格以上の走りを見せてくれる馬を探すのは難しくも楽しそうですね。
ウ:「さて、少し横道に逸れて申し訳ありませんでした。話をベストダンスに戻します。最後の質問ですが、この馬に目指して欲しいタイトルはありますか?」
平:「タイトルはまだ全く考えておりません。能力が確認されてから希望が出ると思います」
ウ:「血統的にも奥深さがありそうですし、これからが楽しみですね。今回は忙しい中、インタビューにお答えいただきありがとうございました」
平:「ありがとうございました」
写真:ウマフリ写真班