今も駆ける スター"ウマ娘"の血を引く者たち〜今週の新馬戦(10/16,10/17)〜

巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。

実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。

そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のレースからピックアップして紹介していきたいと思います。

今週は合計2頭の新馬を紹介します。

土曜東京3R レリジールダモーレ

土曜の東京芝1600mのレースでデビューするレリジールダモーレ。母の父はフジキセキです。

フジキセキの子供は牝馬で活躍する馬が多く、特に春に行われるヴィクトリアマイルを得意としています。レリジールダモーレの母コイウタも2003年のヴィクトリアマイルを制しました。

コイウタは「長崎は今日も雨だった」や「東京砂漠」などのヒット曲で知られる「内山田洋とクールファイブ」の元ボーカル前川清さんの所有馬として2005年福島でデビュー。デビュー戦こそ7着と敗れるもののその後は順調に勝ち星を積み重ね、7戦4勝という成績でクラシックを迎えます。

しかし、クラシック初戦の桜花賞こそ3着に入ったものの、続くオークスは途中で跛行(レース中に歩様を乱すこと。どこかを痛めている可能性は高いものの必ずしも大怪我と言うわけではない)を発症し競争中止。休み明けぶっつけで挑んだ秋華賞は17着と敗れ、クラシックで結果を残すことは出来ませんでした(ちなみにこの年のオークスと秋華賞を制した馬は新しく育成ウマ娘として実装されたカワカミプリンセスです)。

その後はレースの距離をマイル前後に定め5戦して、勝てないものの牡馬・古馬相手に2着2回とそこそこの成績をおさめ春の牝馬マイルG1ヴィクトリアマイルに向かいます。

ヴィクトリアマイルでは2枠3番と言う好枠を利して、好位のインコースと言う絶好のポジションを取ると、直線各馬が馬場の良い外目のコース取りを選択する中、唯一内へ進路を取り一瞬のキレ味を生かしてゴールに駆け込み初G1制覇を成し遂げました。

フジキセキ産駒には短距離やマイル戦と言ったペースが速くなりやすいレースでも器用に好位を取れるスピード能力とレースセンスに溢れる馬が多かったのですが、このコイウタの勝利はそれを象徴するようなレースっぶりだったと思います。

このコイウタは生涯で重賞を2勝しているのですが、そのいずれもが東京のマイル戦です。母が得意とした東京マイルでデビューするレリジールダモーレにも注目してみてはいかがでしょうか。

日曜東京5R ペイシャカレン

日曜の東京芝1400mのレースでデビューするペイシャカレン。ペイシャカレンの祖母ヒシレイホウは女傑ヒシアマゾンの妹にあたります。

今週日曜日は牝馬三冠最後のレース秋華賞が行われますが、ヒシアマゾンが3歳(旧年齢表記で4歳)の時はまだ秋華賞と言うレースが存在せず、牝馬三冠の最後のレースは当時芝2400mで実施されていたエリザベス女王杯でした。

これもまた当時のルールで外国産馬にクラシックレースの出走権がなかったヒシアマゾンはそのうっぷんを晴らすようにクイーンCからクリスタルC、ニュージーランドトロフィー4歳S、クイーンS、ローズSと重賞を5連勝。「この馬がクラシックに出走していれば」と思わせるような快進撃を繰り広げます。

そう思われては面白くないであろうクラシック出走組の代表馬は、オークス馬のチョウカイキャロル。そのオークスで見せた好位から早めに抜け出して押しきる安定したレースぶりで、デビュー以来一度も3着を外したことがない強豪です。

この2頭の初対戦となったエリザベス女王杯はある意味歴史に残るレースとなりました。レースはスタート直後からバースルートが1000m通過タイム58.6で飛ばして大逃げする展開で隊列は縦長。チョウカイキャロルは好位から仕掛けどころを探り、ヒシアマゾンは後方で直線の末脚を溜めるそれぞれの”ベスト”と思える位置で競馬をします。

3コーナーから後方にいたヒシアマゾンが大外をジワジワと順位を上げていき、4コーナーでは好位にいたチョウカイキャロルに並びかけます。すると「待ってました」とばかりにチョウカイキャロルも仕掛け決してヒシアマゾンに前に行かそうとしません。

直線はコースの外側を2頭が並走する形で叩き合い。ゴール100m手前あたりで先頭を走るオークス3着馬アグネスパレードを交わして2頭は首の上げ下げ、抜きつ抜かれつの攻防を演じながらゴールになだれ込みました。

ゴールの瞬間はどっちが勝ったか誰も分からないような大接戦をハナ差、それもたったの3㎝で制したのはヒシアマゾンの方でした。

このレースはヒシアマゾンの強さはもちろん、「ヒシアマゾンがいなかったから勝てた」と言う評価をひっくり返すほど熱い走りを見せたチョウカイキャロルの粘りも光ります。90年代を代表する名レースのひとつと言って良いのではないでしょうか。

ペイシャカレンにも将来はこの2頭のような「熱いレース」が見せられるような馬に成長してほしいものです。

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