今も駆ける スター"ウマ娘"の血を引く者たち〜今週の新馬戦(12/18,12/19)〜

巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。

実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。

そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のレースからピックアップして紹介していきたいと思います。

今週は合計2頭の新馬を紹介します。

土曜中京5R シゲルオトヒメ

中京ダート1800mでデビューするシゲルオトヒメ。この馬には母の父マヤノトップガン、母の母の父タイキシャトルと2頭の栗毛のウマ娘モデル馬の血が入っています。

この2頭はいずれも12月の中山でG1勝利を挙げています。

マヤノトップガンが勝利したのは1995年の有馬記念。その年の菊花賞で初のG1勝利を挙げたマヤノトップガンはその余勢をかって有馬記念に参戦。その有馬記念ではペースが落ち着くと見るや果敢に逃げる競馬を敢行。道中はペースを落として脚を溜めると、その溜めた脚を直線で爆発させ、ナリタブライアン、ヒシアマゾンと言った強豪を寄せ付けず完勝。

ゴール入線後、マヤノトップガンに騎乗していた田原成貴騎手は十字を切る仕草をした後投げキッスをすると言うパフォーマンスを行い当時はこのパフォーマンスも話題になりました。この投げキッスのパフォーマンスは「ウマ娘」でもマヤノトップガンの育成でレースに勝利した時のモデルになっていると思われます。

一方のタイキシャトルは1997年のスプリンターズステークスを勝利しています。

当時は12月に行われていたスプリンターズステークス。この年のスプリンターズステークスには、日本で初めて1200m戦を1分6秒台で勝利したエイシンバーリン、桜花賞を逃げ切りで勝利したキョウエイマーチ、当時のスプリント界において快速の逃げ馬として名を馳せていたホクトフィーバスとスピード自慢の馬が揃っていました。

この3頭が逃げ争いをしたレースは、当然のようにハイペースになりました。スタートしてから600mのタイムは32.6。G1でもそうそうない速い流れにもかかわらず、タイキシャトルは涼しい顔をしながら逃げ馬の直後を追走。直線半ばで逃げた3頭をあっさりと捉えると後続に影さえ踏ませない完勝。まさしく「余裕の競馬」でG1を連勝。今後は短距離界をこの馬が引っ張っているのだろうと誰もが思ったレースでした。

また、シゲルオトヒメのおばには先週阪神ジュベナイルフィリーズを制したサークルオブライフがおり血の勢いも抜群です。注目に値する馬なのではないでしょうか。

土曜阪神6R マリブパイン

阪神ダート1200mでデビューするマリブパイン。曾祖母に日本調教馬で初めて海外のG1を制した国際派の名牝シーキングザパールがいます。

先述のタイキシャトルが勝ったスプリンターズステークスから1年。海外G1を含め多くのG1タイトルを手にしたタイキシャトルは1998年のスプリンターズステークスで引退を迎えます。過去に安田記念とマイルCSでタイキシャトルと対戦しいずれも敗れているシーキングザパールはここで一矢を報いなければ、雪辱のチャンスがなくなるレースでした。

そこでシーキングザパールと名手武豊がとった作戦は自身の末脚を生かすべく最後方から直線勝負に賭ける競馬。4コーナー大外を回ったシーキングザパールは直線前で競り合うタイキシャトルと若き挑戦者マイネルラヴにグングングングン迫ります。ゴール直前、タイキシャトルの影をわずかに捕え、念願の「対タイキシャトルの勝利」を実現することが出来ました。しかし、レース自体はタイキシャトルとの叩き合いを制したマイネルラヴに僅かアタマ差届かず2着。とは言え、この時のシーキングザパールの末脚は多くの人の印象に残るほど鮮烈なものでした。

シーキングザパールはアメリカで繁殖入りをし、産駒も3頭と少ないため日本でその血を引く馬を見る機会はかなり限られています。シーキングザパールファンの方は是非応援してほしい1頭です。

また、このマリブパインの血統表を見ると曽祖父にリンドシェーバーと言う名前を見つけることができます。このリンドシェーバー、実は1990年の朝日杯3歳ステークス(レース名は当時のもの)でマルゼンスキーが記録したレコードを14年ぶりに更新した馬で、そのレコードは1997年にグラスワンダーに破られるまでの7年間破られることはありませんでした。

リンドシェーバーは当時クラシックに出走権がなかったこと、翌年の弥生賞の後にケガをしてしまったこと、その時点で既に種牡馬としてのシンジケートが組まれていたこともあり早々に引退したため、G1レースは朝日杯3歳ステークスしか勝っていませんが、もし現役を続けていれば2頭のように”怪物”と呼ばれる馬になっていたかもしれません。そもそも「現役中から種牡馬としてのシンジケートが組まれる」と言うこと自体この馬のポテンシャルを示しているように思えます。

ウマ娘ファンにもマルゼンスキーとグラスワンダーの間にもう1頭中山マイルでとんでもないパフォーマンスを発揮した馬がいたことは覚えておいてほしいです。

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