巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。
実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。
そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のレースからピックアップして紹介していきたいと思います。
今週は合計3頭の新馬を紹介します。
日曜東京3R キツネビ
東京ダート1600mでデビューするキツネビ。母の父は育成ウマ娘としての実装が待たれるゼンノロブロイです。
ただ、今回のブログで紹介したいのはこの馬の牝系。キツネビの5代前の母スターロッチは日本を代表する名牝として知られる1頭です。
スターロッチは1960年のオークス馬。その年の冬にはグランプリ有馬記念を制しています。牝馬で有馬記念を制した馬は全66回の歴史の中でダイワスカーレットなど7頭しかいません。それだけ突出した能力を持った牝馬だったと言えるでしょう。
繁殖に上がってからは、自身の子からは重賞級のレースを勝つ馬は出ませんでしたが、孫世代以降で数多くの活躍馬を輩出。この馬の牝系は「スターロッチ系」と呼ばれ、その一族にあたる馬は一目置かれる良血として扱われました。
ウマ娘にゆかりのある馬でもウイニングチケット、マチカネタンホイザの他、サクラバクシンオーの父であるサクラユタカオーがこのスターロッチ系にあたります。
近年ではG1で活躍する馬こそ出ていませんが、2016年、2017年のシルクロードステークスを連覇したダンスディレクターを輩出するなどその影響力はまだまだ健在です。
ウマ娘で競馬を覚えた人はこのスターロッチ牝系に注目してみてはいかがでしょうか。
日曜中京6R アクアビート
競走馬の中では比較的珍しい青森産のアクアビート。母の父アグネスワールドはヒシアケボノの弟として知られています。
ヒシアケボノとアグネスワールドはいずれも外国産馬。サンデーサイレンスの孫世代がデビューしだしたあたりから内国産馬が外国産馬に押されることはほぼなくなったように思いますが、90年代後半は外国産馬が日本馬を圧倒することも珍しくなく、活躍した外国産馬の弟や妹を同じように日本で走らせると言う例も多く見られました。その中でも最も成功したパターンと言えるのがヒシアケボノとアグネスワールドではないでしょうか?
ヒシアケボノは1995年のスプリンターズステークスを勝った3歳(旧年齢表記4歳)で勝った名スプリンター。ヒシアケボノがこのレースを勝った時の馬体重560キロはJRAのG1ではいまだに史上最高馬体重での勝利です。
ウマ娘でヒシアケボノが実装された時、筆者は「いくら何でもデカすぎるだろ」と思って改めてこのレースを見てみたんですが………、やっぱりデカいです。2着のビコーペガサス(432キロ)と比べてデカいのは分かるんですが、4コーナーですぐ後ろを走っていた外国馬のワイルドゾーン(514キロ)と比べても明らかにデカく、改めて「ウマ娘ってやっぱり再現度高いんだなぁ」と驚かされました。
一方の弟アグネスワールドは510キロ前後と兄ヒシアケボノと比べるとそこまでデカいわけではなかったのですが(500キロ超えならそれでも十分デカいけど……)、スピード能力はG1を勝った兄にも劣らないものがありました。日本のG1こそ勝てませんでしたが、フランスのスプリントG1・アベイドロンシャン賞、イギリスのスプリントG1・ジュライカップを勝利しその実力を世界で見せつけました。また、去年のCBC賞でファストフォースに破られるまで、芝1200mの日本レコード1.06.5を保持し続けた歴史的なスピードスターと言える馬でした。
そんな世界的に活躍した血を引くアクアビートですが、牝系を辿ると7代母エルモザから続く由緒正しい青森血統。青森出身の方は特に応援してみてはいかがでしょうか?
日曜中京6R アフターザレイン
アクアビートと同じレースでデビューするアフターザレイン。この馬は母の父が第66代日本ダービー馬のアドマイヤベガです。
先週は新たに「ウマ娘 プリティーダービー」に登場するキャラクターとしてナリタトップロードを取り上げました。しかし、メジロブライトが登場した時のことを考えると、今回ナリタトップロードが登場するのは「誰か」の育成シナリオと言う可能性が高いのではないでしょうか? そうすると、テイエムオペラオー、ナリタトップロードと三冠を分け合ったこのアドマイヤベガが近いうちに「育成ウマ娘」として登場することはほぼ間違いないでしょう。
アドマイヤベガは1993年の牝馬二冠を制したベガの初めての子供。実はアドマイヤベガは母の胎内に命が宿った時は双子だったのですが、競馬の世界では「双子は(発育の影響で)大成しない」と呼ばれていたため片方の子はつぶされ、後のアドマイヤベガだけが残されました。
デビュー戦から、サンデーサイレンス産駒特有の強烈な末脚を見せつけるレースで1着入線を果たしますが、直線で他馬の進路を妨害したことにより4着に降着。そうなれば、一般的には次のレース未勝利戦を走るのですが、アドマイヤベガは何と一クラス上のエリカ賞を次走として選択。そこを勝利すると、続く重賞ラジオたんぱ杯3歳ステークスも勝利し、重賞初制覇。クラシックの有力候補として名乗りを上げます。
弥生賞、皐月賞では自慢の切れ味を100%発揮することが出来ず敗れたものの、日本ダービーでは先に抜け出していたテイエムオペラオーとナリタトップロードを自慢の末脚で飲み込んで差し切り勝ち。見事母子2代でクラシックホースの栄冠を手にしました。
この時のフジテレビ三宅正治アナウンサーの実況「母ベガの二冠達成から6年!またもその息子が輝く一等星に!アドマイヤベガです!」は印象深く、個人的にはこの実況がウマ娘での固有実況の元となるのではないかと思っています。
母父アドマイヤベガの馬はこの馬の他にも土曜日の東京6Rでケイティーズジョウがデビューを予定しています。アフターザレインの母はサクラバクシンオーの妹、ケイティーズジョウはヒシアマゾンと同じ牝系とどちらもウマ娘とゆかりの深い血統です。
アドマイヤベガファンの方はこの2頭を応援しながらアドマイヤベガの実装を待ってはいかがでしょうか。
開発:Cygames
ジャンル:育成シミュレーション
プラットフォーム:iOS/Android/PC
配信:日本
利用料金:無料(一部有料コンテンツあり)
URL:
・AppStore
https://apps.apple.com/jp/app/id1325457827
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