巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。
実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。
そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のビッグレースからピックアップして紹介していきたいと思います。
今日は日曜日に行われる2重賞からそれぞれ1頭ずつ紹介したいと思います。
マーメイドステークス ゴルトベルク
マーメイドステークスでは、おそらく人気は最低ラインであることが予想されるゴルトベルク。この馬は母方の祖母にエアグルーヴがいる良血馬です。
今回、このゴルトベルクには「母娘3代マーメイドステークス制覇」と言う珍しい記録がかかっています。
1997年に第2回マーメイドステークスを勝ったのがゴルトベルクの祖母エアグルーヴ。このレースはエアグルーヴにとって古馬になって初のレース。秋華賞10着時に骨折して以来の復帰戦でした。
このレースはその年5連勝を飾っていたシングライクトークと単勝の人気を分け合う一騎打ちの様相漂うレース。実際にレースもエアグルーヴとシングライクトークが3着以下を5馬身離すレースでマッチレースとなりました。
しかし、シングライクトークが必死に追いながらエアグルーヴを追走するのに対し、エアグルーヴはほぼ持ったままの手応えでその追撃を振り切っており、力の差は歴然でした。エアグルーヴはこの後札幌記念を制した後、天皇賞秋も優勝し、現役最強の座を勝ち取りました。エアグルーヴにとってこのレースは「飛躍」のレースとなりました。
その娘、グルヴェイグがマーメイドステークスを制したのは2012年。エアグルーヴの娘と言う事もあり、デビューから期待されていました。しかし、3歳時はオークスで3番人気ながら14着に敗れるなど、その類まれな能力を持て余している印象でした。
4歳の春からその能力は徐々に覚醒されていき、紫野特別、ホンコンジョッキーズトロフィーと2連勝しマーメイドステークスに出走してきました。そして、マーメイドステークスではオーストラリアの名手ウィリアムズ騎手を背に好位から力強く抜け出して重賞初制覇。いよいよその能力が開花する……、と思われましたが、このレースの後グルヴェイグは競走馬にとって不治の病と言われる屈腱炎を発症。このマーメイドステークスを最後に引退してしまいます。本来ならこのレースから「飛躍」を遂げるはずでしたが、それが叶う事はありませんでした。
オープン入りしてからは頭打ちのレースが続いているゴルトベルクですが、このマーメイドステークスを機に、再度上昇気流に乗ることを期待したいところです。
ユニコーンステークス ティーガーデン
ユニコーンステークスで初めてダートに挑むティーガーデン。ティーガーデンは父ドゥラメンテはエアグルーヴの孫、母ルミナスパレードは父がシンボリクリスエス、母父がアグネスタキオンと言うウマ娘のモデルとなった馬の血がたくさん入っています。
ティーガーデンの姉ソングラインはこの春に安田記念を制覇し、今一番勢いのある血統と言えます。
この牝系はソングラインやディアドラのように海外で活躍する馬も多いですが、ダート重賞を4勝したランフォルセやさきたま杯を連覇したノーザンリバーなどダートで活躍した馬も多く、ティーガーデンも初ダートとは言え侮れない存在と言えそうです。
ドゥラメンテ産駒は過去東京ダートの単勝回収率が100％超え、つまりドゥラメンテ産駒を東京ダートの全レースで単勝を買ったとしても儲けが出ると言う相性の良さを誇っています。
また、2018年にシンボリクリスエス産駒のルヴァンスレーヴが勝利しており、アグネスタキオンも母父としてここ10年で2頭の勝ち馬を出しています。血統的にもこのレースと相性が良いと言えるでしょう。
姉は芝の東京マイルで初のG1勝利を飾りましたが、今度は弟がダートのマイルで新味を見せてくれるかもしれません。
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