巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。
実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。現在も、ウマ娘たちのモチーフとなった名馬たちの子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けています。
そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のビッグレースからピックアップして紹介していきたいと思います。
今日は日曜日に行われる2重賞から1頭ずつ紹介したいと思います。
オールカマー デアリングタクト
オールカマーに出走を予定しているデアリングタクトは現役の競走馬として初めてウマ娘化された競走馬です。
コロナ禍で競馬場への入場が大きく制限された2020年、デアリングタクトは日本競馬史上初めて「無敗の牝馬三冠」を達成しました。同年の牡馬クラシックはコントレイルが父ディープインパクトに次ぐ3頭目の無敗三冠を達成し、この2頭は感染症で沈む日本の競馬ファンを大いに盛り上げました。
個人的にデアリングタクトで印象に残っているのは2戦目となったエルフィンS。4コーナーまで後方でレースを進めながら、直線は大外から末脚を爆発させ4馬身差の圧勝。その末脚の見事さもさることながら、私が驚いたのがその時の勝ちタイム。勝ちタイムの1.33.6はこのレースをウオッカが勝った時の勝ちタイムを1.33.7を上回る当時のエルフィンS史上最速タイム。デアリングタクト、ウオッカに次ぐ3位のマルセリーナの勝ちタイムが1.34.4なので、この2頭の勝ちタイムがいかに抜けているか分かるでしょう。
以来、私はこの年の牝馬はこの馬を追いかけ、牝馬三冠を達成した秋華賞の時は実際に競馬場に足を運んで、その雄姿を目に焼き付けました。
個人的にはそのような思い入れのある馬なので、この度のウマ娘化は大変うれしかったです。それに応えるように更なる活躍をデアリングタクトにはしてもらいたいと思います。
神戸新聞杯 ヴェローナシチー
神戸新聞杯に出走するヴェローナシチー。父はデアリングタクトと同じエピファネイアで、その父はシンボリクリスエス、母父はスペシャルウィーク。また、ヴェローナシチー自身の母の父はゼンノロブロイでスペシャルウィークの母父マルゼンスキーも含めて、4頭のウマ娘のモデルになった競走馬の血が流れています。
ヴェローナシチーは成績を見てもらえばわかる通り勝利数は1ながら、2着3回、3着3回と全7戦全てで馬券圏内に入る安定感を見せています。裏を返せばあと一歩勝ち切れないもどかしさも持ち合わせていると言えます。そんなヴェローナシチーにとって、心強いのは2頭の祖父シンボリクリスエスとゼンノロブロイの存在でしょう。
この2頭は同じ藤沢和雄厩舎の所属馬で、シンボリクリスエスが2002年、ゼンノロブロイが2003年の神戸新聞杯を勝利しており、レースとしての相性は良いと言えます。
また、2頭はいずれもヴェローナシチーのように「勝ち切れない時期」と言うのを経験しています。
シンボリクリスエスは3歳の春、新馬戦を勝った後1勝クラスで2着⇒3着⇒3着と3戦惜敗が続いており、その後2連勝した後も日本ダービーではタニノギムレットの2着に敗れています。秋は神戸新聞杯から始動して勝利をおさめると、その年の秋の天皇賞と有馬記念を制し、一気に飛躍を遂げました。
ゼンノロブロイは逆に神戸新聞杯を勝った後、惜敗が続く歯がゆい競馬を続けることになります。菊花賞から翌年の京都大賞典まで4着⇒3着⇒2着⇒2着⇒4着⇒2着と力を示しながらももう一歩足りないレースばかり。同厩舎の先輩シンボリクリスエスの引退レースとなった有馬記念ではそのシンボリクリスエスに9馬身以上離されて敗れており、レースが終わった後藤沢調教師がゼンノロブロイに「もっと頑張らないとダメだよ」と説教したと言う逸話が残っています。それだけ期待の大きかったゼンノロブロイは翌年天皇賞秋で覚醒し、テイエムオペラオー以来2頭目の、そしていまだその2頭しか達成していない「秋古馬三冠」を成し遂げました。
ヴェローナシチーも一つ勝つことで大きく飛躍を遂げる可能性を秘めた馬だと思います。そのターニングポイントとなるレースが今回の神戸新聞杯である可能性も十分にあると思います。
開発:Cygames
ジャンル:育成シミュレーション
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