[根岸S]東京ダート1400Mで4戦4勝のレモンポップが参戦。フェブラリーSに向けてどのような走りを見せるか。 - 重賞プレビュー

根岸S フェブラリーSにむけた最重要トライアル

今週はフェブラリーSのトライアルレースの根岸Sが行われます。
先週の東海SもフェブラリーSの前哨戦ではありましたが、今年の東海Sはトラブルによる影響が出てしまいました。それだけに今週行われる根岸Sの重要度が高まったと言えますし、出走するメンバーを見ればフェブラリーSでも上位人気になりそうな馬が揃っています。文字通りフェブラリーSの前哨戦になることは間違いありません。今の段階から有力馬をしっかりチェックしておきましょう。

例年の根岸Sの傾向とは違う!? 2023年・根岸S

例年の根岸Sは前年のカペラS組がスタート後からHペースで先行するも直線で失速し、差し馬が台頭するという場面がよく見られましたが、今年出走する馬達は東京ダート1400Mで先行して結果を残してきた馬達です。今回もレースの前半から揃って先行するかと思いますが、簡単に失速するとは思えないほどスピードの持続力に長けた馬達が揃いました。激しい先行争いをスタート後からゴールまで続けるスピード勝負になりそうです。それでは有力馬を紹介していきます。

レモンポップ - 東京ダート1400Mは4戦4勝! 1400Mならまだ底を見せていない大注目馬。

混戦ではありますが、一番の注目はレモンポップでしょう。
ダート1400Mでのレースは非常に好成績ですが、中でも東京ダート1400Mは4戦4勝です。2勝クラス、3勝クラス、OP2戦と一気に4連勝を挙げたのですが、2着に3馬身半差、6馬身差、2馬身半差、4馬身差とそのどれもが完勝。圧倒的なパフォーマンスを見せています。道中は2,3番手を先行し、直線で突き放すという安定感たっぷりのレース。休み明けも2,1,1着と文句なし。前走は1600Mへの距離延長で2着に敗れてしまいましたが、差は僅かにハナ差。一番の適距離、コースになれば巻き返す可能性が高いと言えます。G1制覇へ向けていいスタートを切りたいところでしょう。

ギルデッドミラー - 前走でレモンポップを撃破! ダート転向後は2勝2着1回と完璧。

レモンポップが評価されるほど評価が上がるのがギルデッドミラーです。
3歳春時にはNHKマイル3着がある芝馬でしたが、3走前のNST賞(新潟ダート1200M)からダートに転向し、クビ差勝利。続くグリーンチャンネルカップ(東京ダート1600M)ではレコード決着の2着と距離延長に対応し、前走の武蔵野Sでは上記のレモンポップを差し切って勝利をあげました。直線での切れは素晴らしいものがありましたし、今回もレモンポップが早めに抜け出そうとする可能性が高いので、1400Mでも差し切れる可能性はありそうです。

今回は1400Mへの距離短縮が課題になると思いますが、芝を使っていた時は1400Mの京都牝馬Sで2着していましたし、ダート初戦が1200Mでしたので問題ないでしょう。

テイエムサウスダン - 昨年の勝ち馬が得意の舞台で復活か?

東京ダート1400Mの舞台で見直したいのが昨年の覇者、テイエムサウスダンです。

地方の交流重賞を中心に転戦していた馬ですが、昨年の根岸Sは逃げたジャスティンを目標に、直線で差し脚を伸ばして勝利とスピード勝負にも対応できました。続くフェブラリーSでも2着と結果を出したので実績上位ですし、東京コースにも適性があるのは確かです。

今回はルメール騎手騎乗で大いに期待できます。例年、冬の中山開催ではエンジンのかからないルメール騎手ですが、東京開催に替われば勝ち星を量産するのが同騎手。人馬ともに東京コースに替わって注目でしょう。

ヘリオス - 近走の安定度は抜群! 武豊騎手を背に逃げると侮れない存在。

近走の充実具合からはヘリオスも注目です。
昨年の根岸S以降は地方交流重賞で戦ってきましたが、5戦して2着4回と非常に安定した成績を挙げています。どんなコースでも結果を出しているのは地力が高い証拠といえますし、ここ2走は南部杯とJBCスプリントというG1の舞台で連続2着と実績上位なのは確かです。今回はスピードがより必要になる東京ダート1400Mに替わってどうか、というところです。ただし同馬が強い勝ち方をしていたレースといえば、東京ダート1400Mのグリーンチャンネルカップと霜月Sです。どちらも逃げてそのまま押し切ってしまうという強い内容でOPを連勝しました。

ペース次第ではありますがレモンポップが2,3番手を取る可能性は高いので、その前を緩めのペースで先行できれば押し切れる可能性は十分。また、昨年の根岸S(2着)のようにうまく立ち回れる器用さもあります。有力な先行馬が多いメンバー構成で、地力と器用さのある同馬を武豊騎手がどう導くのか注目です。

バトルクライ - 明け4歳世代がここでも存在感を示せるか?

昨年のチャンピオンズカップでは現4歳馬のクラウンプライドが2着、ハピが3着と世代の強さを示しました。

そんな現4歳世代で注目なのがバトルクライです。昨年のユニコーンSでは3着と世代上位の力を示し、その後は条件戦を連勝し、OP2戦目で勝利と順調にキャリアを積んできました。特に左回りのダートでの成績が素晴らしく、6戦して4勝3着2回と非常に好成績。若い馬が好成績を挙げる傾向にある根岸Sなので、前評判以上に健闘する可能性も高いと言えます。

昨年からずっと使ってきている点と、先行馬が多い中で前を捕まえられるかどうかという点はやや気になります。脚質的には中団からの競馬になると思いますが、先行馬にある程度ついていけそうな位置取りを目指したいところでっしょう。あとは直線でどのくらい差を詰められるかに注目です。

タガノビューティー - べストのコースで展開が向くのを狙う。

伏兵候補といえば、タガノビューティーでしょう。

同馬は後方からの競馬になることが多く、加えて揉まれると駄目なので外を回さないといけないのが弱点の馬。それでこれまでは差してくるけど届かないことが多かったのですが、直線での切れはこのメンバーに入っても上位です。その切れを生かすためには展開が鍵になりますが、今回は先行馬が多く揃い、直線が長い東京コースの1400M。条件的にはピッタリと言えます。実際、昨年の根岸Sは大外から差し脚を伸ばして3着と見せ場を作りました。展開待ちにはなりますが、ハマった時の脚は一級品。豪快な差し脚を期待していいのではないでしょうか。


先行するレモンポップは強いと思いますが、それを目標に各馬が迫って直線で激しい追い比べになる可能性が高い今年の根岸S。レースとしても迫力のあるレースになるはずです。そしてその先には、G1のフェブラリーSがあります。『さらに200M伸びるとどうなるんだろう?』と思わせるようなレースを各馬が繰り広げてくれるこのではないでしょうか。『次は逆転できる!』『いや、根岸Sの再現だ』とフェブラリーSへ向けて熱く議論できるようなレースを期待したいですね。

写真:かぼす

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