[重賞回顧]秋を見据える首都決戦〜2021年・府中牝馬ステークス〜

10月中旬の土曜日。東京競馬場では府中牝馬ステークスが行われた。

心配された天気もどうにか持ち、馬場状態は良馬場でレースを迎えることが出来た。

秋に見据えるG1へ向けて、東京での牝馬決戦は果たしてどのような結末となるのだろうか。

レース概況

今年の府中牝馬ステークスはフルゲート18頭立て。

人気に推されたのは同じ社台の勝負服の2頭だった。

人気の一角マジックキャッスルはヴィクトリアマイルで3着に好走するなど、安定感のある走りを見せている一頭。前走2着に敗れた雪辱を晴らすべくここは負けられない一戦だった。

もう一頭の人気馬はデゼル。
今年は阪神牝馬ステークスで勝利し、牝馬戦線の主役に躍り出た。
ここは秋の前哨戦の位置づけ。しかしG1へは良い形でつなげたところ。

そして府中が得意なシャドウディーヴァやドナアトラエンテが虎視眈々とタイトルを狙う。大混戦の様相を呈した。

向こう正面でのゲートインが終わり、レーススタート。
先行争いは2枠の2頭ローザノワールとアンドラステが引っ張っていった。

連れてデゼルやスマートリアン、サトノダムゼルなどごった返す展開に。
ドナアトラエンテやマジックキャッスルは後方に構えてのレースとなった。
東京競馬場の特性を踏まえつつ、各馬構えたまま直線コースの攻防に入った。

先頭はここでアンドラステに替わる。リードを1馬身、2馬身と取っていく。

2番手の一線からはスマートリアン、サトノダムゼルが追い込み、内からドナアトラエンテが迫る。そして大外からマルターズディオサとシャドウディーヴァが一気に迫る。抜け出したアンドラステを捕まえたのは大外伸びたシャドウディーヴァ。

ゴール前で差し切ってシャドウディーヴァが勝利を挙げ、重賞制覇を果たした。

各馬短評

1着 シャドウディーヴァ (福永祐一騎手 4人気)

持ち前の末脚で見事、重賞制覇となった。

道中は最後方グループを追走。直線での伸び比べに賭けた。大外に持ち出すとその末脚が爆発。上がり最速を以ってアンドラステをとららえての優勝。

昨年のこのレース2着からの雪辱を果たした。

2着 アンドラステ (岩田望来騎手 5人気)

2番手でレースを進め、直線で一度は突き放したアンドラステが2着となった。

持ち前の先行力が活き、直線では逃げる格好で勝利に向かった。最後はシャドウディーヴァに捕まったもののその走りは期待の持てるものだった。次こそは若武者と共に重賞制覇を狙う。

3着 マルターズディオサ (田辺裕信騎手 8人気)

今日は先行ではなく追い込みで3着に入線した。

道中は中団やや後方。シャドウディーヴァと同様に直線での差し脚勝負に打って出た。

鋭い伸び脚を見せ、瞬く間に上位争いに食い込んだ。上位2頭には及ばなかったが新たな戦い方を見出した瞬間だった。

総評

府中牝馬ステークスはシャドウディーヴァの勝利で幕を閉じた。

アンドラステの先行とシャドウディーヴァの末脚でゴール前での接戦を演じた2頭。どちらも次につながる前哨戦となっただろう。秋には阪神でエリザベス女王杯も行われる。悲願のG1へ戦いはまだ始まったばかりである。

写真:かぼす

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