[重賞回顧]晩秋から巣立つ2歳馬たち〜2020年・京都2歳ステークス〜

11月の暮れに行われる伝統の2歳重賞、京都2歳ステークス。今年は京都競馬場の改修で阪神芝2000mで行われた。京都2歳ステークスの前身であるラジオNIKKEI杯2歳ステークスと同じ舞台で行われた今年は、10頭のメンバーで争われた。過去にはダービー馬も巣立ったこの舞台からクラシック戦線に名乗りを上げるのは果たしてどの馬か。

レース概況

出走メンバーは10頭と少頭数ながら、単勝一桁オッズが6頭もいるという大混戦模様。

1番人気に支持されたのはここまで1着2着と来たラーゴムだった。続く2番人気には新馬戦から連勝を狙うグロリアムンディ、3番人気にはワンダフルタウンと続く。

スタンドから伸びる影のもと、レースがスタート。10頭それぞれ好スタートを切り、思い思いのポジションを探る。まず先手を取ったのは大外枠のタガノハイ。その後ろは固まって内枠のビップランバンとバスラットレオン、そこにグラティトゥーの3頭が追走した。

中団にラーゴムやワンダフルタウンがポジションをとり、10頭がそこまで縦長にならずにレースは進んだ。

そして迎えた直線。

逃げたタガノハイを捕えに出るバスラットレオンとグラティトゥー。4番手の一線からはラーゴムとワンダフルタウンら追い込み各馬が横一線に並んできた。

横一線。しかし差し脚優勢は外の各馬か。

真ん中からラーゴムが先頭に立つも、瞬く間にワンダフルタウンが差し抜けてゴールイン。大外から差しきりで重賞初制覇となった。

各馬短評

1着 ワンダフルタウン (和田竜二騎手 3人気)

豪快な差し切りで重賞初制覇を果たした。

道中は中団で追走。直線ではラーゴムの外に進路を出して差し脚を伸ばし続けた。馬場の外から坂にも負けず差し脚を伸ばした力強さを感じるレースとなった。ここまで3着以内を外さないままクラシックへと向かう。

2着 ラーゴム (武豊騎手 1人気)

早め先頭に立つも、あと一歩のところで2着となった。道中は5番手辺りで先行勢を見る位置で競馬を進めた。

直線では勝ち馬のワンダフルタウン同様外から差し脚を伸ばした。最後に差されはしたものの着差はわずか。今後の巻き返しに期待だ。

3着 マカオンドール (岩田康誠騎手 7人気)

人気は無かったもののしぶとい脚で3着に滑り込んだ。こちらも道中は中団を追走。直線ではやや内寄りを選択。

先行勢の間を縫って差し脚を伸ばして3着に飛び込んだ。内から追い込んだ馬を抑え込んでの3着は価値のある入着。見事に穴をあけた。

総評

スタミナとパワーを要する阪神芝2000mを制したのはワンダフルタウンであった。差し合戦になった中で上がり最速をマークしての勝利。

過去にこの舞台から巣立った先輩に追いつくべく、重賞そしてG1へとステップアップを目指していくだろう。今後の走りにも注目していきたい。

写真:RINOT

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