「road to the future」未来へ続く道。
このコーナーでは、週末のレースを勝ち上がった一口馬主クラブの2歳馬たちを取り上げていきます。
ここから、クラシック戦線や世代の各路線、古馬になって活躍する名馬がきっと現れるはずです。
今週はどのような期待馬が勝利を収めたのでしょうか?
12月21日(土)
■中山2R 2歳未勝利(牝馬限定)・ダート1,800m・1:55.8
コンアフェット - キャロットクラブ
牝馬(7番人気)
父:ルーラーシップ
母:コンダクトレス(母父:ホワイトマズル)
厩舎:斎藤 誠(美浦)
騎手:石川 裕紀人
生産者:社台コーポレーション白老ファーム(白老町)
一口価格:70,000円(400口)
スタートを決めるとスッと2番手につけ、勝負所ではしっかりと抜け出すという文句のない競馬を披露しました。デビュー戦では芝のレースを使われましたが、2戦目のダート替わりで変わり身を見せてくれました。
母コンダクトレスもコンアフェットと同様にキャロットクラブから募集され、ダートのデビュー戦を制しその後は芝2,000mで2勝をあげ繁殖入りしました。
今日の走りを見ると距離はこれくらいまでの方が現状は良さそうです。次走以降、揉まれた時にどのような競馬になるかがポイントになるかと思いますが、まずは1つ勝ち上がれたことで色々な可能性が見えてくるのではないでしょうか。
■中山3R 2歳未勝利・芝1,600m・1:34.5
コムユンプリュム - G1サラブレッドクラブ
牝馬(2番人気)
父:ブリックスアンドモルタル
母:コム(母父:Le Havre)
厩舎:鹿戸 雄一(美浦)
騎手:菅原 明良
生産者:社台ファーム(千歳市)
一口価格:1,000,000円(40口)
スタートしてから先行争いが長く続き決して楽な競馬にはなりませんでしたが、直線で抜け出してからも最後まで脚色が衰えることなく力があるところを見せてくれました。
母コムは2019年にGⅠ仏オークスや仏1000ギニーで2着など活躍をしました。母父のLe Havre(ルアーヴル)は我が国において、2019年のフィリーズレビューを制したプールヴィルの父として、またセリフォスやデゼルの母父として名前を見ることができます。
デビュー2戦とも先行して最後までしっかり走れている事ことは非常に評価が高いです。今後も同じような競馬ができれば上のクラスでも十分に戦えるでしょう。
■京都2R 2歳未勝利・ダート1,200m・1:12.8
イマージョン - キャロットクラブ
牡馬(1番人気)
父:ロードカナロア
母:アディクティド(母父:Diktat)
厩舎:高野 友和(栗東)
騎手:北村 友一
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:150,000円(400口)
スタートは五分も行き脚がついて先頭を奪います。その後も楽な逃げにはならず直線でも競りかけられますが、最後は2馬身突き放して3戦目での嬉しい初勝利となりました。
母アディクティドは現役時代には仏国で1,600mのGⅢを制しており、繁殖にあがるとキングカメハメハ産駒で重賞2勝のクルーガーや2020年のジュニアCの勝ち馬サクセッションを輩出しています。
今日は盤石な競馬を披露していましたし、牝系を見るともう少し距離は伸ばしても十分に守備範囲なのではないでしょうか。
■京都3R 2歳未勝利・ダート1,800m・1:54.2
ロードシュヴァリエ - ロードサラブレッドオーナーズ
牡馬(6番人気)
父:シュヴァルグラン
母:アンダルシア(母父:アルカセット)
厩舎:森田 直行(栗東)
騎手:中井 裕二
生産者:大柳ファーム(浦河町)
一口価格:48,000円(500口)
道中はインコースでジッと脚をため、直線で前をいく1番人気に食い下がりゴール直前で交わし切って5戦目での初勝利をあげました。
母アンダルシアからは堅実な走りをする馬が多く誕生しており、代表格はロードヴァレンチ(父:エスポワールシチー)となっています。
今日はデビュー以来、最高の馬体重で登場となったように一戦ごとに成長が見て取れます。距離はこれ位が良さそうで、今回の様な競馬ができれば上のクラスでも十分戦えるでしょう。
■京都4R 2歳未勝利・芝2,000m・2:00.8
リンクスティップ - サンデーサラブレッドクラブ
牝馬(2番人気)
父:キタサンブラック
母:ダンスウィズキトゥン(母父:Kitten's Joy)
厩舎:西村 真幸(栗東)
騎手:C.デムーロ
生産者:社台コーポレーション白老ファーム(白老町)
一口価格:900,000円(40口)
スタート後、すぐに二の脚がつき2番手で競馬をすすめると直線ではあっさり先頭に躍り出てあとはリードを守り切りました。先行馬にこの競馬をされては後続は為す術もなく今日は完勝と言えるでしょう。
母ダンスウィズキトゥンは北米で3勝をあげ繁殖入りし、リンクスティップの勝利で初仔のキトゥンズワルツから5頭連続でJRAの勝ち上がりをマークしたことになります。半兄デュアルウィルダー(父:Yoshida)は今年の青葉賞3着馬です。
デビュー2戦ともにセンスある走りを披露してくれており、距離も2,400mくらいまではもつのではないかと思います。早めに賞金を加算し、クラシックロードを見据えたいのではないでしょうか。
■京都5R メイクデビュー京都・芝1,600m・1:35.5
フランクスピード - キャロットクラブ
牝馬(6番人気)
父:Frankel
母:インピード(母父:Bated Breath)
厩舎:高野 友和(栗東)
騎手:C.デムーロ
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:125,000円(400口)
スタートを五分に出ると、すぐに先団にとりつきます。道中でC.デムーロが手綱を引っ張り頭をあげようとする場面も見受けられましたが、新馬戦としては許容範囲でしょう。スパートすると後続に3馬身半の差をつける快勝でした。
祖母コーラリーヌからは活躍馬が多数登場しており、母インピードは未出走ながらポテンシャルの高さは伺えます。事実、初仔のキングズブレス(父:Kingman)のデビュー戦2着、そして2戦目で勝ち上がりを果たしています。
今日は直線を向いてから本当に素晴らしい競馬を披露してくれました。現状、マイル位が一番良いように見えますが、成長次第では距離は伸ばしても面白いのではないでしょうか。
■京都9R 万両賞・芝1,400m・1:21.7
ライラ - ノルマンディーオーナーズクラブ
牝馬(7番人気)
父:キタサンブラック
母:タニノジュレップ(母父:コロナドズクエスト)
厩舎:牧 光二(美浦)
騎手:幸 英明
生産者:岡田スタッド(新ひだか町)
一口価格:50,000円(400口)
無理をせずとも先頭を奪うと、最後までバタつくことなく逃げ切り勝ちを果たしました。12月はなんと3走目の出走で、中山の未勝利を勝ったばかりでの京都への連闘策。その中で馬体重が増え続けている点に驚かされます。
現状は逃げの競馬が合っていそうで、距離を短縮して結果を残せたことも今後に繋がりそうです。次はオープンクラスの勝負となり先手争いも激化してくるかと思いますが要注目の存在になりそうです。
12月22日(日)
■中山4R 2歳未勝利・芝2,000m・2:01.3
ロジャリーマイン - キャロットクラブ
牝馬(1番人気)
父:エピファネイア
母:マリアライト(母父:ディープインパクト)
厩舎:久保田 貴士(美浦)
騎手:川田 将雅
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:175,000円(400口)
大外枠からのスタートとなり無理をすることなく前半は17番手を追走します。道中、馬なりで先団まで進出し、直線では外から脚を使い2戦目での勝ち上がりとなりました。
牝系は祖母クリソプレーズから続く「Our Blood」で、母は2016年の宝塚記念と2015年のエリザベス女王杯を制したマリアライトとなります。父にエピファネイアを迎えたことで全兄オーソクレースに続く活躍が期待されます。
今日はこのメンバーでは一枚上の走りを披露してくれました。
レース後の状態を見ながらになるかとは思いますが、牝馬三冠での走りを是非見てみたい良血馬です。
■中山6R メイクデビュー中山・芝1,600m・1:36.6
ディオデルマーレ - G1サラブレッドクラブ
牡馬(1番人気)
父:ロードカナロア
母:シーティス(母父:Invincible Spirit)
厩舎:堀 宣行(美浦)
騎手:R.ムーア
生産者:社台コーポレーション白老ファーム(白老町)
一口価格:900,000円(40口)
スタート後、R.ムーア騎手にやや気合をつけられながら先頭集団へつける展開。直線では進路が見つからず窮屈になる場面も見受けられましたが、それでもトップスピードに乗ってからは素晴らしい脚を披露してくれました。
母シーティスは現役時代に独国GⅡのロックフェルS2着の成績があり、繁殖としては中山・門別で各2勝をあげているダルダヌス(父:Dutch Art)が誕生しています。
今日は先行の競馬が合っているように見えましたし、最後まで勝負根性を見せて伸び切っていました。距離はこれくらいまでが良さそうです。
■京都6R メイクデビュー京都・芝1,800m・1:49.9
マトラコーニッシュ - 社台サラブレッドクラブ
牝馬(2番人気)
父:サートゥルナーリア
母:エアマスカット(母父:ジャングルポケット)
厩舎:池添 学(栗東)
騎手:北村 友一
生産者:猿倉牧場(様似町)
一口価格:600,000円(40口)
五分のスタートをきるも無理に促すことなく馬のペースに落ち着かせます。前半の1,000mが1分02秒4というペースの中でも前に迫らせることなく、それどころか一時は最後方まで下がる競馬となりました。それでも4コーナーで大外に持ち出し直線を迎えると1頭抜けた脚で一気に交わし切りました。完勝という言葉以外見つかりません。
曾祖母はエアデジャヴー、祖母がエアメサイアと大事に繋がれてきた牝系。エアマスカットは未勝利でしたが、産駒はこれで6頭中4頭がJRAで勝ち星をマークしたことになり、血統の底力を感じます。
今日は自身のペースに終始徹し、馬場も良い所を選んで走っていた印象を受けました。これから上のクラスに挑んでいくと自由に走れない場面も多く出てくるかと思いますが、今後も期待せずにはいられないデビュー戦になったかと思います。
※本記事内のクラブ名は愛馬会法人名を使用しています
写真:s1nihs、Y.Noda、INONECO