「road to the future」未来へ続く道。
このコーナーでは、週末のレースを勝ち上がった一口馬主クラブの2歳馬たちを取り上げていきます。
ここから、クラシック戦線や世代の各路線、古馬になって活躍する名馬がきっと現れるはずです。
今週はどのような期待馬が勝利を収めたのでしょうか?
11月30日(土)
■中山5R メイクデビュー中山・芝1,200m・1:09.0
ヴィヴァラリス - ローレルクラブ
牝馬(11番人気)
父:デクラレーションオブウォー
母:ペプチドリリー(母父:ダイワメジャー)
厩舎:尾関 知人(美浦)
騎手:三浦 皇成
生産者:杵臼牧場(浦河町)
一口価格:50,000円(200口)
スタートは五分に決め、道中は中団に待機。4コーナーで思い切って大外に持ちだすと見事に差し切り新馬勝ちを果たしました。
母ペプチドリリーは現役時代、芝の1,200m戦で勝ち星をあげています。
父デクラレーションオブウォー×母父ダイワメジャーの組み合わせはこれでJRAでデビューした6頭中5頭目の勝ち上がりになりますので、相性の良さが光ります。
今日は直線でかなり外に進路をとりましたが、スピードに乗ってからの伸び脚は抜群でした。短距離が現状は合っていると思います。
まだ馬体重は400キロということもあり、これからの成長が楽しみです。
■中山9R 葉牡丹賞・芝2,000m・1:58.8(R)
ヴィンセンシオ - キャロットクラブ
牡馬(3番人気)
父:リアルスティール
母:シーリア(母父:キングカメハメハ)
厩舎:森 一誠(美浦)
騎手:W.ビュイック
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:125,000円(400口)
2歳のコースレコードをマークしデビュー2連勝を飾りました。
スタートは五分で先団を見る形でレースを進めます。逃げ馬が最初の1,000mを59秒4で引っ張る展開。3~4コーナーでは、W.ビュイックが前に壁を作らない様に乗っていましたが、その際にも上手いコーナーリングを披露してくれました。
直線では3頭の叩き合いを最内からしのぎ切った点も評価できます。この、レースぶりだと距離は伸びても何ら問題ないでしょう。
牝系を見渡すと祖母がシーザリオですので、エピファネイア、サートゥルナーリア、リオンディーズなど豪華メンバーがズラリと顔を揃えています。
ここで賞金を加算したことで次に視野に入るのは重賞、そしてクラシック路線。
デビュー2戦ともに他馬が迫った際にしっかりと反応できている勝負根性は、今後の激戦に活きてくるでしょう。
ちなみに父リアルスティール×母父キングカメハメハの組み合わせはダートで好走している馬も多く、今後の成長次第ではそちらでの活躍できるのではないのでしょうか。
■京都5R メイクデビュー京都・芝1,800m・1:49.4
マディソンガール - サンデーサラブレッドクラブ
牝馬(2番人気)
父:キズナ
母:ヤンキーローズ(母父:All American)
厩舎:中内田 充正(栗東)
騎手:川田 将雅
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:2,000,000円(40口)
超良血馬がデビュー戦から素質をいかんなく発揮しました。
1番人気の馬が直線で馬場の良い所を選びながら後続に対しあっという間に3馬身のセーフティリードを作る展開。ただ1頭食い下がったのがマディソンガールです。
素晴らしい瞬発力を見せつけ、2着に1馬身差、3着にはそこから5馬身差をつける快勝劇でした。
母が豪州2歳牝馬チャンピオンに輝いたヤンキーローズ。半姉が阪神JF制覇、そして牝馬三冠を達成しジャパンカップでは2着に好走したリバティアイランド(父:ドゥラメンテ)という良血馬。
ラストの瞬発力は血がなせる業といったところでしょうか。
今日はまだ幼い面も多少見せながらこのレースぶりですから、今後の活躍が楽しみでなりません。
■中京5R メイクデビュー中京・ダート1,800m・1:58.2
フィングステン - キャロットクラブ
牝馬(3番人気)
父:ドレフォン
母:アドヴェントス(母父:ジャングルポケット)
厩舎:西園 正都(栗東)
騎手:亀田 温心
生産者:社台コーポレーション白老ファーム(白老町)
一口価格:65,000円(400口)
最初の1,000mが1分7秒0という超スローペース。そんな中でも2番手でしっかり折り合いがついていました。
最後の直線では後続が迫るとすぐに反応し加速を開始。2着馬に1馬身1/4、3着にはそこから6馬身の差をつけていますので、今日は力が1枚上だったと言っても良いのではないでしょうか。
父ドレフォン×母父ジャングルポケットの組み合わせからは、同じキャロットクラブでグランサバナが募集されダートの1,800m戦で3勝をあげています。
また、祖母アドマイヤサンデーからはトールポピー、アヴェンチュラ、フサイチホウオーといった活躍馬が輩出されています。
本馬は父がドレフォンということもあり、ダート寄りになってくるかと思います。
次走以降で早い流れになった際に対応できるかで、適性距離については見えてくるのではないでしょうか。
12月1日(日)
■中山3R 2歳未勝利・芝1,600m・1:33.4
ジョイフルニュース - 社台サラブレッドクラブ
牝馬(1番人気)
父:ロードカナロア
母:ジョイニキータ(母父:Fortify)
厩舎:大竹 正博(美浦)
騎手:大野 拓弥
生産者:社台ファーム(千歳市)
一口価格:750,000円(40口)
終始、後ろから突かれる展開で自身のペースにはならなかったと思いますが、最後まで止まることなく伸び切りました。
2着に1馬身差、3着にはそこから4馬身差ですので完勝と言って良いでしょう。
母ジョイニキータは芝1,600mのGⅠ亜1000ギニー大賞典、芝1,400mの亜国GⅡエリセオラミレス賞の勝ち馬。そして曾祖母サウスニーニャから多くの活躍馬が輩出されています。
距離はマイルから1,800mくらいまでは十分に守備範囲なのではないでしょうか。
まずは今回減らした馬体重を戻し、次走に期待をしたいと思います。
■中山5R メイクデビュー中山・芝2,000m・2:01.1
スモーキーゴッド - サンデーサラブレッドクラブ
牡馬(3番人気)
父:シルバーステート
母:アガルタ(母父:キングカメハメハ)
厩舎:萩原 清(美浦)
騎手:T.マーカンド
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:900,000円(40口)
最初の1,000mを1分2秒1のペースで先頭をキープし、最後まで止まることなく見事な逃げ切り勝ちを果たしました。
特にコーナーリングの上手さには光るものがありました。
祖母が強烈な末脚が今でも語り継がれるブロードアピール。
母アガルタは非常に優秀な繁殖牝馬で、これで産駒10頭中9頭がJRAで勝ち星をマークしたことになります。
今日は逃げたとはいえ、勝負どころでは並びかけられるなど決して楽をしたわけでなくこれだけの競馬ができていますので、上のクラスにいっても十分に勝負できるでしょう。
距離は現状2,000mがベストだと思います。
■京都6R メイクデビュー京都・ダート1,800m・1:54.8
ソニックステップ - シルク・ホースクラブ
牡馬(1番人気)
父:ドレフォン
母:ステップオブダンス(母父:ゴールドアリュール)
厩舎:高野 友和(栗東)
騎手:西村 淳也
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:60,000円(500口)
少頭数の競馬となったことで道中のペースは相当遅くなりましたが、最後の直線での叩き合いを制し、見事に新馬勝ちを果たしました。
父ドレフォン×母父ゴールドアリュールですので適性はもちろんダートとなるでしょう。
なお、この組み合わせからは2023年の東京プリンセス競走を制したサーフズアップが誕生しています。
今日はペースが流れなかったこともありタイムはでていませんが、直線で後続をぐんぐん引き離したように、スピード感は十分に感じることが出来ました。
次走以降、速いペースとなった際にどのような競馬ができるかで再評価できればと思います。
■中京5R 2歳未勝利・芝2,000m・2:02.7
インターポーザー - シルク・ホースクラブ
牡馬(1番人気)
父:エピファネイア
母:インヘリットデール(母父:ルーラーシップ)
厩舎:高野 友和(栗東)
騎手:C.デムーロ
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:120,000円(500口)
少頭数かつ人気馬が後方に控える展開となったため、ペースはゆっくりと進みます。3コーナーでC.デムーロ騎手が仕掛けるとあっという間に先頭集団を一飲みし、直線ではリードを守り切りました。
牝系に目を向けると祖母に牝馬重賞などで大活躍したフサイチエアデールがいる血統。
父エピファネイア×母父ルーラーシップの組み合わせからは、今年の桜花賞馬ステレンボッシュが誕生しています。
今日は実質3コーナーからの競馬になりましたが、スピードのある所は十分に見せてくれました。
距離としては伸ばすよりも1,800mの競馬の方が向いているようにも思えましたので、次走のローテーションなどにも是非期待をしたいと思います。
■中京9R こうやまき賞・芝1,600m・1:35.1
カラマティアノス - サンデーサラブレッドクラブ
牡馬(2番人気)
父:レイデオロ
母:ダンサール(母父:ハーツクライ)
厩舎:奥村 武(美浦)
騎手:川田 将雅
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:1,250,000円(40口)
前走同様、ややスタートは遅いタイプで今日も後方からの競馬となりました。少頭数という事もあり、自身のペースで徐々に進出し、4コーナーでは4番手あたりにつけます。
そこからは長い脚を使い、ゴール前で差し切り見事に2勝目をマークしました。
血統的に距離は伸ばした方が良さそうなのですが、まだ幼い面も覗かせており無理をせず成長してからの方が無難かもしれません。
この時期に2勝目を飾ることができたのは非常に大きいと思います。今後のローテーションに注目です。
※本記事内のクラブ名は愛馬会法人名を使用しています
写真:よるぼん(@Jordan_Jorvon)、ヤマダイコン、すずメ、ぐっちー、みむら