[今週の競馬]AJCC、プロキオンS、小倉牝馬Sが開催。小倉牝馬Sではジョスランやココナッツブラウン、ボンドガールらが重賞初制覇を目指す

今週から中央競馬は3場開催へ移る。ここまでの中山・京都に加え、新たに小倉がスタート。重賞はその小倉で土曜にG3・小倉牝馬ステークスが行われるほか、日曜には東西でG2戦が行われる。中山は伝統の古馬重賞であるG2・アメリカジョッキークラブカップ、京都では古馬ダートグレードのG2・プロキオンステークスが行われ、古馬にとっては各路線で春の大舞台を見据える重要な1戦が組まれている。

○小倉牝馬ステークス 初冬の九州に開花を目指す牝馬たちが集結

小倉牝馬ステークス(G3)
土曜小倉11R 15:45発走
芝2000m(右)サラ系4歳以上牝馬限定 オープン ハンデ
本賞金 1着3800 2着1500 3着950 4着570 5着380(万円)

■レースの歴史、位置付け

前身は1963年に創設された愛知杯。だが、回次は引き継がずに新たな重賞競走として2025年に設立された。2026年現在、中京競馬場で開催されている愛知杯は、2024年まで京都牝馬ステークスとして開催されていた条件を引き継いでいるため、事実上全く別のレースとして扱われる。

とはいえ愛知杯時代にも、他場のスタンド改修が行われる関係などで何度か小倉競馬場で開催されたことがある。2010年の勝ち馬セラフィックロンプは、2008年の愛知杯覇者でこのレース2勝目を挙げた。だが、彼女の1度目の勝利は中京で挙げたもので、2026年現在、場所をまたいで愛知杯を制した唯一の馬となっている。ちなみに牝馬限定戦となったのは2004年からで、それまでは父内国産馬限定の重賞競走として開催されていた。

■前年のレース模様

牝馬三冠を盛り上げたクイーンズウォークの年明け初戦。ローズステークスではレガレイラに先着した実績などもあって1番人気に推されていた。

レースは逃げたベリーヴィーナスが1000m57秒7という超ハイペースで引っ張る流れに。強気に仕掛けたクイーンズウォークが抜け出すかに思われたが、直線半ばで後方勢が差し込んできて様相が一変した。最後は中団から抜け出しを図ったフェアエールングと、末脚に懸けたシンティレーションが馬体を合わせてゴール。結果は同着となり、初代覇者が2頭誕生した。

■今年の出走馬

創設2年目となる今回、2025年の牝馬戦線を盛り上げた馬たちが早速スタンバイ。明け4歳勢からは紫苑ステークス、ローズステークスといったトライアルレースでそれぞれ2着に好走したジョスラン、テレサや、2歳時にアルテミスステークスを制したブラウンラチェット、チューリップ賞の勝ち馬クリノメイが登録している。

ジョスランの鞍上にはクリストフ・ルメール騎手が手綱を取る予定となっており、参戦が確定すれば2020年の1月18日以来、6年ぶりの小倉での騎乗となる。JRAの競馬場では唯一、小倉でのみ重賞勝利がないルメール騎手が、史上8人目となる偉業を達成できるかどうか。

そして、5歳以降からも実績馬が数多く出走予定。重賞での好走はあるものの勝ち切れていないボンドガールや、札幌記念2着の実績があるココナッツブラウンなどが有力候補だろう。2頭とも一線級での活躍を見せてはいるが、まだ重賞タイトルは手にしていない。冬の小倉で初の栄冠を掴めるか。

○アメリカジョッキークラブカップ 伝統のG2

アメリカジョッキークラブカップ(G2)
日曜中山11R 15:45発走
芝2200m・外(右)サラ系4歳以上 オープン 別定
本賞金 1着6200 2着2500 3着1600 4着930 5着620(万円)

■レースの歴史、位置付け

1960年に日米の親善と友好を目的とし、ニューヨークのジョッキークラブから優勝杯の贈呈を受けて創設された競走。ちなみにこの前の年である1959年は、ハクチカラがアメリカのワシントンバースデーハンデを制し、日本調教馬が初めて海外のレースを制した年である。

第1回は1月5日に中山の芝2000mで開催されたが、翌1961年から金杯と施行時期を入れ替え、現在の開催時期に定着。そこから約20年間は芝2600mで実施されていたが、グレード制が導入された1984年に芝2200mへ短縮され、以降は中距離路線の実力馬が集う競走となった。

■前年のレース模様

前年のダービー馬であるダノンデサイルが有馬記念から中4週で参戦。鞍上も戸崎圭太騎手に変えての年明け初戦は1番人気に支持されたが、すぐ後ろの2番人気に、天皇賞(秋)以来となるレーベンスティール。この2頭が人気では抜け出していた。

レースはアウスヴァールが逃げ、3角手前で動いたチャックネイトが早めに先頭へ立つ展開に。直線に向いたところで抜け出しにかかったのは捲ってきたコスモキュランダだったが、それを捉えにかかったのが好位から脚を伸ばしたマテンロウレオ。そこにダノンデサイルも外から急追し、最後は3頭が横並びとなる形に。結果はダノンデサイルが3/4馬身だけ抜け出し、ダービー馬の意地を見せた。

■今年の出走馬

2025年のクラシック路線で活躍した馬たちに、5歳以上の馬たちがどう立ち向かうかというのが最大の焦点。

明け4歳勢からは京都新聞杯の勝ち馬ショウヘイ、弥生賞を制したファウストラーゼン、若葉ステークスを勝ち、三冠全てに出走したジョバンニなどが出走を予定。いずれも本番で勝ち切ることは叶わなかったが、古馬となってからの飛躍が見込まれる実力馬たちだ。なかでもダービーで3着のあるショウヘイが実績最右翼と言ってよく、初の中山遠征をこなせれば自身2度目の重賞タイトル獲得の可能性も十分にあるだろう。

一方、5歳以上の馬たちからもオールカマーで妹であるレガレイラの2着に好走したドゥラドーレスや、アルゼンチン共和国杯で3着となったディマイザキッドなど実績馬がエントリー。彼らに加え、2024年の札幌記念の覇者であるノースブリッジや、前年このレースで2着となったマテンロウレオなどもいる。新世代の台頭なるか、はたまた古豪が意地を見せるか、冬の中山開催の締め重賞に相応しい1戦となりそうだ。

○プロキオンステークス 寒空に輝く1等星となるのはどの馬か

プロキオンステークス(G2)
日曜京都11R 15:30発走
ダ1800m・外(右)サラ系4歳以上 オープン 別定
本賞金 1着5500 2着2200 3着1400 4着830 5着550(万円)
1着馬にフェブラリーステークスの優先出走権を付与

■レースの歴史、位置付け

1996年に春の古馬ダート短距離路線の整備を目的として創設された競走。2000年に開催時期を夏に移すと、以降は秋のマイルチャンピオンシップ南部杯やJBCスプリントといった、スプリントからマイル路線のダートG1級競走を目指す馬たちにとって重要な1戦となった。

そして2025年、1月開催の東海ステークスと施行条件、時期を交換し、現行の条件に。2月のフェブラリーステークスを目指す馬にとって重要な1戦となった。

なお、プロキオンステークスは過去に1度だけ京都で開催されたことがあるが、その時の勝ち馬シルクフォーチュンが叩き出した上り3ハロン34秒9は、2026年現在でも良馬場で開催されたレース史上最速の上りとして記録されている。

■前年のレース模様

明け4歳のサンライズジパングがみやこステークスや不来方賞などを制した実績を買われて1番人気。オメガギネス、ドゥラエレーデと2024年のフェブラリーステークスで1,2番人気を分け合った2頭も上位に推されていた。

スタートからハナを取ったサンデーファンデーがそのまま先頭に立ってレースを作ると、800m49秒5というスローペースに持ち込む。直線に向いてもその脚色は衰えず、番手追走して追い出しに入ったオメガギネスを突き放し、中団から追い込んできたサンライズジパングも抑え切って重賞初制覇を遂げた。

■今年の出走馬

オープン特別や重賞で実績のある馬が数多く登録してきており、かなりの混戦模様。なかでも注目したいのはトリポリタニアだろうか。

不良馬場となったレパードステークスでは12着と大敗を喫したが、その後条件戦を2連勝。前走の天橋立特別ではハナを取り、3ハロン目からゴールまで12秒台のラップを刻み続けての完勝劇を演じている。京都のダート1800mは【2-0-1-1】と安定感もあるため、いきなりの重賞制覇も期待できるのではないだろうか。

彼以外にも4歳世代からはこれが初のダート戦となるドラゴンブーストや、トリポリタニアと同様に条件戦を連勝してきたハナウマビーチなどもおり、楽しみな新顔が多い。

一方でダートグレードを盛り上げてきた5歳以上の馬たちも、G1で実績のあるクラウンプライドを筆頭に、3歳時はケンタッキーダービーで5着となったテーオーパスワード、前走の師走ステークスを快勝したブライアンセンスに、ダートグレードで善戦を続けるロードクロンヌなどがエントリー。もちろん、連覇を狙うサンデーファンデーにも注目だ。


今週で中山が終了し、次週からは東京にスイッチ。さらに小倉も始まり、京都ではプロキオンステークスも開催される。早くも2月のG1や、その先の戦いを見据えた雰囲気が漂い始めてくる1月のラストウィークは、果たしてどんな結末となるだろうか。季節は晩冬に差し掛かり冷え込みも加速してくる頃だが、その寒さを吹き飛ばすような熱戦に期待したい。

写真:突撃砲、ぼん、Horse Memorys、INONECO、水面、@pfmpspsm

あなたにおすすめの記事