[ウマ娘]優等生で負けず嫌い! ウマ娘ダイワスカーレットと、史実馬ダイワスカーレット。

「一番は譲るつもりはないわ、相手がどんなに強くてもね」
堂々と言い放つ赤毛の少女。

そのウマ娘の名は、ダイワスカーレット。

トレセン学園でも優等生と評判の生徒で、他のウマ娘から多くの人気と信頼を得ています。しかしその反面、負けず嫌いで自分が一番ではないと納得がいかず、あらゆることで1番にこだわる一面もあるウマ娘です。

今回は、ウマ娘・ダイワスカーレットが負けず嫌いキャラとなった秘密を、現役時代と共に解説していきます。

ダイワスカーレットの目標レース

デビュー戦に出走

ダイワスカーレットは、デビュー前から将来を嘱望された競走馬でした。

それもそのはず。ダイワスカーレットの父アグネスタキオンは、伝説の種牡馬サンデーサイレンス産駒であり、自身も皐月賞を勝ち幻の三冠馬と言われた競走馬。さらに母系も、祖母・スカーレットインク、母スカーレットブーケと"超"が付く名牝たちの名前が並びます。そんな日本競馬界のエリートである両親のもとに、ダイワスカーレットは誕生しました。

そんなバックボーンを持つダイワスカーレットですから、ファンも期待せずにはいられません。デビュー戦では単勝1.8倍と、圧倒的な1番人気に推されます。ダイワスカーレットはそうしたファンの期待に応えるように、スタートから2番手の位置を取ると、3コーナーから徐々に押し上げ最後は先頭で押し切る、まさに"優等生の競馬"で、デビュー戦を勝利で飾りました。

これが、"優等生"ダイワスカーレットの、記念すべき1勝目でした。

チューリップ賞で5着以内

デビュー戦を勝利したダイワスカーレットは、報知杯中京2歳S(OP)、日刊スポシンザン記念(G3)を経てチューリップ賞に挑戦します。

報知中京2歳Sではデビュー戦と同じ戦法で勝利を収め、続く日刊スポシンザン記念では道中で掛かってしまったこともあり2着と惜敗しました。ただ、初めて負けはしたものの、強い牡馬たちを相手に素晴らしい競馬を披露していたこともあり、ダイワスカーレットの評判はうなぎ上りでした。

そして、桜花賞とまったく同じ『阪神マイル』のチューリップ賞。

桜花賞のリハーサルとして、挑戦されるトレーナーの皆様も多いのではないでしょうか?

牡馬相手にあれだけの競馬をしたのですから、牝馬限定のチューリップ賞なら余裕か──と思われたところに、1頭の鹿毛の競走馬が参戦してきます。その名はウオッカ。ダイワスカーレットの生涯のライバルとなる競走馬との、初めての出会いでした。

1番人気ウォッカの単勝は1.4倍。2番人気ダイワスカーレットの単勝は2.8倍。そして3番人気のローブデコルテのオッズは14.6倍と、2番人気と3番人気のオッズが10倍以上開く、史上稀に見る一騎打ちムードとなりました。

そして実際に、ファンの期待通り、2頭の一騎打ちとなるのです。

スタートから逃げを打つダイワスカーレット。そのダイワスカーレットを見るように、少し後ろから追走するウオッカ。3コーナーから4コーナーにかけてジリジリと、ウオッカがダイワスカーレットを追い詰めます。

400m……300m……徐々に差がつまり、直線残り200mで先頭に入れ替わると、ウオッカがそのまま押し切り1着に。ダイワスカーレットはクビ差の2位でした。わずかの差で勝利を逃したダイワスカーレットは、桜花賞での巻き返しを心に誓います。

桜花賞で5着以内

迎えた牝馬クラシック初戦、桜花賞。

トライアルで負けた理由を解明し、ここで作戦を変更してくるトレーナーさんも多いのではないでしょうか。

ダイワスカーレットもチューリップ賞でウオッカに競り負けた原因を解明し、桜花賞にチャレンジしました。

桜花賞でのオッズは、

  • 1番人気ウオッカ1.4倍
  • 2番人気アストンマーチャン5.2倍
  • 3番人気ダイワスカーレット5.9倍

ダイワスカーレットと直接対決がなく、阪神JFでウオッカのクビ差にまで迫ったアストンマーチャンが2番人気に支持され、ダイワスカーレットは3番人気に。しかし、陣営はこのレースで1着を取るための秘策を用意していました。

レースではいつも通り前目に付くダイワスカーレット、それを見るように後ろからウオッカ。ここまでは前走のチューリップ賞と2頭の位置関係はまったく同じ。3コーナー、4コーナー……ダイワスカーレットの真後ろにぴったりつくウオッカ。多くのファンがウオッカの勝ちパターンだと確信したとき、ダイワスカーレットが動きます。レース前から瞬発力勝負では分が悪いと感じていたダイワスカーレット陣営は、早めに仕掛け、ウオッカの瞬発力を封殺する作戦に出たのです。

トップスピードに乗ってしまえばこっちのもの。
ダイワスカーレットは直線で堂々とウオッカを抑え、見事桜の女王に輝きました。

オークスで5着以内

桜花賞を制したダイワスカーレットは真のヒロインになる為に、オークスを次の目標に定めます。ウオッカが次走をダービーに定めていたこともあり、オークスではダイワスカーレットが圧倒的な主役となるのは目に見えていました。

──しかし運命のいたずらか、ダイワスカーレットはレース3日前に感冒(風邪)を発症し、オークスを回避します。ダイワスカーレットは目標を秋に定め、夏合宿に励むことになりました。

ここは、史実とゲームでの大きな差がある部分でしょう。
当時のダイワスカーレット陣営の無念を感じながら、ダイワスカーレットを大舞台へと送り込むのも楽しみ方のひとつかもしれません。

秋華賞で3着以内、エリザベス女王杯で3着以内

ひと夏を越え、さらに成長したダイワスカーレット。復帰初戦のローズSでは、逃げ押し切りという強い競馬を見せて、夏のトレーニングの成果をファンに披露します。

そして勢いそのままに、牝馬三冠の最終戦・秋華賞へ。

桜花賞、ローズSで素晴らしいパフォーマンスを見せたダイワスカーレットは、1番人気は譲ったものの、桜花賞とは違いウオッカとほぼ同オッズの単勝2.8倍に支持されます(ウオッカは2.7倍の1番人気)。そして今回のレースでは、桜花賞でダイワスカーレットが戦法を変えたように、ウオッカ陣営も今までとは違う戦法でダイワスカーレットに挑みます。

ダイワスカーレットはスタートから2番手を確保し、いつも通りの競馬。しかしウオッカはダイワスカーレット相手に初めて後方からの競馬で挑み、最後の直線で持ち前の瞬発力勝負に持ち込もうとしました。

迎えた直線。ダイワスカーレットはウオッカを気にするのではなく、ただ自分にとって最高の競馬をしていました。ウオッカも後方から一気に詰め寄りますが、時すでに遅し。2回目のGⅠでの対決も、ダイワスカーレットに軍配が上がりました。

さらにその次走、ダイワスカーレットはエリザベス女王杯も制覇し、ヒロインから女王へと上り詰めます。年末の有馬記念にも出走し、3歳牝馬にもかかわらず2着と好走するなど、デビュー前の期待に応え新たな競馬界のエリートだと証明しました。

大阪杯で3着以内

年が明け4歳(シニア級)になったダイワスカーレット。陣営は、ドバイ遠征を計画していました。

今でこそ、アーモンドアイはじめ多くの競走馬がドバイに挑戦していますが、この時代は今ほど海外遠征がメジャーではなかった時代。ダイワスカーレットにとっても、未知の挑戦でした。多くのファンがダイワスカーレットのドバイでの走りを楽しみにする中、またもやトラブルをダイワスカーレットを襲います。調教中に前の馬が巻き上げたウッドチップ(木片)が右目に入り、創傷性角膜炎と診断されドバイ遠征は白紙となってしまったのです。

目の怪我が治ったダイワスカーレットは、ドバイにチャレンジできなかった鬱憤を晴らすように、大阪杯へと出走。スタートから先頭を守り切る王道の競馬で、着差以上の力を見せつけ大阪杯を制覇しました。

「気を取り直してこれから……!」と意気込んだのもつかの間。ダイワスカーレットは脚の不調で春から夏を全休し、秋競馬に備えることになりました。

天皇賞(秋)で1着

復帰初戦。陣営は3歳時とは違い、ぶっつけ本番で天皇賞秋へ挑戦します。ダイワスカーレットの体調次第では、エリザベス女王杯も選択肢の1つだったのですが「最強を証明するため」ダイワスカーレットは強い馬が集まる天皇賞秋を選択しました。

このレースでは、ダイワスカーレットの他に、年下のダービー馬・ディープスカイ、2歳牡馬王者であり後のグランプリホースとなるドリームジャーニー、そして永遠の宿敵ウオッカなどが顔を揃えます。

久しぶりのレースという不安要素もあり、実績は十分ながらもウオッカに次ぐ2番人気となったダイワスカーレット。

そこで、彼女──いえ、彼女達は、歴史的な名勝負を演じます。

ダイワスカーレットはスタートを決め、先頭へ。東京競馬場の広いコースを悠々と駆け抜けています。4コーナーを回ってもダイワスカーレットは先頭をキープし、他馬の動きをじっと見ていました。外からディープスカイ、そしてウオッカが迫ってくるのを見てダイワスカーレットも動きます。

あとはもう、3頭の競り合いでした。
どの馬が勝ってもおかしくない。まったく並んだ状態でゴール板を通り過ぎました。

そして長い写真判定の後に、順位が表示されました。

1着ウオッカ、2着ダイワスカーレット。

ハナ差、わずか2cmの差で、ダイワスカーレットは同期のダービー牝馬に敗れたのでした。

長期休養、トレーニング、そして復帰戦でハナ差の2着。
トレーナーの皆さんも、同じ悔しさを味わったことはあるのではないでしょうか。

しかしこのレースこそ、歴史的名勝負であり、ダイワスカーレットの強さをより一層際立たせたレースでもありました。

有馬記念で1着

ダイワースカーレットに、下を向いている時間はありませんでした。前年の忘れ物を取りに、中山競馬場へ向かいます。狙うは、有馬記念の1着です。

前年は牝馬路線しか経験がない若き3歳牝馬として参戦。距離も疑問視されていたこともあり5番人気でしたが、今年は違います。ダイワスカーレットは年末のグランプリの舞台で、堂々の1番人気に支持されます。

このレースでダイワスカーレットは、競走馬人生のまさに集大成となるレースをファンに披露しました。いつも通りスタートを決め先頭に立つと、自分のペースに持ち込み他の13頭を掌握します。最終コーナーを迎え各馬が前を伺う中、ダイワスカーレットはぎりぎりまで脚を溜め、最高のタイミングで持ち前の脚力を爆発させます

そしてグングンと他馬を引き離すと、逃げ馬とは思えない末脚で先頭でゴールを駆け抜けました。


「一番は譲るつもりはないわ、相手がどんなに強くてもね」

ウマ娘のダイワスカーレットのこのセリフはまさに、彼女の現役時代を集約したセリフなのではないかと、僕は感じています。

最後に

数々のG1を制覇したダイワスカーレット。

驚異的なのは、すべてのレースで2着以内という素晴らしい成績を残している点でもありまあす。

特に体調面、気性面で調整の難しい牝馬ということを考えると、本当に偉大な記録です。

ダイワスカーレットは有馬記念で勝利後、「今度こそは」とドバイ遠征を計画しましたが、屈腱炎という競走馬にとって致命的な怪我を発症し、引退することになりました。

引退後は、生まれ故郷で母親として活躍しています。
まだまダイワスカーレットのようにG1で活躍するような産駒は出ていませんが、産駒達がダイワスカーレットの夢を引き継いで、ターフの上を駆け抜けています。

いつかダイワスカーレットが祖母スカーレットインクのように「あのダイワスカーレットの一族なんだよ!」と言われるような伝説的な牝馬になるかもしれません。

トレーナーの皆さんもダイワスカーレットの夢の続きを、ぜひ応援されてみてはいかがでしょうか。

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