[今週の競馬]秋の大一番、天皇賞が東京で開催!京都ではファンタジーSに期待の2歳牝馬たちが集結!

時候は「霜降」に入った。北国から順に霜が降りはじめる時期とされる。農作物は収穫期を迎え、実りの秋を感じる時期でもある。

今週末の中央競馬は、東京と京都の2場開催。土曜日は京都でファンタジーS、日曜日は東京で天皇賞(秋)と2つの重賞が開催される。

2歳牝馬が快足を競う重賞、そして古馬中距離路線の最高峰である秋の盾と、楽しみなレースが続く週末になりそうだ。

○ファンタジーステークス 期待の2歳牝馬たちが淀に集結  

ファンタジーステークス(GⅢ)
土曜京都11R 15:45発走
芝1400m(右・外)サラ系2歳 牝馬 オープン 馬齢
本賞金 1着3200 2着1300 3着800 4着480 5着320(万円)

■ファンタジーステークスの歴史と位置付け

番組表での正式名称は「KBS京都賞ファンタジーステークス」。京都のテレビ・ラジオ放送局である株式会社京都放送が寄贈賞を提供している。

1996年に牝馬競走体系の整備が実施されたが、その一環として新設された2歳牝馬限定の重賞競走である。創設時から京都、芝1400m(外回り)を舞台に開催されており、京都競馬場の改修で阪神に代替開催となった20年から22年を除いて、同じ条件で行われている。

12月に行われるGⅠ阪神JFの前哨戦として位置づけられ、期待の2歳牝馬たちが集うレースである。

優れたスピードを誇る2歳牝馬たちが制しており、本競走の勝利から阪神JFを制したピースオブワールド、ダノンファンタジー、レシステンシアや、翌春に桜花賞とNHKマイルCを制したラインクラフト。牡馬に混じってGⅠを勝利したスイープトウショウ、アストンマーチャンといった名牝が勝ち馬の名に並ぶ。

レース名の「ファンタジー」は英語で「幻想」を意味し、夢想的な物語全般を指すことが多い。

■昨年はフェスティバルヒルが差し切って重賞初勝利

12頭立てとなった一戦を制したのは、1番人気フェスティバルヒルだった。

マーブルパレスが逃げてペースをつくり、フェスティバルヒルは中団あたりから追走。しかし、3コーナーで前が塞がり、後方にポジションを押下げられる形に。それでも、直線でC.デムーロ騎手が追い出すと、フェスティバルヒルは鋭い末脚を発揮して先行馬を差し切り勝利を挙げた。

外から脚を伸ばした10番人気のショウナンカリスがクビ差2着、3番人気メイショウハッケイがハナ差3着に入った。2番人気ブラックチャリスは、クビ差4着だった。

勝ったフェスティバルヒルは、半兄がミュージアムマイルという血統。前走の新潟2歳Sでは3着に敗れていたが、末脚は際立っており、京都コースでもその末脚を披露し重賞初勝利となった。

また、C.デムーロ騎手はこの日が短期免許の騎乗初日で、いきなり重賞制覇。その存在感を見せつける形となった。

■ファンタジーステークス(2026年)の出走予定馬

函館2歳Sを制したフェリチタが登録。その前走は洋芝の重馬場をものともせず、力強く抜け出して2連勝を決めた。無傷3連勝、そして重賞連勝を狙う。

函館2歳S組からはイモージェンも登録。その前走は勝ち馬に最後かわされての2着だったが、十分に内容のある競馬だった。京都コースに移っての逆転なるか。

ブライトスクリプトは、京都・芝1400m(内回り)の新馬戦を制している。多頭数のレースだったが、好位から鋭く抜け出しての完勝だった。デビュー2連勝なるか。

レニュアージュは、中京のマイル戦を勝ち上がってきた。その新馬戦では逃げてそのまま押し切ったが、距離短縮の今回は位置取りを含めて注目したい。

その他にも、函館2歳S5着のシグレ、中京2歳S3着から挑むビスケットサンド、新潟2歳Sで5着のシャンデヴァーグなど、ニューヒロイン候補たちがエントリーしている。

○天皇賞(秋) 秋の盾をかけた伝統の大一番

天皇賞(秋)(GⅠ)
日曜東京11R 15:40発走
芝2000m(左)サラ系3歳以上 オープン 定量
本賞金 1着30000 2着12000 3着7500 4着4500 5着3000(万円)

■天皇賞(秋)の歴史と位置付け

高い次元のスピードとスタミナが求められる府中の芝2000mで、3歳以上のマイルから中距離路線のトップホースたちが激突する秋の大一番。

その歴史は古く、1905年に横浜の日本レースクラブが明治天皇より「菊花御紋付銀製花盛器」を下賜されたことにより創設した「エンペラーズカップ」が前身である。翌年には東京競馬倶楽部にも御賞典が下賜され、その後は阪神、福島、札幌、函館、小倉とあわせて7つの競馬倶楽部で「帝室御賞典競走」として開催されていた。

37年には各地の競馬倶楽部が「日本競馬会」に統合されたことを機に、「帝室御賞典競走」は春が阪神、秋が東京と、東西で年2回開催されるようになった。同年の秋に東京競馬場、芝2600メートルで行われたレースが第1回の天皇賞とみなされている。

その後、第二次世界大戦の戦禍による中断を経て、47年春に「平和賞」の名称で再開され、同年秋から現在の「天皇賞」に改称し、春は京都、秋は東京で開催されるようになった。

過去には「勝ち抜き制」として、一度優勝した馬は再出走できない制度があったが、81年春からは過去の優勝馬にも出走権が与えらえるようになった。また、84年から秋の開催は芝3200mから芝2000mに短縮され、87年からは3歳馬も出走できるように変更となった。

天覧競馬となる開催もあり、直近では23年に天皇皇后両陛下の行幸啓を賜った。レースを制したC.ルメール騎手は、イクイノックスの馬上で貴賓室に向けて最敬礼を行い、場内は大きな拍手に包まれた。

■昨年は3歳マスカレードボールが極上の切れ味で優勝

出走馬14頭中GⅠ馬7頭が顔を揃えたなかで、同年のクラシック戦線をにぎわせた3歳馬2頭が人気を集めた一戦。

ダービー2着のマスカレードボールが1番人気に支持され、5歳馬タスティエーラがこれに続き、皐月賞馬ミュージアムマイルが3番人気に支持された。

前走、宝塚記念を逃げ切ったメイショウタバルが外目13番枠から逃げ、前半1000m62.0秒のスローペースに持ち込む。7番枠から出たマスカレードボールとC.ルメール騎手はやや後方のポジションで折り合うと、直線では馬場の真ん中を力強く抜け出し、GⅠ初勝利を挙げた。

同じような位置から最後まで抵抗したミュージアムマイルが3/4馬身差の2着に入り、さらにクビ差3着に6歳ジャスティンパレスが入った。スローペースからの上がり勝負となったことで、勝ち馬から14着までわずか0.7秒差しかない大接戦での決着となった。

極限ともいえる瞬発力勝負を制したマスカレードボールは上がり32.3秒をマーク。グレード制導入以降では史上5頭目となる3歳で天皇賞制覇の偉業を成し遂げた。また3歳馬によるワンツー決着は、天皇賞史上初の快挙だった。

鞍上のC.ルメール騎手は、秋華賞(エンブロイダリー)、菊花賞(エネルジコ)に続いて、3週連続GⅠ勝利。その手綱さばきは大レースになるほどに、冴えわたるようだった。

また、管理する手塚貴久調教師は、23年皐月賞(ソールオリエンス)以来となるJRA・GⅠ勝利。そのソールオリエンスとの2頭出しで挑んだが、見事に秋の盾を勝ち取った。

■天皇賞(秋)(2026年)の出走予定馬

前年のダービー馬、クロワデュノールが春秋天皇賞制覇の偉業に挑む。この春は、大阪杯、春の天皇賞とGⅠを連勝。宝塚記念こそ、逃げ馬を自らつかまえにいって2着に惜敗したが、負けて強しの内容だった。父キタサンブラックも制した舞台で、父仔制覇を決めるか。

前年の覇者、マスカレードボールも登録。東京コースは5戦して3勝2着2回と、抜群の実績を誇る。この春は海外遠征に挑戦し、香港、英国のGⅠで奮闘してきた。22年、23年のイクイノックス以来となる、天皇賞(秋)連覇の偉業に挑む。

GⅠで好走が続くダノンデサイルもエントリー。昨年のジャパンCからGⅠで4戦連続3着と、トップクラスの力は見せている。前々年のダービー馬が、再び府中で輝きを見せるか。

前哨戦の毎日王冠を勝って挑む、セイウンハーデス。その前走は、ほぼ完璧に立ち回ったホウオウビスケッツをゴール直前で差し切る、強い内容だった。毎日王冠からの連勝となれば、09年のカンパニー以来となる。屈腱炎を乗り越えてきた7歳馬が、大仕事を成し遂げるか。

3歳からはリアライズシリウスがエントリー。秋の始動戦となった毎日王冠では、直線の伸びがもう一息で7着だった。ひと叩きしての上積みを見込み、大一番で巻き返しを期す。

GⅠ3勝の実績を誇る、レガレイラ。近2走は重馬場で力を出し切れていないが、ダービー以来の出走となる東京コースで久々の勝利なるか。

その他にも、札幌記念を制して挑むシェイクユアハート、チャレンジCを制して充実一途のジョバンニ、春のGⅠ戦線で好走したタガノデュードなどがエントリーしている。


ニューヒロインの誕生を待つ2歳牝馬重賞、そして秋の大一番である天皇賞と、楽しみなレースが続く今週末。大舞台に挑む人馬を、全力で応援したい。

写真:しんや、ぼん(@Jordan_Jorvon)、INONECO、s1nihs、@QZygbdf8L1kEB9U、@gomashiophoto、突撃砲

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