[引退馬支援]クラウドファンディング達成と、これから目指す『馬の未来』

こんにちは。
一般社団法人『馬と歴史と未来の会』理事長の上田優子です。

10/1〜10/30にかけて、当会では『食べておいしい引退馬支援!!馬厩肥栽培マッシュルームで美味しいスープを作ろう!』というクラウドファンディングに挑戦していました。

馬ふん堆肥で育てたマッシュルームを使用したスープで引退馬の居場所を作ろうという取り組みで、ウマフリでも特集して頂きました。

そしてクラウドファンディング最終日、皆さまに支えられ、励まされ、力をお借りして……無事、目標金額を達成することができました。1,500,000円の目標金額に対し、1,622,000円もの協力金が集まりましたこと、改めてこの場を借りて、心からの感謝をお伝えしたいと思います。
本当にありがとうございました!

長いようで、あっという間の30日間。
まさに駆け抜けるような思いで過ごし、今は少しだけ肩の力が抜けたような気がしています。

目標達成してほどなく、スープ完成の連絡が。
送られてきた完成品を手にした時は、感無量でした。

パッケージに貼らせていただいている加藤美生子先生の絵画は素晴らしく、そのイキイキしていている雰囲気は、商品を華やかに彩ってくれています。先生からの是非にとのご提案をいただいた鼻アップの構図は、まさに悶絶級の可愛らしさです!

絵画だけでなく気持ちの面でも、クラウドファンディングの間、加藤先生には目一杯支えていただきました。
この場を借りてお礼申し上げます。

また、ラベルを仕上げてくださったのは、フリーアナウンサーの村井由紀子さん。彼女には、動画でもナレーションで力を貸していただきました。

動画制作では、中田将太さんにあちこちに足を運んでいただき撮影をしてきました。膨大なフィルムから動画を作り写真を調整するのは大変な作業だったと思います。

レシピ開発の小野寺伸也シェフは、何度も試作をしてシンプルなのに最上級、という味を目指してくださいました。
レトルト加工・製造で何度も力を貸してくださったマリンプロの藤原社長、常温のレトルト食品の味がレストランより落ちる原因について解説をしてくださりながら、一緒に改善点を探ってくださいました。
さらに記事を書いて広報を最大限にバックアップしてくださったnetkeibaの佐々木祥恵さん、ウマフリの緒方きしんさん、ありがとうございました!

心からの敬意を添えて、感謝申し上げます。
ありがとうございました。

今回のクラウドファンディングでは、『いしわり』の方や動画編集、返礼品まで、たくさんの方々に支えられて来ました。

そして、馬たちにも、たくさんの勇気をもらいました。

それら全てに、ご縁に、感謝申し上げます。

引退馬支援への関心が高まりつつある近年、引退馬関連のクラウドファンディングは少なくありません。そんな中で、『今やるべきなのか?ほかの方法はないか?』と、何度も話し合いました。
もし目標金額が達成できない場合は『この会の引退馬支援ではやり方に賛同を得られない』という答えに直結してしまうと考えたからです。

今後、地域と密着した馬と人の幸せを生むサイクルを作るという取り組みに向けて、そうしたマイナスイメージがついてしまう可能性があるのは、とても大きなリスクでした。
ですが、それと同時に「私たちのやりたい引退馬支援の形は、世間の皆様に受け入れてもらえるのだろうか?」ということを問いかけ、試す、良い機会だとも思い、このクラウドファンディングへの挑戦を決めました。

だからこそ、皆さまに、私たちが作りたい未来の姿を垣間見ていただけたのかもしれない──そして、それを受け入れてもらえたのだろうと思うと、力が湧いてきます。

クラウドファンディング中に頂いた、支援者の皆様からの言葉は、どれも心に響くものでした。

『あなたの手の先に待っている馬たちがいます。頑張って、あきらめないで』
『この支援金は、地方競馬で今日頑張って走った現役馬の仔たちの稼いだもの。その仔たちの未来のためにも、頑張ってください』
『馬を生かすために、人も幸せにしてください』

こうした言葉が、どれほどの励みになったかは、計り知れません。

スープを楽しみにしてくださる言葉ももちろん励みになりましたが、やはり、伝えたかった馬と人の幸せのためのシステムつくりに触れた励ましは、特別に心にしみるものですね。

私たちが目指す社会は、馬と人がともに幸せで過ごせる社会。馬が、人の生活に今よりもっと関わりながら、存在している社会です。
そのために、馬には継続した仕事が必要です。

走れなくなった仔、性格的に他の仕事が難しい仔、さらには種牡馬や繁殖、乗馬といった『第2の馬生』とも言えるお仕事を終えた仔たちにも、次なる居場所を作れるような役割・お仕事を提供していきたいと考えています。

そう──たとえ、馬ふんを提供することしかできなくなった馬にも、生きていける場所があるような社会です。
それを実現するためのサイクルづくりを、目指しています。

私たちが進めている馬ふん堆肥栽培の農作物加工品で作る『FUMIER PROJECT』の商品開発は、廃用に近いような、他の仕事に回れない馬たちに継続したお仕事を生み出すもの。

『食べておいしい引退馬支援』として、馬のセカンドキャリア・サードキャリアを生み出し、支援する人もおいしくハッピーに、生産者も幸せになれるシステムだと、自信を持っています。

今回、クラウドファンディングが成功したことにより、その大きな一歩を力強く踏み出すことが出来ました。
ただし、クラウドファンディング成功がゴールではありません。

今後は、継続して商品を販売していくこと、より多くの方々に活動を知っていただくこと、そしてより盤石な販路を作り上げることを目指して、活動を続けていく必要があります。

そうして増えた売り上げをもとに、支援できる引退馬を増やすことが、次なる大きな目標です。
新たな商品開発・支援方法を模索していくためにも、土台となる馬ふん堆肥栽培農家さまを増やしていくことも、欠かせません。

さらには、私たちのようなシステムを、東北に留まらず全国に広げていくことも大切です。

私たちが思い描く「馬の未来」のため、これからも精一杯努力して参りますので、どうぞよろしくお願いします。

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