日本時間8月9日にアメリカのサラトガ競馬場でトラヴァーズS(通称:真夏のダービー)が行われました。

距離は2,000mで3歳馬限定のG1になります。

このレースには今年のケンタッキーダービー最有力候補と言われている、ティズザロー(Tiz The Law)が出走。前走、三冠レースの初戦ベルモントSを勝っていることもあり、このレースでは単勝1倍台と圧倒的な人気を集めていました。

トラヴァーズSは人気に応えて圧勝

レースはティズザローが先頭で直線に入ってくると後続を全く寄せ付けず、ゴール手前100mからは持ったままの状態で5馬身以上の差をつけ圧勝。

2,000mというのはこれまで走ったことがない距離でしたが、全く問題ありませんでした。
あの走りを見ると同距離のケンタッキーダービーでも、圧倒的な人気を背負っての出走となりそうです。
(今年はベルモントSが2,400m→1,800mに変更されています)。

今後のローテーション

ティズザローを管理している82歳のバークレー・タグ調教師は「トラヴァーズSからケンタッキーダービー、そして三冠レースの最終戦プリークネスSへ出走させる」と明言しています。

BCクラシックには出走するかはまだ不明

今年は新型コロナウイルスの影響により、三冠レースの日程が大幅に変更されています。

  • 6月21日 ベルモントS(一冠目)
  • 9月5日  ケンタッキーダービー(二冠目)
  • 10月3日 プリークネスS(三冠目)
  • 11月7日 BCクラシック

そのため、BCクラシックに出走するとなるとかなり詰まったローテションになってしまうので、出走するかはまだ分かりません。

それでもブックメーカーではトラヴァーズSを圧勝したことにより、BCクラシックの前売りで1人気の評価を与えています。

ちなみに2人気が今年のサウジカップを制したマキシマムセキュリティなので、いかにティズザローへの評価が高いかが分かります。

ケンタッキーダービー、ライバル候補は不在か?

今年のケンタッキーダービーは、ティズザロー「一強」のレースとされていますが、一応の相手候補は2頭います。

一頭はG1・2勝馬ハリウッドストーリーの仔、オナーエーピー(Honor A.P.)。
今年のサンタアニタダービー(G1・1,800m)では圧倒的な一番人気オーセンティックを力でねじ伏せる競馬を披露。
しかし、前走のリステッドレースでは勝負どころで外々を回りながら追い上げるも届かず2着に敗れています。


もう一頭はサンタアニタダービーでは2着(1人気)に敗れたものの、次走のハスケル招待S(G1・1,800m)を制したオーセンティック(Authentic)。

先手を奪っての逃げ切り勝ちでしたが、最後は1勝馬のニューヨークトラフィックにハナ差まで詰め寄られてのもの。
オナーエーピー、オーセンティックとも圧倒的な力を示しているわけではないので、ティズザローの勝ちっぷりと比べると見劣りしてしまいます。


この2頭以外にも4億円近い価格で取引されたセザンヌ(Cezanne)という馬がいるのですが、こちらは前走オナーエーピーと同じレースに出走して最下位に敗れています。
前売りでは4人気の評価は得ていますが、早めに捲り上げて行って最後に止まったところを見ると、まだまだ力不足な感じが否めません。

ティズザロウ(Tiz The Law)

これまで7戦6勝(6-0-1-0)とほぼパーフェクトに近い成績を残していて、現在G1は3連勝中です。

  • 4馬身1/4差 フロリダダービー
  • 3馬身3/4差 ベルモントステークス
  • 5馬身1/2差 トラヴァーズS

デビュー2戦目にはシャンペンS(G1・1,600m)も勝っておりG1は通算4勝。

3着に敗れた一戦は2歳時に不良馬場で走った、ケンタッキージョッキークラブS(G2)。

ケンタッキーダービーで不覚をとるようなことがあるとすれば、このときのように不良馬場で直線伸びきれずといったパターンでしょうか。


世界中のホースマンが注目する注目のケンタッキーダービーは9月5日。

世界最強のダート3歳馬を決める一戦、海外競馬をふだん見る機会がない日本の競馬ファンにも楽しんでもらいたいと思います。

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