障害競走の絶対王者・オジュウチョウサンの鞍上を務める石神深一騎手。そのコンビ愛は周知の事実ではあるが、現在、石神騎手は怪我により長期離脱を余儀なくされている。先日、オジュウチョウサンの秋初戦を石神騎手の復帰に合わせる形で後ろ倒すことも発表された。
負傷にあたり、Twitterでは100名近いファンの声援が集まり、寄せ書きとして本人へと贈られている。これも石神騎手の人柄ゆえだろう。
落馬負傷の前にはオジュウチョウサングッズのクラウドファンディング協力も表明していた同騎手だけに、その状態や今後の展望は気になるところ。
今回は石神騎手に、現在の状況を伺ってきた。
※新型コロナウィルス感染予防のため、電話取材にて実施。
骨折は「思っていたより骨が細かく割れていた」との診断に。
──本日は貴重なお時間ありがとうございます。現在のお怪我の具合はいかがでしょうか?
骨折した痛みはほぼ無くなりました。
今は下半身の筋トレ・歩行練習など、復帰に向けたリハビリをしています。
──リハビリということは、復帰は近そうということですか?
そうですね……主治医と相談した結果、10月中旬から調教に乗り始めて11月から競馬復帰の予定で行きましょうとの事でした。
──当初の予定通り、というイメージでしょうか?
いえ、そういうわけではないですね。当初はもう少し早く出来るかと思っていました。
怪我してすぐに、どれぐらいで復帰出来るか知りたかったので、胸椎骨折の経験がある五十嵐騎手や伴騎手に話を伺いました。
その際、五十嵐騎手から約8週間で復帰したと聞いたので、オジュウの東京HJには間に合うだろうと思っていました。
ですが手術後、主治医から「思っていたより骨が細かく割れていたため、8週間での復帰は難しい」と診断されましたので、復帰時期もそれに合わせて延期となりました。
──オジュウチョウサンを管理する和田調教師が「石神騎手の怪我回復を待ってオジュウの復帰を京都JSに延ばす」と発表され、SNSなどでも話題となりました。和田調教師とは、直接お話しされたのですか?
8週での復帰が難しいと言われてからすぐ、和田先生に相談しました。
そして、和田先生から「オジュウチョウサンは調教が難しいため石神君と復帰させたい」とオーナーにお願いして頂きました。
長山オーナー、和田先生、厩舎スタッフには本当に感謝しかありません。
クラウドファンディングへの想い。
──オジュウチョウサンがグッズになっている事について、その想いを教えてください。
僕が小学生の頃はオグリキャップやナリタブライアンのぬいぐるみを持っていました。まさか自分が携わった馬がこうして色々なグッズになってくれるなど夢にも思っていませんでした。
今は僕の部屋が、オジュウグッズでいっぱいです(笑)
──今回、東映エージエンシーが企画したクラウドファンディングに協力なさっていますが、そこにはどんな思いがありましたか?
コロナでの無観客競馬が続いて、競馬も少し寂しい雰囲気になってしまっていました。グッズ製作という視点からも、少しでも盛り上げる為、力になれればと思い、企画協力させていただきました。
──ファンの皆さんに一言お願いします。
こんな大事な時期に怪我してしまったことを、大変反省しております。
ただ、ファンの皆さんからの温かい応援や励ましの言葉を頂いて、復帰に向けて頑張ろうという気持ちが強くなりました。本当に有難い事です。
復帰して障害競馬をまた盛り上げていきたいと思っていますので、これからも応援のほど宜しくお願い致します!
石神騎手らの協力により、競馬界のスターたちの直筆サイングッズなどが手に入るクラウドファンディングは、現在230人以上の支援者を獲得。次なる目標額まで、まだまだ支援者を募集中だ。
募集は9/11(金)まで