[リーディング]騎手部門で記録続出となった2月最終週! 調教師部門はついにトップタイが3人に

競馬の流れは、数字で如実に表れる。好調な陣営や種牡馬を見つけ、注目するのも楽しみのひとつと言えるだろう。先週の競馬をリーディングの順位とともに振り返る。

■厩舎リーディング 福永祐一師がトップタイに並び、1位の座は3人で争う

先々週の時点でトップタイだった藤原英昭師と杉山晴紀師に、土曜阪神6Rの3歳未勝利芝2400m戦(サガルマータ・川田将雅騎手)、日曜5Rの3歳未勝利芝2000m戦(ロングトールサリー・西村淳也騎手)で2勝を挙げた福永祐一師が追い付き、1位は暫定3人となった。

かつて彼らが管理するシャフリヤールやケイティブレイブなどに騎乗し、何度も共に大舞台を制した騎手が調教師となり、首位争いを繰り広げる存在にまでなったことを感じさせるようなこの順位は、古くからの競馬ファンであれば感慨深いものがあるのではないだろうか。果たして新進気鋭の若手トレーナーが一歩抜け出すのか、それともリーディング経験のある2人が再び突き放すのか、3月からの首位争いも一層面白くなりそうだ。

また、ここ2週間で4勝を挙げ、一気にTOP10争いに顔を出してきたのが大竹正博師。勝利に届かなくとも、土曜阪神11Rの阪急杯で昇級初戦のララマセラシオンが2着に激走したように、多くの管理馬が厩舎の勢いを象徴するかのような走りを見せてくれている。先日2勝クラスを制したレッドバンデや、昨年末にオープンクラスへの昇級を果たしたジョイフルニュースなど明け4歳馬にも素質馬が多いだけに、春の重賞戦線でも期待は大だ。先週が終了した時点での順位は以下の通り。

1位タイ 藤原厩舎 10勝(+1勝) 先週1位
1位タイ 杉山晴厩舎 10勝(+1勝)先週2位
1位タイ 福永厩舎 10勝(+2勝) 先週3位
4位タイ 池江厩舎 9勝(+1勝)先週3位
4位タイ 上原佑厩舎 9勝(+1勝)先週3位
6位タイ 松永幹厩舎 8勝(+1勝)先週6位
6位タイ 大竹厩舎 8勝(+2勝) 先週10位
8位タイ 矢作厩舎 7勝(+2勝) 先週15位
8位タイ 高野厩舎 7勝(0勝) 先週6位
8位タイ 鹿戸厩舎 7勝(+1勝) 先週10位

ほか 伊藤圭三厩舎など4厩舎が8位タイ

先週のフェブラリーステークスをコスタノヴァで制した木村哲也師だが、全体の順位では62位タイ、今年に入ってからは3勝と意外と勝ち星は少ない。それでもそのうち2勝が重賞レースということに管理馬の層の厚さも感じる。昨年は6位だった名伯楽が春以降、どのように巻き返してくるかにも注目が集まる。

■騎手リーディング 各3場でそれぞれ記録樹立 リーディング争いはルメール騎手が一歩抜け出す

先週は東京・阪神・小倉で、それぞれのジョッキーが自身の記録を達成した週となった。

日曜東京4Rの3歳未勝利芝1800m戦(マイネルグレート・鹿戸雄一師)で1着となった荻野極騎手は、JRA通算300勝を達成。2025年にはキャリアハイとなる年間62勝を挙げ、前年の2024年から一気に2倍近い勝利数を記録した彼にはさらなる飛躍が期待できそうだ。

また、小倉11Rの小倉大賞典(4歳上オープンハンデ G3 芝1800m戦)では古川吉洋騎手が騎乗したタガノデュード(宮徹師)が優勝し、JRA通算600勝を重賞の舞台で決めてみせた。今週いっぱいで鞭を置く藤岡佑介騎手を差し切ったことで、インタビューでは「祐介のお尻が近づくたびに、追いに力が入りました」とユーモアも交えながら感謝を述べる姿を見せてくれた。古川騎手は昨年の中日新聞杯を共に制したシェイクユアハートなどの有力馬もお手馬にいるため、もしかすると今年、1997年のアインブライド以来29年ぶりにG1を制覇する姿が見られるかもしれない。

さらに日曜京都5Rの3歳未勝利芝2000m戦でスリーロンドン(中竹和也師)に騎乗した幸英明騎手は、JRA通算25000回騎乗を達成。デビューから31年11ヵ月18日、50歳1ヵ月11日での記録達成は、これまで武豊騎手が保持していた数字(デビューから38年0ヵ月22日、56歳0ヵ月8日)を大きく縮めるJRA史上最速・最年少での到達となる。

そしてこの記録の達成自体が武騎手以来の史上2人目ということが、彼の鉄人ぶりを表していると言っていいのではないだろうか。これからも元気に騎乗を続ける幸騎手の姿を見続けたいものだ。

リーディングの方に目を移すと、ルメール騎手がフェブラリーステークスを含む5勝を挙げて単独トップの座を盤石にした。とはいえこれを追う川田騎手、西村淳也騎手もそれぞれ3勝、4勝と好調。まだまだトップの座は安泰でなく、白熱した争いが見られそうだ。

一方で、戸崎騎手が昨年の10月以来となる週間未勝利に終わっているのは少し意外な結果だろうか。中山開催での再上昇に期待したいところだ。先週が終了した時点での順位は以下の通り。

1位 C.ルメール騎手 28勝(+5勝)先週1位
2位 川田騎手 25勝(+3勝)先週2位
3位 西村淳騎手 22勝(+4勝)先週4位
4位 岩田望騎手 21勝(+2勝)先週3位
5位タイ 松山騎手 19勝(+2勝)先週5位
5位タイ 横山武騎手 19勝(+2勝)先週5位
7位タイ 丹内騎手 16勝(+2勝)先週7位
7位タイ R.キング騎手 16勝(+5勝)先週10位
9位 戸崎騎手 14勝(0勝)先週7位
10位 鮫島克騎手 13勝(+3勝)先週14位

今週が来日最終週となったキング騎手は5勝と固め打ち。1か月で16勝という数字を記録して帰国することになった。なお、今年中に再来日したいという意向は既に示しているため、次回はJRAのグレードレースを勝ち、3年連続の重賞制覇を達成できるかが焦点となりそうだ。

■種牡馬リーディング キズナとロードカナロアの賞金差はわずかに60万弱 エピファネイアはTOP3から脱落

キズナ、ロードカナロアの首位争いは依然決着がついていないが、フェブラリーステークスはロードカナロア産駒のコスタノヴァが制したことで一気に賞金を加算した。だが、対するキズナもダブルハートボンドが3着と好走し、土曜のダイヤモンドステークスをスティンガーグラスが勝利と負けていない。

重賞でお互いに好走馬を送り出したこともあり2頭の間で順位の変動はないが、G1を制した分ロードカナロアが先週以上に賞金差を詰めた。今週の結果次第で一旦は決着がつきそうな予感もあるため、賞金の多い重賞レースにおいて彼らの産駒の着順は非常に重要となりそうだ。

また、先々週終了時点での3,4位にいたエピファネイアとキタサンブラックの順位がひっくり返り、1か月近く続いていた上位3頭の並びが崩れた。2月に入ってからのエピファネイア産駒の勝利数は6と、1月の15勝に比べて大ブレーキがかかっている。果たして3月で巻き返すことはできるだろうか。

先週終了時点の順位は以下の通り。

1位 キズナ 25勝(+6勝) 先週1位
2位 ロードカナロア 19勝(+3勝) 先週2位
3位 キタサンブラック 18勝(+4勝) 先週4位
4位 エピファネイア 21勝(+1勝) 先週3位
5位 レイデオロ 15勝(+1勝) 先週10位
6位 ドレフォン 16勝(+2勝)先週6位
7位 ドゥラメンテ 6勝(0勝)先週9位
8位 モーリス 12勝(0勝)先週7位
9位 サートゥルナーリア 10勝(+1勝)先週13位
10位 シルバーステート 14勝(+1勝)先週10位

産駒の勝利がゼロながら9位から7位まで躍進を遂げたのがドゥラメンテ。ダイヤモンドステークスでファイアンクランツ、ブレイヴロッカーの2頭が2,3着に好走したのが大きかったか。勝利数は少ないものの、特別戦などでの好走が多いためTOP10にい続けられている彼の血は、やはり大舞台に強い現役時代の特性をそのまま引き継いでいる子どもたちが多いのだろうか。

■生産者リーディング 新冠タガノファームは約10年ぶりのJRA平地重賞制覇

日曜小倉11Rの小倉大賞典を制したタガノデュードは新冠タガノファームの生産馬。同牧場は2016年の武蔵野ステークスをタガノトネールで制して以来、実に10年ぶりのJRA平地の重賞制覇を飾った。ちなみに芝の平地重賞はその1年前、2015年のファルコンステークスをタガノアザガルで勝って以来と、こちらもかなり久しぶりの勝利となる。

牧場のエースであったタガノビューティーが引退し、青森で種牡馬入りとなった年に現れたニュースターは、ここからどのような走りを見せてくれるだろうか。

先週が終了した時点での順位は以下の通り。

1位 ノーザンファーム 88勝(+13勝) 先週1位
2位 社台ファーム 36勝(+2勝) 先週2位
3位 社台コーポレーション白老ファーム 13勝(0勝) 先週3位
4位 ノースヒルズ 11勝(+2勝)先週5位
5位 ケイアイファーム 4勝(0勝) 先週4位
6位 下河辺牧場 11勝(+3勝)先週9位
7位 ダーレー・ジャパン・ファーム 14勝(+4勝)先週10位
8位 三嶋牧場 11勝(0勝)先週6位
9位 岡田スタツド 7勝(0勝)先週8位
10位 辻牧場 11勝(+1勝) 先週7位

1位のノーザンファームは生産馬のコスタノヴァがフェブラリーステークスを勝利。牧場としては初となる同レース連覇を達成し、アドマイヤドンやカネヒキリ、ヴァーミリアンで達成できなかった雪辱を晴らした形となった。

また、5位につけるケイアイファームは月曜名古屋のかきつばた記念もダノンフィーゴが制し、2月に開催される短距離のダートグレードは全勝という記録も達成した。フェブラリーステークスにもロードクロンヌといった有力馬を送り込んでいる同牧場はダート路線で有力馬が多いだけに、かしわ記念やさきたま杯では彼らがコスタノヴァにリベンジする時が訪れるかもしれない。


2月も終わり、季節は3月へ。いよいよ春のG1シーズンの足音も聞こえ始める時期になってきた。いずれの部門も1位がダントツで抜け出してはおらず、ここからの成績加算が今後を占うという状況になりそうだ。果たして3月の好スタートを決める陣営は誰になるか、初週から目が離せない。

写真:@gomashiophoto、INONECO、すずメ、だいゆい、ぼん(@Jordan_Jorvon)

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