23年前、1頭の牝馬とひとりの調教師が懸命に生死をかけて戦った。 調教中の事故で負った骨折は予想以上に重傷だった。 獣医が厳しい判断を下すも、なんとか命を助けて欲しいと調教師は食い下がった。 サラブレットが脚を痛めた場合、たとえ手術が成功したとしても、その後に厳しい状況が続くのは周知の通りだ。 24時間予断を許さない状...
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主にネットメディア『SPAIA』、競馬雑誌『優駿』などに寄稿。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ、新刊『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』(星海社新書)
勝木 淳の記事一覧
2012年スプリンターズステークスでロードカナロアが記録した、1分6秒7。 中山芝1200mのレコードとして、現在も記録されているタイムだ。 では、その前のレコードホルダーを覚えているだろうか。 2012年のロードカナロアから遡ること、11年。 同じ日付、2001年9月30日スプリンターズステークスで記録された1分7秒...
芝マイル戦の日本レコード1分30秒5は今春東京ヴィクトリアマイルでノームコアが記録した。 新潟競馬場の芝マイルのレコードはドナウブルーが関屋記念で作った1分31秒5。 中山競馬場では京成杯AHで1分30秒7。 高速化が進んだいま、1分32秒台は条件戦でも記録され、31秒から30秒の時代になった。 ところが、中京競馬場の...
大混戦とは毎年使われる函館記念の慣用句のようなものだが、今年もやはり大混戦。前走重賞で3着以内だったのは鳴尾記念3着のステイフーリッシュのみ。1、2着のほかに9頭が参戦する巴賞組だが、そのレースは13番人気スズカデヴィアスが勝ち、波乱決着。そして、函館記念ではスズカデヴィアスではなく、巴賞で2番人気9着敗退のマイスタイ...
2019年7月7日。 6年振りに七夕賞が七夕当日に行われた。年に1度、織姫と彦星が天の川の岸辺で出会うと伝わる七夕だが、梅雨の真っ只中にある福島競馬場の上空は鉛色の雲で埋め尽くされ、天の川はおろか、ベガ(織姫)もアルタイル(彦星)も望めそうになかった。それでも想像を超える豪雨や長雨に見舞われる地域を考えれば、雨がなかっ...
桶狭間、雨中決戦。猛者たちの意地、飛び込む新星 今から459年前の1560(永禄3)年6月。 尾張の織田信長が海道一の弓取りといわれた今川義元を破り、戦国下剋上に名乗りをあげた、桶狭間の戦いが起こった。 谷あいで休んでいた今川本隊に崖から馬を駆って一気に攻め立てたなど伝説めいた話が多いが、実際には事前に情報戦を仕掛け今...
父ヌレイエフはアメリカのノーザンダンサー系を代表する世界的な名血であり、母はグラスワンダーと同じロベルト系シルバーホークを父に持つシルバーレーン。 良血マル外のブラックホークは確かな血統背景から周囲の期待を受けて日本でデビューした。3歳(当時4歳)1月に岡部幸雄騎手を背にデビュー。時期こそ遅れたものの、芝のマイルから2...
この馬にこの騎手あり、この馬にこの調教師あり。サラブレットは人が作った最高の芸術品であり、馬を走らせるは人の匠がなせること。世界中に時代ごとに名伯楽と敬意を持って評される調教師がいる。そして、その馬の全てを知り尽くし、まるで己の意思が馬に乗り移ったかのように縦横無尽に操る名騎手がいる。 90年代の終わり、騎手・的場均と...
とある本によると、競馬発祥の国イギリスで初めて「ザ・ダービーステークス」が開催されたのは1780年だそうだ。その2年前に創設されたセントレジャーステークスに続いて行われたクラシックレースだった。当時1マイルで開催された「ザ・ダービーステークス」は当初、権威あるレースとは考えられていなかった。3歳クラシックレースが権威を...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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[重賞回顧]美しいレース運びで惜敗続きにピリオドを打ったアドマイヤベルが、オークスの優先出走権を権得!~2024年・フローラS~
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[重賞回顧]中118日の雪辱劇!『マジックマン』に導かれたステレンボッシュが、逆転で桜の女王を戴冠~2024年・桜花賞~
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