「名勝負」を語る 花散らしの雨で思い出す5分超のドラマ - 2010年中山グランドジャンプ観戦記 2022年4月15日 競馬新聞の馬柱にほとんど必ず載っている情報のひとつに、出走する各馬の「道悪実績」「重・不良の成績」がある。良馬場で競馬が行われる時には特に気にも留めない情報だが、重馬場や不良馬場で開催される際には人気の有無にかかわらず、その欄をチェックする競馬ファンも多いのではないだろうか。 2010年の中山グランドジャンプ。私は、現... 並木 ポラオ
「名勝負」を語る [フェブラリーS]Pride of Iwate〜『水沢の』メイセイオペラが『日本の』メイセイオペラになった日〜 2022年2月18日 1999年1月31日。私は朝から東京競馬場を目指していた。その日のメインレース、フェブラリーステークスを観戦するためだったが、妙な違和感が拭えなかった。なぜなら、暦はまだ1月だというのに、メインは2月を冠するレース名だったからだ。「名は体を表していない。4月3週に開催される牡馬三冠レースの最初も『卯月賞』にするべきだな... 並木 ポラオ
それぞれの競馬愛 「今日のこのレースを現地で観た、ということはこの先、きっと自慢できるよ」。二度、そう言わしめた無敗の三冠馬コントレイル。 2021年12月31日 「今日のこのレースを現地で観た、ということはこの先、きっと自慢できるよ」 競馬を始めたばかりの細君に、東京競馬場でそう告げたのは、2019年11月16日のことだった。 メインレースの東京スポーツ杯2歳ステークスをコントレイルが勝利し、レースが確定した直後のことだった。この2か月前の新馬戦でデビュー勝ちして、1戦1勝で臨... 並木 ポラオ
「名勝負」を語る [有馬記念]いくつもの「夢」が叶った日 - 1993年有馬記念・トウカイテイオー 2021年12月26日 「野球は筋書きの無いドラマ」という言葉は、使い古されている表現かもしれない。しかしこれは、野球だけに当てはまる言葉ではないだろう。私が愛して止まない競馬の世界でも、目にすることがある。その出来事を安易に『奇跡』『ミラクル』なんて言葉で片付けてしまうのは、何だかちょっと口惜しい気もする。 予想もしない出来事が目の前で起こ... 並木 ポラオ
「名馬」を語る [中山大障害]3歳で"天下"統一。障害キャリア3戦でJ・G1を勝った天才ジャンパー、テイエムドラゴン。 2021年12月25日 「今年の3歳馬は強い」 こういった声は数年置きによく耳にするセリフだ。特に近年は降級制度が廃止されたことで、勢いのある3歳馬が昇級初戦から好走をすることが多い。世代間のレベルをいかに早く見極めるかを楽しみにしているファンもいることだろう。 2005年の秋競馬は、ディープインパクトが注目を集めていた。日本競馬史上2頭目と... 並木 ポラオ
「名勝負」を語る [天皇賞・秋]『平成の三強』が初対戦! 区切りの第100回天皇賞・秋を振り返る。 2021年10月31日 長い競馬の歴史において『三強』と呼ばれる戦いは過去に何度もあり、名勝負を生んできた。 古くは1968年のクラシックを賑わせたアサカオー・マーチス・タケシバオー。 それぞれの馬の頭文字をとってTTGと呼ばれた、テンポイント・トウショウボーイ・グリーングラス。 そして2020年のジャパンカップも三冠馬3頭、アーモンドアイ・... 並木 ポラオ
「名勝負」を語る 有力厩舎からの3頭出し! マックスロゼに期待した、96年の優駿牝馬を振り返る。 2021年5月23日 「同一厩舎の多頭数出しは、人気薄から買うべし」 数ある競馬の格言の1つに、こんなものがある。要は、「人気馬にとっての敵は身内に居た」という例えで、2019年の東京優駿ではサートゥルナーリアが人気を集めていたが、勝ったのは同じ角居厩舎所属の12番人気、ロジャーバローズの方だった。 では、同じ厩舎の馬がG1レースで3頭も出... 並木 ポラオ
「名勝負」を語る 「仁川での春の盾」で託した夢 - ルーブルアクト・清山騎手VSビワハヤヒデ・岡部騎手 2021年4月28日 長く競馬をやっていると、「いつもと違う条件」で施行されたレースというのは意外と記憶に残るものだ。 例えば、年明けの名物重賞である「金杯・東」というレース名が「中山金杯」に変更になったその最初の年が東京競馬場での開催となり、ベストタイアップが大外から豪快に差し切ったのは印象深い。 ジャパンカップがダートも芝も中山で行われ... 並木 ポラオ
それぞれの競馬愛 三冠すべてで「13番枠」、忌み数に挑んだ牝馬バプティスタについて 2021年4月11日 日本では古来から、説明の付かない現象や奇異な伝承といったもの「7つをひとまとめ」にして七不思議と呼ぶことがある。単に説明が付かなかったり、科学的根拠の無いジョークやジンクスといったものも含めて、様々な界隈でささやかれる。当然、競馬の世界でもそういったことは言われているものだ。 「ノーザンテースト産駒の栗毛は、大成しない... 並木 ポラオ
それぞれの競馬愛 2月の府中で願った「波乱」~願いは叶わなくとも、忘れられない馬〜 2021年2月13日 2020年の牡馬クラシック三冠を無敗で制したのはコントレイル。その父ディープインパクトも無敗で三冠達成を成し遂げたのは2005年──コントレイルの偉業達成から15年ほど時を遡る。 この年の大相撲は横綱の朝青龍が年6場所全てで優勝。84勝という年間勝利数は断トツの数字だった。さらに政治の世界では小泉純一郎氏が率いる自民党... 並木 ポラオ