長く競馬をやっていると、「いつもと違う条件」で施行されたレースというのは意外と記憶に残るものだ。 例えば、年明けの名物重賞である「金杯・東」というレース名が「中山金杯」に変更になったその最初の年が東京競馬場での開催となり、ベストタイアップが大外から豪快に差し切ったのは印象深い。 ジャパンカップがダートも芝も中山で行われ...
並木ポラオ
母方の伯父の影響で競馬好きに。「馬券以外の魅力を伝えたい」という思いから過去に自サイトやSNSで競馬の文章を執筆。ビッグテーストのJ・G1制覇以来、ジャンプレースにも傾倒。旅行を兼ねて細君と遠方の競馬場に行くのが趣味。『競馬 伝説の名勝負』シリーズ(星海社新書)にライターとして参加。乃木坂46やアイスホッケー、鉄道も好きな万年太目残の中年男性。
並木ポラオの記事一覧
日本では古来から、説明の付かない現象や奇異な伝承といったもの「7つをひとまとめ」にして七不思議と呼ぶことがある。単に説明が付かなかったり、科学的根拠の無いジョークやジンクスといったものも含めて、様々な界隈でささやかれる。当然、競馬の世界でもそういったことは言われているものだ。 「ノーザンテースト産駒の栗毛は、大成しない...
2020年の牡馬クラシック三冠を無敗で制したのはコントレイル。その父ディープインパクトも無敗で三冠達成を成し遂げたのは2005年──コントレイルの偉業達成から15年ほど時を遡る。 この年の大相撲は横綱の朝青龍が年6場所全てで優勝。84勝という年間勝利数は断トツの数字だった。さらに政治の世界では小泉純一郎氏が率いる自民党...
言わずもがな、競馬は優勝劣敗の世界。1着こそが名誉であり、1着馬の関係者こそが拍手喝采を浴びることが許される世界だ。けれど、長年競馬を観て来た私が “賞賛される2着というものがある” と感じたことが、過去に3回ある。 まずはトゥザヴィクトリーが2着となった、2001年のドバイワールドカップ。これまで日本最強のダートホー...
平日であれば、仕事に向かう朝は目覚まし時計が鳴っても、なかなか布団から出られないことが多い。しかしその反面、土日に競馬に行くときはセットされたアラームより早く起きられることがある。 競馬好きな人には分かってもらえる「あるあるネタ」だと思うけれど、2020年のコロナ禍で馬券を買う主な場所が自宅になったことで、土日に早起き...
JBC当日である2008年11月3日の朝。ベッドから出た私はまだ酔っていた。 誤解のないように書いておくが、前日のお酒が残って酔っていたわけではない。月並みな表現になってしまうけれど、その前日に行われた天皇賞(秋)でのウオッカとダイワスカーレットの壮絶な叩き合いが頭の中に残っていたのだ。 その当時、まとまった休みを取っ...
「1615年、陰暦3月3日、首里は祭日で闘鶏と競馬が催される」(ウィリアム・アダムス(三浦按針)、「琉球諸島航海日誌」) 沖縄は「競馬不毛の地」と思われがちだが、琉球王朝時代の士族の楽しみとして今から400年近く前には競馬が開催をされていたという記録がある。我々が思っている以上に、沖縄と競馬は古くから密接な関わりがある...
思ひ出づる 折りたく柴の 夕煙 むせびもうれし 忘れ形見に新古今和歌集巻第八『哀傷歌』~後鳥羽天皇 『折りたく柴の記』という作品がある。江戸時代中期に新井白石が書いた随筆で、完成したのが享保元(1716)年。生家である新井家のことや、政治的体験談などが記されている書物だ。タイトルである『折りたく柴の記』は、冒頭に書かれ...
競馬にはたくさんの“格言”があるが、そのなかにこんな言葉がある。 『ダービー馬は、ダービー馬から』 ダービーを制する馬のお父さんは、やはりダービーを勝っているというもの。それでこそ競馬は血統のスポーツだということを証明することができるのだ、と。 日本の競馬史を紐解くと、ダービーの父子制覇はこれまで10組以上ある。最も古...
馬券運と恋愛運は、反比例する。 若い頃、こんな法則があるのではと、競馬仲間と話していた。つまり、競馬も恋愛も両方が上手くいくということは極めて稀で、どちらかが良ければどちらかが悪くなってしまう。 もちろん、科学的な根拠なんてあるわけがない。強いて挙げるなら「博打と恋愛と両方で良い思いをするなんて虫が良すぎる」と神様の逆...
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語り継がれし「名馬」たち
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