「名馬」を語る 「もう一度、競馬場で会いたかった…」アスクビクターモアの追憶と、ドウデュースの鬼脚封じ/2022年弥生賞 2025年3月7日 競走馬として生まれた以上、競馬場で走っている時が、馬たちにとって、最も幸せな時間では無いだろうか──個人的に、そう思うことがある。 たとえレース中に斃れたとしても「こんなはずじゃ無かった…」とは思っていないかもしれない、と思うのだ。もちろん悲しい場面を目の当たりにする私たちにとっては、辛く可哀想な出来事だ。しかし同時に... 夏目 伊知郎
「名馬」を語る 多くの人にすてきなプレゼントをもたらした名馬。ロージズインメイ産駒の弥生賞勝ち馬、コスモオオゾラ 2025年3月6日 私は、ウイニングポストという馬主を体験できるゲームが好きだった。 スプリンター、ダート馬、長距離馬……どの馬も個性があって可愛いのは当然のこと。その前提の上でもやはり、クラシックに挑戦することはとても楽しいものだった。 そして私はそのゲームで、皐月賞トライアルである弥生賞には、その世代で最も期待する馬を出走させていた。... ゆもと さとこ
「名馬」を語る ヒシイグアス - 中山に愛された不屈の将軍 2025年3月2日 中山記念と聞いて思い出す馬は、どの馬であろうか。私の場合は、二度も中山記念を制したヒシイグアスである。 青鹿毛の雄大な馬体と整った顔立ちは印象深く、あの古風な勝負服もとても似合っていた。そんな彼の初勝利と全ての重賞勝利は、全て中山競馬場で得たものだ。 これほど中山のターフに愛された馬も珍しい気がする。そして、その稀な寵... 大守アロイ
「名馬」を語る [オルフェーヴル伝説]様々な極致に至った唯一無二のアイドル、メロディーレーン。その「外れ値」ぶりを振り返る 2025年2月26日 2025年2月19日に発売開始した競馬書籍『オルフェーヴル伝説 世界を驚かせた金色の暴君』(星海社新書)。 三冠達成や阪神大賞典での逸走、凱旋門賞での連続2着──。あの個性派名馬の歩んだ現役時代を振り返り、父として活躍する現在の日々を紹介するファン必読の一冊。池江泰寿調教師や森澤光晴調教助手をはじめとした当時の関係者イ... 星海社
「名馬」を語る [オルフェーヴル伝説]青春時代に喫した4連敗。「同じであってたまるか」三冠馬オルフェーヴル心の叫びを振り返る 2025年2月22日 2025年2月19日に発売開始した競馬書籍『オルフェーヴル伝説 世界を驚かせた金色の暴君』(星海社新書)。 三冠達成や阪神大賞典での逸走、凱旋門賞での連続2着──。あの個性派名馬の歩んだ現役時代を振り返り、父として活躍する現在の日々を紹介するファン必読の一冊。池江泰寿調教師や森澤光晴調教助手をはじめとした当時の関係者イ... 星海社
「名馬」を語る 若武者と歩んだ無敗街道 - レモンポップ 2025年2月22日 『25歳』の出会い 25歳、となると50代での活躍も多い騎手界においてはまだまだ若手として分類される年齢であろう。しかし、一般社会で考えるなら大卒社会人の3年目。色々な仕事を任されるようになる年齢と言える。近年で言えばキャリアアップのために転職を考える人も多いかもしれない。騎手を見ても、25歳頃に出会った名馬が後のキャ... 縁記台
「名馬」を語る 府中開催・豪華メンバーのAJCCを快勝。カネツクロスの「たら・れば」をつけたくなる競走生活を振り返る 2025年1月20日 GⅠ制覇を確かに射程に捉えた馬、カネツクロス。 1991年生まれ、1994年牡馬クラシック世代の紛うことなき主役は三冠馬・GⅠ5勝馬のナリタブライアンである。しかしナリタブライアンは、古馬になってからはGⅠタイトルを積み上げられなかった。 この世代で古馬となりGⅠの勲章を手にした馬としては、サクラローレル(1996年天... 稲庭うどん
「名馬」を語る 幸運の馬 - ディープボンドの引退によせて 2025年1月18日 1.「深い絆」という名の馬 2024年の有馬記念を最後に、ディープボンドが引退した。31戦5勝、主な勝ち鞍に阪神大賞典やフォア賞など。GⅠ勝ちこそならなかったが、そのひたむきな走りはファンを魅了した。父キズナ、祖父ディープインパクトの名を継いだ「ディープボンド」=「深い絆」という馬名のとおり、多くの人々と絆を結んだ競走... 縁記台
「名馬」を語る スポットライトのすぐ傍で…。条件不問、重賞5勝のバイプレイヤー、マイソールサウンドの走りを振り返る 2025年1月4日 競馬は群像劇だ。しかしその中には、ひときわ輝く『主役』が確かに存在する。 純然たる実力、胸躍る冒険活劇、そして次代を創る父母として――多くの人が『主役』と認めた馬は、その時代の象徴となり、多くの言葉とともに後世に語り継がれる。そしてその傍らを駆けたライバルたちは………多くのファンにとっては、数多の物語の一部に取り込まれ... norauma
「名馬」を語る 去りゆくあなたへ、「贈る言葉」~ドウデュース推したちからのメッセージ~ 2025年1月1日 突然、ピリオドが打たれた… 有馬記念の枠順抽選会があった翌日。1枠2番が吉と出るか凶と出るか? 武騎手が外の方が…と言ったとか言ってないとか? 金曜の午後。昼休みの食事中にスマホを触りそんな情報を得た矢先の事。ドウデュースのラストラン、どんなレースで有終の美を飾ってくれるのかを頭に描きながら、私はパソコンに向かっていた... 夏目 伊知郎