「名馬」を語る メルシーエイタイム~彼が教えてくれたこと~ 2017年1月27日 ジャンプの頂点を極めた中山大障害馬が、1頭のやんちゃな馬に戻っていく。のどかな風景の中で愛情を一身に受けた、一見すると平穏な日々。しかしその馬は、永くないであろう余生を過ごしていた。障害王者が強靭な精神力で、生命の限り生き抜いた日々。そこにあったのは「残り僅かな余生を、充実したものにしよう」というスタッフの尽力だった。... 川井 旭
「名馬」を語る 追悼記事 ホワイトベッセルのいない京都競馬場は 2017年1月18日 2017年という新しい年を迎え、今年の中央競馬開催初日となった1月5日。中山競馬場、京都競馬場では例年通り金杯が開催された。平日にも関わらず多くの競馬ファンが詰め掛け、盛り上がりをみせた両競馬場。いつもと変わることなく競馬が開催され、うららかな競馬初めに思えた。何事もなく無事に物事が過ぎたように見えても、その裏には大き... ウマフリライター
「名馬」を語る アップトゥデイト~障害界の太陽~ 2016年12月18日 彼はいつも、笑顔に囲まれている。馬と人が、人と人が固い絆で結ばれている。アップトゥデイト。2015年の中山グランドジャンプ・中山大障害を制した、史上初の同年春秋ハードル王である。 芦毛の馬体につぶらな瞳。純真無垢な少年のような愛らしいルックス。まるで観客に愛想を振りまいているかのような仕草。だが、彼のレースぶりは、外見... 川井 旭
「名馬」を語る サナシオン~翡翠の輝き、失わぬまま~ 2016年12月9日 一際目を惹く、華麗な飛越。スピードに乗った、軽快な走り。一瞬にして、目を奪われた。一瞬にして、その飛越の虜になった。 障害馬サナシオン。母ジェダイト(=翡翠)の宝石言葉である「癒し」を名に持つ障害競走馬。翡翠は時として武器としても用いられる。彼もまた、飛越すべき障害へ果敢に向かっていく──そんなスピードジャンパーであっ... 川井 旭
「名馬」を語る 沙田の申し子エイシンプレストン 2016年12月6日 いよいよ香港国際競走の時期がやってきました。今年も日本からは多くの競走馬が各競走に出走を予定しています。中でも香港カップはモーリス、ステファノス、クイーンズリング、ラブリーデイなど錚々たるメンバーで昨年に続く日本調教馬の制覇が期待されます。その昨年の優勝馬はエイシンヒカリであり、今年は連覇がかかります。 さて、同じエイ... ウマフリライター
「名馬」を語る レッドキングダム〜託す者、託される者〜 2016年11月18日 2014年、中山大障害。 表彰台に上がる事のなかった1人の障害騎手が、ウィナーズサークルで、優勝馬レッドキングダムに寄り添っていた。自身の騎乗馬が敗れたにも関わらず、引き手を持ち、満面の笑みで鼻面を撫で、まるで自分の事のようにその勝利を喜んで。レッドキングダムを障害馬として育てあげた、西谷誠騎手である。その確かな信頼関... 川井 旭
「名馬」を語る ラニの歴史的挑戦を振り返る②~彼の拓いた道~ 2016年10月22日 最終決戦 ベルモントステークス プリークネスステークスを終えて、ベルモントパーク競馬場に戻ってきたラニと陣営は、最後の戦いに向けて、早くも準備を開始した。 2冠目からは中2週となるベルモントステークス。5月終わりにもかかわらず30℃を超える暑さだったらしく、ラニのために扇風機を設置するなど、調整に抜かりはなかった。 1... ウマフリライター
「名馬」を語る スリーロールス~四番手からの伝説~ 2016年10月21日 伝説の新馬戦という、競馬ファンの間での語り草となっているレースがある。 のちの皐月賞馬・アンライバルド、ダービー2着馬・リーチザクラウン──その年の牡馬クラシックで「3強」と称されたうちの2頭。さらにはG1を6勝することになる名牝・ブエナビスタ。 そうした馬たちがデビュー戦で運命的な出会いを果たしたのは、2008年10... 横山オウキ
「名馬」を語る ゴールドシップ兄弟とウチパクさんの物語 2016年10月17日 2015年12月27日、ある一頭の馬が現役生活を終えました。その名はゴールドシップ。 おそらく、史上最もファンに”愛された”馬の一頭だったでしょう。ゲートで4秒遅れても人気を博した馬を、私は他に知りません。今回は、その足取りを振り返っていきたいと思います。 夏に函館でデビューしたゴールドシップは、2歳重賞で好走を続ける... ウマフリライター
「名馬」を語る オジュウチョウサン~空に駈けた友へ~ 2016年10月14日 2015年1月24日。アドミッションという1頭の競走馬が、初の障害オープン戦に臨んだ。彼は、とても飛越の綺麗な障害馬だった。飛越の際、他馬の蹄鉄が彼の左後脚に接触してしまうアクシデントがありながらも、結果は4着。一番人気のエーシンジーラインを退けての立派な成績であった。それもカリスマミッキー、ティリアンパープルといった... 川井 旭