人生の傍らに競馬があると、救われることがある。 不思議としんどい想い、手詰まり感に支配されたときだけは馬券が当たる。築地の世界に飛び込み、はじめての年末で泡を食っていたとき、有馬記念でダイワスカーレットから総流しをかけ、アドマイヤモナークが引っかかった。疲れ切って買い目を絞る気力がなかっただけだが、これが当たり馬券を引...
コラム・エッセイ
コラム・エッセイの記事一覧
1.「新時代の扉」のその先 2024年5月に公開され、興行収入13億円を超えるヒット作となった『劇場版ウマ娘プリティーダービー 新時代の扉』。本作のラストは主人公ジャングルポケットと強敵テイエムオペラオーが激闘を繰り広げたジャパンカップで幕を閉じた。クラシック級(現実の競馬における3歳馬に相当)のジャングルポケットがシ...
サリオスの「謎」 サリオスは、「研究に値する」と言っても良いくらい、謎の多い馬だったように思う。 2019年6月の府中に登場して、2022年秋のマイルチャンピオンシップまで15戦。常にレース後の課題を撒き散らし、そして私の疑問の答えを回収できないまま、サリオスは去って行った。 もちろん私も含めて、サリオスには多くのファ...
笠松から全国区へ飛躍した名牝、ラブミーチャン。引退後は繁殖牝馬として過ごしていたが、24年8月31日に17歳で息を引き取った。生涯で重賞16勝、うちダートグレード競走を5勝。素晴らしい成績だが、とりわけ2歳時の勢いと活躍は目覚ましいものがあった。 もとは中央競馬からコパノハニーの名前でデビューを目指していたが叶わず、ラ...
香港には2つの競馬場がある。 2つのうち、1994年に創設された『香港国際競走』、2018年から始まった『チャンピオンズデー』等が開催されるシャティン競馬場の方が、日本の競馬ファンには馴染みがあることだろう。 本コラムでは、もうひとつの競馬場──香港島にあるハッピーバレー競馬場における私の思い出を振り返り、少しでもその...
1.メイデイレディと加賀武見 2024年10月25日、暮れの2歳女王決定戦・阪神ジュベナイルフィリーズに米国馬メイデイレディが登録したことが報じられた。正直に言って、最初はそのニュースにそれほど注目していたわけではなかった。おそらく登録だけだろう、わざわざ2歳GⅠを使いに米国から出走するはずがない──。そう思っていたの...
2024年11月15日、青森ホースファームが『ウインテンダネスの血統をつなぐ』というクラウドファンディングをスタート。『トニービンからつながるウインテンダネスの血を残したい』という決意のもと始まった、ウインテンダネスに種牡馬を続けさせるためのプロジェクトに、SNSを中心に多くの賛同者が集まった。 翌日には早くも第一目標...
今年、ナミダノキスとのコンビで石川優駿とサラブレッド大賞典の金沢競馬3歳二冠を制して大きな飛躍を遂げた柴田勇真騎手。この柴田騎手が人生で初めて名前を知った馬は、社会現象ともなったあの馬だった。 「中学生くらいにディープインパクトの引退レース(有馬記念)を親がテレビで見ていて、すごい馬が引退するんだなって」 そう、ディー...
芦毛馬が好きだ! 芦毛馬はかわいい。芦毛といっても柔らかいグレーの馬体を持つ者もいれば、黒に近い馬体でデビューする芦毛馬もいる。デビューの頃は様々な「グレー」の馬体を持っている彼らが、競馬場でキャリアを重ねるにつれ、どんどん白くなって行く。私は、メンコをつけていない馬齢を重ねた芦毛馬をパドックで見るのが好きである。白い...
筋肉の鎧を纏うスプリントの絶対王者が、すべてを薙ぎ倒すように抑えきれない手応えで淀の坂を駆け下りる。その直後に迫るのは研ぎ澄まされたマイルの女王。場内のボルテージが上がる。一転、2頭の周りは静寂に包まれる。2頭だけの世界、これが最後の戦い──。 馬体を合わせた2頭はそこから数十メートル。互いの力を確かめ合うように、力の...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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[重賞回顧]ニュースター誕生! 見惚れるほどの圧勝劇~2024年・朝日杯フューチュリティステークス~
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[重賞回顧]世界を完封! 主役はやはり日本総大将~2024年・ジャパンカップ~
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[重賞回顧]最速の母”ラッシュ”から魂の”ラッシュ”へ、鞍上が繋ぐ悲願成就!~2024年・マイルCS~
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[重賞回顧]”バド”の雪辱を、”スタニング”が晴らす見事な勝利~2024年・エリザベス女王杯~
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[重賞回顧]夕暮れに映えた白き古豪、ハヤヤッコ~2024年・アルゼンチン共和国杯~
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[地方レース回顧]意地の連覇、意欲の挑戦~2024年・マイルチャンピオンシップ南部杯~
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[重賞回顧]いざ、逆襲のとき。武豊騎手とドウデュースが感動の後方一気!~2024年・天皇賞秋~