[リーディング]騎手部門は岩田望来騎手とC.ルメール騎手の熾烈な争い!トウカイテイオーの血も重賞を制す

競馬の流れは、数字で如実に表れる。好調な陣営や種牡馬を見つけ、注目するのも楽しみのひとつと言えるだろう。先週の競馬をリーディングの順位とともに振り返る。

■厩舎リーディング 杉山晴紀厩舎が年間50勝に到達

首位を独走する杉山晴紀厩舎が先週も3勝を加算。50勝に到達した。土曜阪神1Rの2歳未勝利ダ1800m戦(ベルウッドワタル・和田陽希騎手)と、8Rの野路菊S(2歳OP 芝1600m戦 ブラッドバローズ・松山弘平騎手)で2勝を挙げると、月曜阪神11Rの神戸新聞杯(3歳OP GⅡ 芝2400m戦 ロブチェン・松山騎手)もきっちり制し、クラシック三冠に向けて盤石のスタートを切った。

同師の管理馬は月曜日、ロブチェン以外に出走なし。まさに「一戦入魂」と言わんばかりのエントリーで、しっかりと秋初戦をモノにした。このまま本番の菊花賞も制し、6年ぶり史上9頭目となる「クラシック三冠馬」の称号を手にすることができるだろうか。

先週が終了した時点で、順位は以下の通り。

1位 杉山晴厩舎 50勝(+3勝) 先週1位
2位 矢作厩舎 36勝(+0勝)先週2位
3位 斎藤誠厩舎 35勝(+0勝) 先週3位
4位 大竹厩舎 34勝(+1勝) 先週4位
5位 池江厩舎 32勝(+0勝) 先週5位
6位 手塚久厩舎 32勝(+1勝)先週6位タイ
7位 藤原厩舎 31勝(+0勝) 先週6位タイ
8位タイ 寺島厩舎 30勝(+1勝) 先週10位タイ
8位タイ 鹿戸厩舎 30勝(+0勝) 先週8位
10位タイ 福永厩舎 29勝(+2勝) 先週12位
10位タイ 中館厩舎 29勝(+2勝) 先週10位タイ

台風による順延もあり、長い4日間開催となった先週の競馬だが、それらすべての曜日で管理馬が3着以内に好走したのが安田翔伍厩舎。出走した9頭中5頭が3着内に好走し、うち2頭が勝利を挙げている。

今週は中山のスプリンターズSにピューロマジックを遠征させる同師。果たしてこの安定感は、稀代の快速馬にとって追い風となるか。

■騎手リーディング 止まらぬ上位2人の勝ち星量産!上位2人はどこまで伸びるか

上位2人の勢いが止まらない。先週時点でトップを走っていた岩田望来騎手が9勝を挙げれば、それを追うC.ルメール騎手は1つ上をいく10勝をマーク。これにより、1勝差だったリーディング首位の座は、再び両者が並び立つ形となった。

圧巻だったのは土曜日のルメール騎手。この日、8鞍に騎乗したが、なんとそのうち7鞍で馬券圏内に入り5勝。複勝率87.5%と、驚異的な数字を残した。唯一、着外に敗れたのは中山芝2500mで行われた九十九里特別。騎乗したのはアロンズロッドだが、母アーモンドアイが生涯唯一、着外に敗れたのもこの条件で行われた有馬記念だった。どこか血の宿命も感じる敗戦である。そして、翌日曜日1Rの2歳未勝利戦では、ウィンターブリーズを1着に導き、2歳日本レコードを更新。今後に期待しかない勝利であった。

一方、9勝を記録した岩田望騎手も、日曜日は阪神2Rから5Rまで4連勝を飾るなど大活躍。水曜日にはタガノミストで浦和のオーバルスプリントを制覇するなど、その勢いは止まらない。ただ、残念ながら月曜阪神6Rで騎乗停止の採決を下されたため、10月3日から11日までの9日間(開催4日間)は騎乗することができない。この間、ルメール騎手がどのくらい勝利数を加算するか、現在3位につけている松山騎手がどこまで追い上げてくるかが、リーディング争いのカギとなるのは間違いないだろう。

先週が終了した時点で、順位は以下の通り。

1位タイ 岩田望騎手 113勝(+9勝) 先週1位
1位タイ C.ルメール騎手 113勝(+10勝) 先週2位
3位 松山騎手 101勝(+3勝) 先週3位
4位 横山武騎手 83勝(+2勝) 先週4位
5位タイ 川田騎手 80勝(+5勝) 先週7位
5位タイ 坂井騎手 80勝(+1勝) 先週5位
7位 西村騎手 79勝(+1勝) 先週6位
8位 丹内騎手 65勝(+3勝) 先週8位
9位 戸崎騎手 63勝(+1勝) 先週9位
10位 横山和騎手 62勝(+1勝) 先週8位タイ

3日間で5勝を挙げた川田将雅騎手にも注目したい。この勝利によって一気に7位から5位タイに順位を上げたうえ、13回の騎乗機会中、騎乗馬をなんと10回も掲示板内に持ってくるという抜群の安定感を誇った。

また、リーディング争いとは関係ないが、横山典弘騎手が【0-3-0-0】という数字を記録。土、日、火曜とそれぞれ一鞍ずつの騎乗で、勝ち切ることはできなかったものの、同じく抜群の安定感だった。オールカマーでは、ワールドオールスタージョッキーズからの継続騎乗とはいえ、昇級初戦でいきなり重賞初挑戦のキャントウェイトを2着(6番人気)に導いているのも恐ろしい。柴田善臣騎手の引退で、JRA最年長ジョッキーとなった横山典騎手に、この秋も注目したい。

■種牡馬リーディング 阪神でシルバーステートが抜群の安定感

先週、6勝を挙げたシルバーステート産駒。4日間で15頭の産駒が出走し、うち6頭が勝利、1頭が3着という成績だったが、その内訳がすごい。土曜の阪神では北摂特別をビーアイフォルテが15頭中14番人気で勝利し、WIN5キャリーオーバー発生への引き金となった。さらに月曜の阪神ではなんと3戦3勝。先週、同場での勝率は67%を記録していたことからも、シルバーステート旋風が吹き荒れていたと言っていい。セイウンハーデスやラヴァンダといった、GⅠ制覇を目指す産駒の戦線復帰も近いなか、好調の波に乗るきっかけとなるだろうか。

先週が終了した時点で、順位は以下の通り。

1位 キズナ 116勝(+1勝) 先週1位
2位 ロードカナロア 80勝(+0勝) 先週2位
3位 キタサンブラック 74勝(+1勝) 先週3位
4位 エピファネイア 87勝(+1勝) 先週4位
5位 サートゥルナーリア 73勝(+2勝) 先週5位
6位 ドレフォン 67勝(+2勝) 先週6位
7位 レイデオロ 61勝(+4勝) 先週7位
8位 モーリス 58勝(+1勝) 先週8位
9位 ゴールドシップ 26勝(+0勝) 先週9位
10位 リアルスティール 40勝(+2勝)先週10位

ここ1ヶ月の2歳戦で存在感を上げてきたのがビッグアーサーだ。8月22日から9月22日までの期間で、獲得賞金は1位シスキンに次ぐ5700万円。土曜中山9RのカンナSでは、産駒が1から3着までを独占している。

さらに、土曜中山4Rでニホンノヨアケゼヨ(16頭中9番人気3着)、火曜中山3Rの2歳未勝利でモミスケ(11頭中9番人気1着)が好走するなど、人気にかかわらず好走が多い。2歳重賞も本格化してくるなかで、台風の目になってくる可能性がある。

■生産者リーディング 三嶋牧場が今年の重賞2勝目 ハクツ牧場は約30年ぶりに重賞制覇

先週のオールカマーを制したのはメイショウゲキリン。生産者の三嶋牧場にとっては同レース初勝利であると同時に、6月の宝塚記念をメイショウタバルで制して以来、今年の重賞は2勝目となった。重馬場に雨、そして前にいって勝ち切ったというところで、今年の宝塚記念との共通点は多い。2週間後に遠くフランスで世界の頂を目指す同郷の後輩に向け、最大のエールになったかもしれない。

先週が終了した時点で、順位は以下の通り。

1位 ノーザンファーム 479勝(+12勝) 先週1位
2位 社台ファーム 198勝(+6勝) 先週2位
3位 三嶋牧場 52勝(+2勝) 先週3位
4位 社台コーポレーション白老ファーム 64勝(+5勝) 先週4位
5位 下河辺牧場 50勝(+3勝) 先週5位
6位 ケイアイファーム 43勝(+1勝) 先週6位
7位 ノースヒルズ 47勝(+0勝) 先週7位
8位 ダーレー・ジャパン・ファーム 57勝(+2勝) 先週8位
9位 岡田スタツド 38勝(+0勝) 先週9位
10位 千代田牧場 31勝(+0勝) 先週10位

阪神ジャンプSを勝利したオオキニはハクツ牧場の生産馬。同牧場は2003年、鳴尾記念をウインブレイズで制して以来のJRA重賞制覇となり、オープン競走以上の勝利も16年に米子Sをケントオーで制して以来である。

そんなオオキニはケントオーの半弟。牧場としても、96年に繁殖牝馬セールで購入したのが2代母アトラクトで、そのアトラクトに信念をもってトウカイテイオーを種付けし、誕生したのがケントオーとオオキニの母ポポチャンである。繁殖セールから30年。その血がついにJRA重賞を制覇したというのは、何物にも代えがたい喜びだろう。今後の活躍にますます期待したい。


長くもあり、あっという間でもあった4日間開催を終え、シルバーウィークも幕を閉じた。しかし、気づけば秋のGⅠ開幕戦スプリンターズSまで、あと数日。春の王者サトノレーヴが電撃引退したことで、短距離路線はますます混沌としている。果たして、どの馬が王者の座につくのか、名馬誕生の瞬間を目に焼きつけたい。

写真:@gomashiophoto、うみ、ぼん(@Jordan_Jorvon)

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