今も駆ける スター"ウマ娘"の血を引く者たち〜今週の新馬戦(11/13,11/14)〜

巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。

実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。

そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のレースからピックアップして紹介していきたいと思います。

今週は合計2頭の新馬を紹介します。

土曜東京5R ロードシャマール

東京のダート1600mでデビューするロードシャマール。この馬はアニメ版「ウマ娘 プリティーダービーSeason2」から登場しているチームカノープス所属のイクノディクタスと同じ一族の出身です。

ロードシャマールの母方の血を遡っていくと4代前にターンツーダイナと言う馬がいて、この馬がイクノディクタスのお母さんダイナランディングのお姉さんにあたります。

イクノディクタスは3歳(旧年齢表記 以下同)夏の小倉でデビューし、その後7歳まで大きなけがをすることなく走り続け、ついた異名が「鉄の女」。女性に対してつける異名としては淑やかさに欠ける気もしますが、この馬がデビューした当時の英国首相マーガレット・サッチャー氏にあやかったという部分もあるのかもしれません。

イクノディクタスはデビューから新馬⇒フェニックス賞を2連勝し、早々と賞金を加算したこともあり、デビューから51戦、一度も条件戦を走ることなくオープン以上のレースを走り続けました。その中にはオールカマーなど重賞4勝、安田記念・宝塚記念と言ったG1競走の2着も含まれており、引退までに稼いだ賞金が5億2660万円。この額はイクノディクタスが現役当時の歴代の牝馬の中ではトップの賞金額で、5億円以上の賞金を稼いだのもイクノディクタスが初めてでした。

当時は、現在では古馬に解放されているエリザベス女王杯も、牝馬3冠の最終レースと言う位置づけの4歳限定でしたし、”ヴィクトリアマイル”なんていうレースは影も形もありませんでした。もし、当時どちらかのレースがあったなら、3歳戦でも活躍しながら古馬になってから重賞を4勝したイクノディクタスが、勝利をおさめていた可能性は高いと思います。そういう意味では「時代に恵まれなかった名牝」と言えると思います。

一方で、エリザベス女王杯が古馬に解放され、ヴィクトリアマイルと言う古馬牝馬限定G1が出来たのも、イクノディクタスのような「古馬になってからも活躍できる牝馬」のためという側面もあるので、今の古馬牝馬路線の充実したレース体系が確立されたのはイクノディクタスの功績と言えるのではないでしょうか。

ロードシャマールにはイクノディクタスのような息の長い活躍を期待したいところです。

日曜阪神5R ヴァハマ

日曜阪神5R、芝1800mのレースでデビューするヴァハマ。この馬の血統表はとにかく「豪華」と言えるでしょう。

日本競馬のレース体系において、牡馬の頂点は「日本ダービー」、牝馬の頂点は「オークス」とされています。ヴァハマの血統表にはこの日本ダービー、もしくはオークスを勝った馬が6頭も名を連ねています。

父方の血を見ていくと、父の父が2004年の日本ダービーをレコードで駆け抜けたキングカメハメハ、父の母が1996年のオークス馬エアグルーヴでその母が1983年のオークス馬ダイナカールです。

一方、母方の血に目をやると、母の父に2001年、「黄金世代」とも呼ばれる歴戦のライバルたちを押しのけて日本ダービー馬に輝いたジャングルポケット、母の母の父に武豊に念願の日本ダービーのタイトルをもたらしたスペシャルウィーク、母の母の母に1999年のオークスでゴールギリギリの差しきりを決めたウメノファイバーがいます。

この中で、ウマ娘にも登場する「女帝」エアグルーヴは今週行われるG1エリザベス女王杯にはとかく因縁のある馬です。

エアグルーヴ自身は1998年のエリザベス女王杯に出走。当時のエアグルーヴは牡馬相手のG1でもコンスタントに上位に来ていたため、「牝馬同士なら断然」と言う評価を受け、単勝オッズ1.4倍の圧倒的支持を受けていました。しかし、レースでは4コーナーで外目を進出するも伸びあぐね、インで自慢の末脚を溜めていたメジロドーベルの末脚に屈し3着と敗れてしまいました。

そんな母の敵を討ったのが娘、アドマイヤグルーヴ。アドマイヤグルーヴは2003年のエリザベス女王杯で、その年の牝馬三冠馬、そしてその牝馬三冠でずっと後塵を拝し続けてきた相手スティルインラブをハナ差しのいで念願の初G1タイトルをものにすると、翌年のエリザベス女王杯でも連覇を果たし、牝馬の強豪として一時代を築きました。

また、2008年のエリザベス女王杯に出走したエアグルーヴの娘ポルトフィーノはスタート直後に落馬しながら誰よりも早く、一番にゴール板を駆け抜けました(もちろん失格です)。もし、ウマ娘のエアグルーヴがこのレースを見たら「たわけ!」と怒られそうなレースですね。

ヴァハマに話を戻すと、ヴァハマの曾祖母ウメノファイバーは今年の9月に25年の生涯を終えています。ウメノファイバーの子孫には、癌を患いながらも中山芝で重賞を2勝したヴェルデグリーンや、皐月賞2着のサンリヴァル、日曜日の福島記念でも好走が期待されるヴァンケドミンゴなど活躍馬が多数出ています。

ウメノファイバーの名をさらに世に知らしめるためにもヴァハマには期待をかけたいところです。

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