[POG2020-2021]注目馬紹介~一口クラブ・グリーンファーム編~

今回は「グリーンファーム」です。
グリーンファームといえば、栃木の那須野牧場や社台ファーム、ノーザンファームといった牧場からの馬が多くを占めています。勝負服はトキノミノルの永田オーナーから引き継がれた由緒正しき「緑、黒三本輪」です。
近年ではマキシマムドパリらがクラシック挑戦を果たし、アンデスクイーンが交流重賞で3勝をあげるなど活躍馬をだしています。

そんなグリーンファームからPOGで注目したい3頭をご紹介したいと思います。


ジャンドゥーヤ

父:リオンディーズ
母:ツルマルオトメ
母父:タイキシャトル
松田国英厩舎(栗東)
2018年2月9日生まれ
牝馬・募集額1,500万円
母16歳時の出産で空胎明け(第7仔)

まずは本州の名門牧場・那須野牧場(栃木県)出身の1頭をご紹介します。
あえてこの「本州」や「栃木県産」という言い方をさせて頂きます。なぜかというと、サラブレッドは北海道生まれだけではないということを強調したいからです。
北海道だけではなく、青森や栃木、九州にも牧場はありますし、日本中で競走馬の生産はできます。どこの牧場でも同じ思いで、強い馬を競馬場へ送り込もうと努力を続けています。
グリーンファームにおいては那須野牧場の生産馬は近5年間で13頭がデビューし9頭が勝利。勝ち上がり率では、驚異の69.2%を記録しています。さらに京王杯2歳Sの覇者ボールライトニングや、京都2歳S2着のリスペクトアースも那須野牧場出身です。

血統面を見ると、母ツルマルオトメは小倉芝1,200mにて当時の2歳コースレコードタイムで快勝、その後も持ち前のスピードを武器に25戦4勝という成績で繁殖入りします。
母になってからもそのスピード力は産駒たちにしっかり伝わり、初仔のシンジュボシは一口クラブのユニオンから募集され36戦4勝、那須野牧場で産まれたサムシングジャストは同じグリーンファームから募集され13戦4勝の成績をあげています。特にサムシングジャストはPOG期間において積極的に重賞挑戦をしてくれたので、POGファンでご存知の方も多いかもしれません。古馬になってからも一気に成績をあげ、4か月間に3勝を固め打ちする活躍をみせています。

管理するのは松田国英厩舎です。先ほどから度々登場しているサムシングジャストと同じ厩舎という事からも、クラブとの意思疎通は問題ないものと思われ、より期待が高まります。

馬体はいかにもマイルくらいまでがベストのスピードタイプに映ります。
父は新種牡馬リオンディーズ。現役時は2歳戦から活躍していましたし、半兄のエピファネイアは初年度から無敗で牝馬二冠を達成したデアリングタクトを輩出しています。
来年の桜の舞台が楽しみな存在です。

リリーブライト

父:ハーツクライ
母:リリーアメリカ
母父:American Post
小崎憲厩舎(栗東)
2018年2月17日生まれ
牡馬・募集額2,400万円
母9歳時の出産で空胎明け(第3仔)

父ハーツクライ×母父American Postといえば、リスグラシューと同じ組み合わせです。
母リリーアメリカは2009生まれで、リスグラシューの母リリサイドは2007年生まれ。実は全姉妹にあたる間柄になります。ちょうど種付けシーズンにリスグラシューが春のクラシックで活躍していたこともあり、奇しくも同配合の本馬の誕生につながったのかもしれません。

生産・育成は社台ファームが行っています。クラブとしても、社台ファームからは本賞金だけで1億4,000万円以上を稼いでくれているレインボーフラッグらが登場していますので、実績は当然ながら十分です。
過去にもエリザベス女王杯で世間をアッと驚かせたクィーンスプマンテや、重賞馬マキシマムドパリ、ジュエルオブナイル、バウンシーチューンがグリーンファームから活躍している、切っても切れない間柄です。
管理するのは先にも登場したレインボーフラッグの預託先・小崎憲厩舎です。レインボーフラッグでもデビュー勝ちを果たしていたように、クラブの特徴を分かっている厩舎だと思います。

育成でもしっかりと坂路を登り、スピード感ある走りを見せている点に好感が持てます。父ハーツクライとの事で、やや成長は遅めに感じるかもしれませんが、同配合のリスグラシューは春のクラシックの段階から十分に素質を見せていました。この血への期待は大きいものですし、2021年ダービーの舞台を目指して成長していって欲しい逸材です。

フラワードラム

父:ドゥラメンテ
母:アースサウンド
母父:Yes It's True
田中博康厩舎(美浦)
2018年2月5日生まれ
牝馬・募集額2,000万円
母11歳時の出産で3連産目(第4仔)

母アースサウンドは米国2歳トレーニングセールで購入され、グリーンファームの募集馬として現役生活を始めます。東京ダート1,300mの500万下(1勝クラス)で当時の2歳レコードタイムを樹立。25戦6勝で交流重賞のオーバルスプリント制覇など、実績を残しました。

ここまで産駒は、母と同じ様にダートでの好成績が目立ってきましたが、父に新種牡馬ドゥラメンテを迎えた事で、兄姉とは少し違って芝への適性も感じます。
育成が始まってからも、クラブの公式コメントからは「キレのある走り」や「力強いフットワーク」など期待が高まるコメントが並んでいます。

そしてこの馬を管理するのはクィーンスプマンテでクラブにGⅠ制覇をもたらした田中博康調教師です。
クィーンスプマンテで勝利した時は騎手としてでしたが、現在は調教師としてクラブに貢献しています、クラブとの相性は依然良いようで、近5年間で4頭が預託され2頭が勝ち上がりを果たしています。これからもこのコンビは目が離せません。


なお、今回は最後に、もう1頭だけご紹介したい募集馬がいます
「パソロブレス」という名前はぜひ覚えておいて頂きたいです。
父はエイシンフラッシュ。ノーザンファームの生産、育成馬で母ゼマティスはダービー馬ロジユニヴァースの半妹という血統です。そして管理するのはデアリングタクトで一躍注目を集めている杉山厩舎です。
残念ながら今年の春前に骨折をしてしまい、育成が遅れた関係でPOG記事には写真入りとしてピックアップは出来ませんでしたが、馬体も良く将来性も十分の、面白い存在です。「競走馬」という観点では非常に楽しみな存在です。どうぞご注目ください。

以上、高橋楓が選ぶグリーンファームから期待の3頭です。
この記事が皆様のPOG戦略のお役に立てれば幸いです。

※記事内のクラブの名称はクラブ法人名(馬主名義)を使用しています。
※記事内の数字は2020年6月1日現在になります。
※記事内の写真は募集カタログの写真になります。

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