![[POG26-27]視線を集める名牝の初仔たち - 2、3歳芝重賞戦線で活躍した母の仔を並べる](https://uma-furi.com/wp-content/uploads/2026/05/202605071.jpeg)
5月、3歳世代のクラシックを巡る争いがクライマックスを迎えるころ、次の世代2歳馬の話題がPOGを中心にあがってくる。ダービーの翌週から2歳新馬戦がはじまるサイクルは休むことを許さない。つまり、5月はその年のクラシックと翌年のクラシックまで考えなければならなず、実に忙しい。
POG、ペーパーオーナーゲームのはじまりは諸説ある。競馬記者が新しい血統を覚える勉強の動機づけだったという話もある。確かにまだデビューしない血統にアプローチするのはクラブ馬主で出資するかPOGぐらいしかない。その検討の主なテーマは父系、つまり種牡馬だ。クラシックまで駒を進められるのはどの種牡馬なのか。父系の検討はPOG攻略には確かに欠かせない。
だが、父系の検討は分母が極めて大きい。人気種牡馬となれば、登録馬は一世代100頭を楽々こえる。当然、一頭の種牡馬だけを考えるわけではなく、2、3頭に絞ったとしても2、300頭はつぶさにチェックしていかないといけない。これは途方もない作業だ。一方で、これを疎かにしてはPOGは勝てない。POG本はその作業を最適化してくれる。
加えて、現在は種牡馬戦国時代。ディープインパクト、キングカメハメハ、ハーツクライの時代が終わり、次を担うドゥラメンテの産駒もいない。キズナ、エピファネイア、キタサンブラック、コントレイルにサートゥルナーリア、リアルスティールとあげればキリがない。さらに新種牡馬エフォーリアにアメリカからFlightline産駒もやってくる。悩ましい。Flightlineに関してはウマフリ編集長に助言を求めても、要領を得ない。確かに走ってもいない産駒の未来に答えを出すのは容易ではない。未来の答えは自分で出さなければいけない。POGはそんな訓練のひとつでもある。
そこで、牝系に注目する。繁殖牝馬は年に一頭しか産駒を送らない。分母はたった1つ。じっくりとアプローチできる。種牡馬戦国時代だからこそ、牝系のアプローチはPOGの手がかりになるのではないか。私は「競馬王のPOG2026-2027」(ガイドワークス刊)のなかで「未知の魅力に賭ける!名牝の初仔たち」という原稿を寄せた。ここでは主に現役時代GⅠを制した名牝たちの初年度産駒を紹介したが、ほかにも重賞ウイナーの繁殖牝馬も続々初年度産駒を送っており、簡単に触れただけだった馬たちがいるので、こちらで何回かにわけて書き綴っていく。まずは2、3歳芝重賞戦線で活躍した牝馬たちからはじめる。
■キングリア 牡・父エピファネイア 母リアアメリア シルクレーシング所有 ノーザンファーム生産
母をPOG指名していた人間からすると、産駒の登場に年月の早さを感じざるを得ない。母は6月阪神初日の新馬戦デビューの超速攻型。しかも新馬戦は8馬身差の圧勝だった。レースのラスト600m34.9秒のなか、上がり最速34.4秒で駆け抜けた。上がり2位とは1秒8差。文句なしの世代一番馬の評価を受けた。次走アルテミスSも東京芝1600mで上がり600m33.0秒を記録し、快勝と文句なしの滑り出しをみせた。その後は阪神JF6着、桜花賞10着、オークス4着とスタートで噛み合わず、苦しい戦いを強いられたが、川田将雅騎手をして印象に残る馬にあげられるぐらいインパクトは大きかった。

祖母リアアントニアはアンブライドルズソング系で現役時代、ブリーダーズCジュベナイルフィリーズを繰り上がりで制した馬。ディープインパクト×アンブライドルズソング系は切れ味を備え、速い時計に対応できる。ここにエピファネイアが加わり、どう出るか。父エピファネイア×母の父ディープインパクトは数が多く傾向をつかみにくいが、2025年のファルコンSを勝ったヤンキーバローズ、今年のフラワーCを制したスマートプリエールを出した。仕上がりが早かった母と同じ道をたどることができれば、クラシックへの道筋をつけられるだろう。
■ギルデッドグロス 牡・父クリソベリル 母ギルデッドミラー シルクレーシング所有 ノーザンファーム生産
母ギルデッドミラーは22戦4勝。2022年武蔵野Sを制したダートの重賞ウイナー。キャリア後半のダートでの活躍、東京での鮮やかな差し脚が印象的だが、キャリア前半は芝で走り、アーリントンCで牡馬相手に2着に好走し、NHKマイルCへ。好位から粘り強く走り、1.32.8を記録し、3着と好走した。2着は世代トップのマイラーと目されていたレシステンシアだった。
その後も芝マイル前後の重賞で走り、京都牝馬S2着、ターコイズS3着と活躍し、5歳夏にダート戦線へ。その初戦NST賞でダート1200mのオープン特別をいきなり勝利した。そこから東京ダート1400、1600mで2、1、2着。唯一の重賞勝ちである武蔵野Sではレモンポップを差し切った。早期から晩年まで二刀流で活躍した原動力はスピードの持続力にある。母タイタンクイーンといえばPOG人気血統だったが、ややスピード不足の面もあった。しかし、オルフェーヴルが持続力を伝えたギルデッドミラーはスピードを見事に補完された印象がある。

父クリソベリルはその父ゴールドアリュールの影響を強く受けており、ダートの大物を輩出する予感もある。さらに父は2歳9月デビューから6連勝でチャンピオンズCを制した天才肌。大井はジャパンダートダービー、帝王賞、JBCクラシックと3戦3勝。ダート三冠路線との相性は文句なし。スピードの持続力を誇った母ギルデッドミラーとの相性もよさそうだ。
文:勝木淳
写真:s1nihs、ほこなこ
定番のPOG本として親しまれてきた、刊行20年目の「競馬王のPOG本」が今年も登場。徹底取材の末に引き出した独自情報から、毎年数多くの活躍馬を輩出してきたPOGファンの必須アイテムだ。
大好評だったノーザンファーム早来&空港の場長対談は今年も継続。さらに袋とじでは誌面で紹介しきれなかったノーザンファームのマル秘情報も掲載されている。2人の場長が推す特注馬は今年も必見だ。
今回も例年と同様に全国各地の牧場はもちろんのこと、厩舎、一口クラブへの取材も全力で行っている。情報量、読み易さ、面白さにこだわり、読者の皆様を唸らせるような一冊に仕上がった。
注目ポイント
・毎年恒例の表紙の毛選定会議で選び抜かれた第20代「毛の馬」は?
・カラー96Pページ、合計350頭超の立ち写真を掲載
・今年もやります!ノーザンファーム場長対談!!
・充実の生産・育成牧場取材
・貴方の愛馬も登場!? 一口クラブ取材も充実
・マル秘情報満載の袋とじ企画
■第20代「毛の馬」選定会議
毎年、その年の表紙を飾る1頭を決める恒例企画。過去の選定馬にはブエナビスタやローズキングダム、サートゥルナーリアなどGⅠレースを複数勝利するような馬が名を連ねている。
直近でも2022年に指名したタスティエーラが日本ダービー馬に輝くなど、POGファンにとっても重要な意味合いを持つこと間違いなし。大注目の会議である。

■今年もやります! ノーザンファーム場長対談!
昨年、読者から大好評をいただいたノーザンファーム早来&空港の対談は今年も継続。昨年ここで取り上げられたアランカールはクラシックに駒を進めたうえ、10頭中8頭が勝ち上がりというかなりの高水準な成績を残している。競馬界を席巻している同牧場の場長からの貴重なお話は、POGファンにとっても選定馬の重要な基準となってくれるだろう。

■充実の生産・育成牧場取材
今年も「現場スタッフによる生の声で差をつける!」をコンセプトとし、総計19場を取材。各牧場とも、現場だからこそわかる渾身の情報を提供していただいており、充実の内容に仕上がっている。

■貴方の愛馬も登場!? 一口クラブ取材も充実
6つのクラブに対して直撃取材。昨年に続いての登場となるキャロットクラブやDMMバヌーシーのほかに、今年、満を持して登場するブルーミングホースクラブの有力2歳馬も掲載されている。もしかすると、貴方の愛馬もPOG有力馬として取り上げられているかも!?POGファンのみならず、一口馬主の皆様も必読の内容だ。
■マル秘情報満載の袋とじ企画
場長対談で語り切れなかったこぼれ話や、毎年お馴染みの黒服トークに取材陣の最終結論など見どころ満載の購入者特典。のべ20頭以上のノーザンファーム育成馬のマル秘情報に加え、各地から得た耳寄り情報を余すところなくお伝えしている黒服トークはもちろんのこと、各方面を取材したライター陣の最終結論は皆様の背中を後押ししてくれるはず。こちらは購入者のみが閲覧を許されている付録となっているため、是非、お手元にご用意して楽しんでいただきたい。
■競馬王×ウマニティPOGの開催
従来はハガキでの参加が主だった競馬王のPOGだが、刊行20年目を迎えたことで大幅リニューアル。今年はウマニティと連携し、ウェブサイトから簡単に登録が可能となった。さらに、地方競馬のダート交流重賞競走もポイントとして加算されるシステムに。日本ダービーが終了しても、東京ダービーまではPOG期間として計算されるように変更が入ったことで、最後の最後に一発逆転も十分考えられる状態だ。ダート馬の選定も非常に重要になった今大会から、是非参加を検討してみてはいかがだろうか。詳細はこちら。

| 書籍名 | 競馬王のPOG本 2026-2027 |
|---|---|
| 発売日 | 2026年04月23日 |
| 価格 | 定価:2,200円(税込) |
| ページ数 | 272ページ |
| 出版社 | ガイドワークス |
