[重賞回顧]白毛馬の夢か、関東の新星か〜2020年・阪神ジュベナイルフィリーズ〜

桜花賞と同じ阪神競馬場の芝1600mで行われる2歳女王決定戦「阪神ジュベナイルフィリーズ」。
来年のクラシックに向けて世代の頂点に立つべく今年もフルゲート18頭がこの舞台にやってきた。
何といっても、注目は3連勝で重賞2勝を挙げた白毛馬ソダシだ。

過去に白毛馬がG1を制したという記録はなく、おそらくソダシが勝てば白毛馬初めてのG1制覇ということになる。白毛馬の偉業にファンの期待が多く集まった。
そして関東馬から参戦のサトノレイナスも人気を集めた。管理するのは国枝厩舎、馬の顔にはシャドーロールと最強馬路線を系譜するべくこの舞台でまずG1制覇を成し遂げたいところだ。

レース概況

ゲート入りではややソダシがゲートインを躊躇したが他はまずまずの枠入り。

18頭が出そろってスタートが切られた。
先行争いは九州産馬のヨカヨカとサルビアと同じ勝負服2頭が引っ張る。
続いて外枠のポールネイロンとエイシンヒテンが先頭を追いかける展開に。

注目のソダシは5番手辺りで先団を見る形となった。
サトノレイナスも中団、この一線の外に折り合いを欠きながらもメイケイエールが押し上げていく。

前半はやや流れて34.9で600mを通過。
先団は固まりそれほど感覚に差が無いまま直線を迎えた。
先頭ヨカヨカは2馬身のリード。2番手以降はズラッと横に広がり、インフィナイトやポールネイロンが迫ろうとするが大外から差し脚を伸ばしたのはメイケイエール。
武豊騎手を背にメイケイエールが先頭に立って残り200mを切る。

メイケイエールが伸びきるとみられたが馬群の真ん中から白い馬体のソダシが追い込んでくる。
大外からはユーバーレーベン、さらに最内からはスルスルとサトノレイナスが差し脚を伸ばす。
ゴール前で大激戦。内サトノレイナス、外にソダシ。
2頭の優勝争いは写真判定に持ち込まれた。
場内のターフビジョンにゴール前のストップモーションが流れるとスタンドから大きな拍手が上がった。わずかに外のソダシが先着。見事白毛馬初のG1制覇となった。

各馬短評

1着 ソダシ (吉田隼人騎手 1人気)

直線で力強い伸び脚を見せ、見事4連勝でG1制覇となった。

道中は先団で逃げるヨカヨカを見る位置で競馬を進めた。
直線では馬場の3分どころを選択。進路が開くとじわじわと伸び脚を伸ばし、内をすくったサトノレイナスを際どく捉えて1着となった。

これで4連勝。負け知らずのまま来年の大舞台に挑む。

2着 サトノレイナス (C.ルメール騎手 2人気)

僅差の2着に敗れたものの勝ち馬に際どく迫った。
道中は中団を追走したサトノレイナス。直線に向くとルメール騎手は内を選択。豪快に内をすくったがソダシに迫られて2着となった。

連勝はストップしたものの力は見せたサトノレイナス。関東の主役としてクラシックでの巻き返しを誓う。

3着 ユーバーレーベン (M.デムーロ騎手 6人気)

大外から追い込んだユーバーレーベンが3着となった。レースは最後方を追走し、最後の直線に賭けた。
直線は大外を選択してメイケイエールを外から競り落としての馬券圏内入りを果たした。人気は無かったものの札幌2歳ステークスでソダシに迫った馬でもある。今後に期待がかかる。

総評

2歳女王決定戦は白毛馬ソダシの優勝で幕を閉じた。

大接戦のゴール前には歓声が上がり、ソダシの1着が掲示板に上がると拍手が起きた。まだまだ制限がある中でも競馬界は徐々に元通りになりつつある。その中でまた一つ白毛馬による新たな伝説も樹立された。G1初制覇となったソダシは今後も新たなアイドルホースとして私たちを盛り上げてくれるだろう。

写真:俺ん家゛

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