![[今週の競馬]牡牝3歳馬、そしてマイルの頂上決戦へ。各場で主要ステップレースが開催](https://uma-furi.com/wp-content/uploads/2026/04/202604193-scaled.jpeg)
今週から東は東京、西は京都へ開催場所がスイッチ。東京では土曜に青葉賞、日曜はフローラステークスと、一冠目が終わって息つく間もなく二冠目への前哨戦が開催される。ロブチェン、スターアニスといった、路線のトップホースに輝いたものへ挑戦状を叩きつけるのは果たしてどの馬となるか。
また、日曜の京都ではマイラーズカップも施行予定。こちらもダービーの1週間後、古馬マイル王者を決める安田記念へのステップレースであり、目が離せない戦いになることは間違いない。同時に海外では香港チャンピオンズデーも日曜夕方に行われるため、競馬ファンにとっては国内外で注目のレースが目白押し。日本でのG1は小休止となるが、忙しい週末になることは間違いないだろう。
○青葉賞 競馬の祭典へ繋がる2枚の切符を賭けて
テレビ東京杯青葉賞(G2)
土曜東京11R 15:45発走
芝2400m(左)サラ系3歳限定 オープン 定量
本賞金 1着5400 2着2200 3着1400 4着810 5着540(万円)
■レースの歴史、位置付け
前身は1984年のグレード制導入時に創設されたオープン競走。当時から芝2400mで行われる日本ダービーへのステップレースとして機能していた。G3に格上げされ重賞となったのは1994年で、現行のG2に昇格したのは2001年。2009年までは1着から3着の馬に日本ダービーへの優先出走権が付与されていたが、2010年から日本ダービーへの出走ローテーションが多様化している状況を踏まえ、上位2頭の付与に変更された。
本番と同条件のトライアルレースながら、オープン時代を含めて青葉賞の勝ち馬から日本ダービー馬が誕生したことはない。ちなみに2026年時点でこのレースの最多勝記録を保持しているのは5勝を挙げている蛯名正義騎手(現:調教師)。2,3着の合計数が日本ダービー史上で最も多い彼が青葉賞を一番制しているというのは、何か数奇な運命なのだろうか。
また、G3に昇格する直前の1993年にはロイスアンドロイスが3着に入線。未勝利馬のため1着にならなければ日本ダービーへの出走は叶わなかったが、その激走はファンの記憶に刻まれた。

■前年のレース模様
前走のセントポーリア賞で出遅れながら上り最速で勝ち切ったエネルジコが1番人気。差のない2番人気にファイアンクランツが支持され、この2頭が抜けた支持を集めていた。
レースはガルダイアが1000m通過59秒9というよどみのないペースで引っ張る。直線は瞬発力勝負となり、内からレッドバンデ、ホウオウアートマン、ファイアンクランツ、アマキヒ、ゲルチュタールが横一線でダービーの切符を争う形となったが、最後は大外からエネルジコが各馬をまとめて撫で切り勝利。2着にはファイアンクランツが入り、この2頭がダービーへの優先出走権を獲得した。鞍上のクリストフ・ルメール騎手はこの勝利がJRA通算2000勝となり、メモリアル勝利を重賞の舞台で飾ってみせた。

■今年の出走馬
特別登録の段階で25頭がエントリー。しかも公営岩手、川崎からも登録があり、多彩な地域から競馬の祭典を目指すメンバーが揃った。トゥーナスタディとコスモギガンティアの2頭が夢の舞台へ駒を進めることができるかも期待したい。
1勝クラスを勝ってきたブラックオリンピアやテルヒコウといった馬たちに注目が集まるのは必須だが、デビュー前から良血馬として話題に上がっていた5億7000万円ホースのサガルマータや、牝馬二冠馬ミッキークイーンの息子ミッキーファルコン、熊本産馬として初のJRA重賞制覇を果たしたヨカヨカの初仔であるヨカオウなどもスタンバイ。

さらに重賞での好走実績もあるタイダルロックやゴーイントゥスカイもおり、ダービーへの優先出走権の争いはまさに熾烈を極めると言って良さそうなメンバーが顔を揃えた。果たしてこの中から2枚の切符を掴みとり、本番となる日本ダービーへ向かうのはどの馬となるだろうか。
○フローラステークス(G2) 樫の女王まで繋がるシンデレラロード
サンケイスポーツ賞フローラステークス(G2)
日曜東京11R 15:40発走
芝2000m(左)サラ系3歳限定 オープン 定量
本賞金 1着5200 2着2100 3着1300 4着780 5着520(万円)
■レースの歴史、位置付け
1966年にオークストライアルとして「サンケイスポーツ賞4歳牝馬特別(オークストライアル)」の名称で創設。当初は5着馬までにオークスへの優先出走権が付与されていたが、1991年に3着、2018年に2着までと改められた。
創設からしばらくは芝1800m戦で開催で、1987年に現行の2000mに距離が延長。当時は桜花賞からオークスまでの間にこのレースを挟むのが一般的なローテーションとされており、メジロラモーヌやマックスビューティーといった桜花賞馬もここを制してオークスで牝馬二冠を達成している。
■前年のレース模様
未勝利、フリージア賞を連勝してきたヴァルキリーバースがやや抜けた1番人気。とはいえ、2,3番人気のブラックルビーとゴーソーファーもそれほど差がなく、混戦状態という印象が強い1戦であった。
レースはロートホルンがよどみないペースを作っていたが、3角手前で中団からエストゥペンダが捲るように進出。これにより一気に締まった流れとなり、直線は末脚比べに。内に進路を取った馬たちが行き場の確保に手間取る中、スムーズに突き抜けてきたカムニャックがそのまま2着以下を突き放して快勝。

同馬は次走のオークスも制し、2010年のサンテミリオン以来15年ぶりに、フローラステークスからの連勝で樫の女王に輝いてみせた。
■今年の出走馬
フラワーカップで兄、イクイノックスを彷彿とさせる末脚を見せたイクシードの回避は残念だが、それでもかなりの素質馬が顔を揃えた。
主役候補は牡馬相手のきさらぎ賞で3着まで追い込んできたラフターラインズか。近2走は直線での進路取りに手間取り、実力を最大限に発揮できたとは言い難い形。それでも上り最速を連発している末脚は、未勝利戦を制した東京に戻ってこそ真価を発揮するはず。ここは本番に向けて結果が欲しいところ。

また、初出走となった中山芝1800mの未勝利戦で後続を千切ったラベルセーヌも注目。同馬は前日に同条件で行われた古馬牝馬の重賞である中山牝馬ステークスの勝ちタイムより0秒1速い時計で勝ち切っており、能力は相当なものを秘めている可能性がある。果たして連勝で樫の女王を決める戦いまで進むことはできるか。
○マイラーズカップ 新緑の府中を見据えるマイラーたちの戦い
読売マイラーズカップ(G2)
日曜京都11R 15:30発走
芝1800m(右・外)サラ系4歳以上 オープン 別定
本賞金 1着5900 2着2400 3着1500 4着890 5着590(万円)
■レースの歴史、位置付け
1970年に設立された「マイラーズカップ」が前身の競走。寄贈賞を提供する読売新聞社の名が入ったのが1974年で、1980年に現名称に。2011年までは中山グランドジャンプと同日の土曜日に阪神競馬場で開催されていたが、2012年から開催週を1週繰り下げ京都競馬場での開催に変更となった。
ちなみに、阪神競馬場での固定開催の最終年を制したのはシルポートだが、同馬は翌年、京都競馬場での初年度開催も制覇。これは1991年に中京、92年に阪神のマイラーズカップを制したダイタクヘリオスに続く異なる開催場での同競走連覇記録であるが、両者ともに時代を彩った快速馬であるという共通点がなんとも面白く感じられる。
■前年のレース模様
10頭立ての小頭数での開催の中、前年の富士ステークスを制したジュンブロッサムが断然の1番人気に支持される。スタートからビーアストニッシドが11秒台を連発するハイラップを刻み、先行勢には苦しい展開に。直線に向いたところで好位からセオが抜け出すが、馬群を割って伸びてきたロングランが一気に先頭へ。後方から追い込んできたジュンブロッサムに並ばせず、そのままゴールに飛び込んで小倉大賞典からの重賞連勝を飾った。

■今年の出走馬
昨年のマイルチャンピオンシップで好走したウォーターリヒトを筆頭に、復権を誓う2歳王者アドマイヤズームやG1馬シャンパンカラー、重賞3勝のシックスペンスなど、実績馬がスタンバイ。

さらにベラジオボンドやドラゴンブーストなど、着実に実績を積み重ねてきた新星マイラーたちもこの戦いにエントリーしてきた。同日、香港の地でチャンピオンズマイルに挑むジャンタルマンタルへこの先チャレンジするであろう挑戦者を決める戦いとして不足なしのメンバーが顔を揃えており、まさに前哨戦に相応しい1戦。今後のマイル路線を見据えるうえでかなり重要なレースとなりそうだ。
桜花賞、皐月賞といったクラシック一冠目は幕を閉じたが、早くも1か月後の二冠目に向けた戦いがスタートする。新緑の府中に向け、華麗なテイクオフを決めるのは果たしてどの馬になるだろうか。もちろん、3歳馬たちの戦いが終わったあと、国内のマイル路線で覇を競う舞台を見据える古馬たちの戦いにも注目だ。
また、日曜夕方には香港チャンピオンズデーが開催される。日本馬の健闘はもちろんのことながら、各国から参戦する全人馬が何事も無く無事にレースを終えることをいつも以上に願いたい。
写真:@gomashiophoto、@QZygbdf8L1kEB9U、mosan、かず、突撃砲
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