[今週の競馬]5週連続の東京開催フィナーレは春のマイル王決定戦!

日本ダービーが終わり、東京競馬場の5週連続GⅠ開催はいよいよ最終章へ。春のマイル王を決める安田記念が、そのフィナーレとなる。

例年通り古馬の一線級マイラーが顔を揃えたが、今年は3歳馬に加え、ダート路線からも実績馬が参戦。スピードだけでは乗り切れないと言われる府中の芝1600mで、果たして上半期のマイル王に輝くのはどの馬か。

また、2023年に生を受けたサラブレッドたちの頂点を決める戦いは先週で幕を閉じたが、今度は2024年産の競走馬たちの「Road To Derby」がスタートする。ダービーからダービーへ、その意志が受け継がれてゆく戦いの初週には、早くも新種牡馬の子供たちも出走予定となっており、いきなり楽しみな1戦が多くなりそうだ。

○安田記念 春の最強マイラー決定戦

安田記念(GⅠ)
日曜東京11R 15:40発走
芝1600m(左)サラ系3歳以上 オープン 定量
本賞金 1着18000 2着7200 3着4500 4着2700 5着1800(万円)

■レースの歴史、位置付け

明治、大正、昭和にわたって競馬法の制定、馬券発売、日本ダービーの創設など、日本競馬の発展に尽力した安田伊左衛門翁の功績を称えて1951年に「安田賞」として創設されたのが始まり。1958年に同氏が逝去したのち、「安田記念」へと改められた。彼の銅像は2026年現在、東京競馬場の正門から入って右手、パドックの手前に設立されている。

1984年にGⅠに格付けされてからは主に5月の2週目に開催されていたが、1996年に同条件の3歳GⅠであるNHKマイルCが創設されたことで日本ダービーの翌週へ移設。出走条件も3歳以上へと変更されたことで、春の東京開催を締めくくる上半期のマイル王決定戦としての位置付けがより明確になった。年によっては3歳馬と古馬のマイラーがぶつかるレースとなり、2010年にはリアルインパクトが先輩たちを下して勝利。同馬は2025年終了時点で唯一、3歳で安田記念を制した馬となっている。

■前年のレース模様

1番人気には前年のマイルCSを制し、秋に続くマイルGⅠ連覇を狙うソウルラッシュが推され、差のない2番人気にGⅠ2勝のジャンタルマンタル。そのすぐ後ろに前走の中山記念でレースレコードを記録して勝利したシックスペンスが続き、この3頭がオッズでは抜け出していた。

レースはスタートからウインマーベルとマッドクールが引っ張り、800m通過も46秒7とよどみないペースで進めて行く。直線で外からジャンタルマンタルが一気に先頭へ並びかけると、そこからは堂々と抜け出して後続の追撃を振り切り、GⅠ3勝目。明けて4歳の若きマイル王が、歴戦の古馬相手にも力を示す結果となった。

■今年の出走馬

今年は前走で復活を果たしたアドマイヤズームが本命視されそうだ。2歳時に朝日杯FSを制した実績馬だが、3歳シーズンは期待されながらも1着はゼロ。だが、前走のマイラーズCでは番手追走から抜け出し、後方勢を寄せ付けない横綱相撲で快勝し、1年4か月ぶりの勝利を飾った。

昨年、1番人気に支持されたNHKマイルCでは落鉄もあって、本来の力を出し切れぬまま敗戦となった。その時と同じ舞台で逆襲を果たし、一気にマイル王の座に就くことはできるか。

復活という意味では、前走のエプソムCで2着に好走したステレンボッシュにも注目だ。かつては桜花賞を制し、オークスと秋華賞でも善戦した彼女だが、昨年の大阪杯以降は思うような成績を残せていなかった。しかし、前走は勝ち馬に肉薄する2着。かつての闘志が戻って来たように感じる走りからも、一気のGⅠ2勝目があってもおかしくない。

そのエプソムCを制してきたトロヴァトーレも勢い十分。昨年の安田記念では17着と大敗したが、東京新聞杯から重賞を連勝してきた今年の充実度は当時以上ではないだろうか。

母の父であるエンパイアメーカーにとっては、種牡馬時代から通じて初のGⅠタイトル獲得のチャンスでもある。かつて、産駒のフェデラリストやカイザーバルが惜しくもつかめなかった栄光の勲章を、孫のトロヴァトーレがつかむことができるかも注目したいところだ。

さらに、昨年春秋のマイルGⅠで2着となったガイアフォースはもちろん、先月のNHKマイルCで2着となったアスクイキゴミと、今度こその悲願を狙うベテラン勢と3歳馬に加え、兄のカフェファラオ同様、ダート路線から安田記念に挑戦してくるルクソールカフェなどもエントリー。例年以上に、個性豊かなメンバーが府中の芝1600mに集うこととなりそうだ。

そして今年は昨年の最優秀マイラーであるジャンタルマンタルが不在。秋の直接対決を占ううえでも重要な1戦になるのは間違いなさそう。GⅠホースの栄誉と共に、彼へのチャレンジャーとなる馬はどの馬となるだろうか。


この安田記念で5週連続の関東GⅠはいったんの区切りを迎え、2歳新馬戦もスタートする季節。来週には函館開催も始まるため、いよいよ夏競馬のシーズンも間近となってきた。そして、6月初週の新馬戦にはエフフォーリアにサリオス、ホットロッドチャーリー、ジャンダルムといった新種牡馬の産駒も多数スタンバイしており、新たな原石の発見が訪れるタイミングもすぐそこに迫っていそう。

特に近年はダービー翌週の新馬戦にのちの重賞馬などが出走していることも多いため、そういった観点からも見逃せない1戦が続きそうだ。

まずは春競馬から夏競馬へ、そのシーズンが移行する直前のマイル王決定戦を、存分に楽しみたいところである。

写真:Horse Memorys、INONECO、s1nihs、ぼん(@Jordan_Jorvon)

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