[今週の競馬]函館、福島、小倉の夏開催は今週まで!2歳世代初の重賞、サマー2000シリーズ第3戦が開催!

今週末は海の日を含む3連休があり、夏の暑さもいよいよ本番。先週に引き続き函館、福島、小倉の3場開催となるが、各地の開催は今週まで。開催130周年を迎えた函館競馬場の記念開催も、今週がラストとなる。

函館では、2歳世代初の重賞となる函館2歳Sが開催。世代最初の重賞ウィナーに名乗りを挙げるのは、どの馬になるだろうか。また小倉では、サマー2000シリーズ第3戦となる小倉記念が開催。小倉を舞台にした、中距離馬たちの熾烈な争いに注目したい。

○函館2歳ステークス 北の大地で世代初の重賞レース

函館2歳ステークス(GⅢ)
日曜函館11R 15:20発走
芝1200m(右)サラ系2歳 オープン 馬齢重量
本賞金 1着3400 2着1400 3着850 4着510 5着340(万円)

■函館2歳Sの歴史と位置付け

1969年に創設された「函館3歳ステークス」が第1回の開催である。その後、2001年に馬齢表記が国際基準に統一されたことにより、レース名を「函館2歳ステークス」に変更して現在に至っている。函館競馬場・芝1200mを舞台にした2歳馬限定の重賞競走であり、夏の緑鮮やかな洋芝のコースで2歳馬たちがそのスピードを競う。

北海道シリーズの開催が札幌→函館の順序だった1996年までは、本競走は8月ないしは9月に開催されていた。1997年の番組改編で函館競馬が先の開催となったため、現在は本競走が2歳世代最初の重賞競走となっている。

その1997年は、のちに海外GⅠ制覇を成し遂げるアグネスワールドが勝っており、また1996年には朝日杯3歳Sを制したマイネルマックスが勝つなど、その歴史においては豊かなスピードを誇る優駿たちが勝利してきた。

夏の2歳戦らしく牝馬の活躍も目立ち、直近の10年では3頭が牝馬が制している。時代を遡ってみても、雨の桜花賞を逃げ切ったエルプスや、最優秀5歳以上牝馬を2年連続で受賞したダイナアクトレスなどの名牝たちも、この函館2歳Sを制して飛躍している。

■昨年は道営出身のエイシンディードが世代初の重賞馬に

1番人気に支持されたのは、のちにフェアリーSを制するブラックチャリス。それにカイショ―、タガノアラリアが続き、好メンバーが揃った一戦となった。

ゲートが開くと、9番人気のエイシンディードがハナを奪い、そのままリードを保って直線へ。鞍上のR.キング騎手が追い出すと、後続に迫られることなく先頭でゴール板を駆け抜けた。この週から再来日して騎乗していたキング騎手にとっては、2月のフェブラリーS以来となる重賞勝利となった。

番手につけていたブラックチャリスがそのまま2着に入り、3着にはカイショー、4着にはタガノアラリアと道中の位置取りのまま、前残りでの決着となった。

勝ったエイシンディードは、ホッカイドウ競馬のデビュー。6月に門別のアタックチャレンジで勝利を挙げ、JRAへ転入してこの函館2歳Sを迎えていた。中央入りの初戦、初の芝コースでの競馬で大仕事を成し遂げた。

地方でデビューした馬が函館2歳Sを勝利するのは、2007年のハートオブクィーン(初出走が門別競馬場)以来、18年ぶりとなる快挙だった。他の2歳重賞に目を向けてみても、地方出身馬が制したのは2008年のイナズマアマリリス(ファンタジーS)以来という偉業だった。

■函館2歳S(2026年)主な出走予定馬

父トワーリングキャンディの牝馬シグレは、本競走と同舞台のデビュー戦で後続に6馬身差をつけて逃げ切った。母の父ジャイアンツコーズウェイの血統構成は、今春の二冠馬ロブチェンや米国の殿堂馬ガンランナーがおり、近年注目を集めている。同じコースでの圧勝の再現なるだろうか。

同じく牝馬のフェリチタも、函館芝1200mのデビュー戦を勝って臨む。父は2019年のスプリンターズSを制したタワーオブロンドンであり、そのスピードを重賞の舞台でも輝かせるか。

こちらも牝馬のショウナンカノアは、2戦目で勝ち上がり。同条件だったデビュー戦から時計を1.3秒詰めてきており、さらなる前進を期待させる。父はドレフォン。

ビッグアーサー産駒のダイシンドラゴンは、2戦目での勝ち上がり。2024年に開業した高橋一哉調教師に、初の重賞タイトルを届けたい。

その高橋一哉厩舎からは、牝馬のクロリスも登録。こちらは父ヘニーヒューズで、阪神ダート1400mで新馬勝ちから挑む。

同じくダートの新馬戦を勝っている、ノリヤンモーニン。そのデビュー戦は好発からスピードに乗り、直線は後続を5馬身突き放す好内容だった。父はモーニン。

阪神のスプリント戦を勝って臨む、牡馬のロンドンガーズ。その新馬戦では後続に3馬身差をつける圧勝だった。こちらも前川恭子調教師に、初の重賞タイトルを届けることができるか。父はグレーターロンドン。

同じく牡馬のダイメイビックボスは、函館芝1200m戦での新馬勝ち。父サートゥルナーリアの産駒は、先々週の北九州記念をフリッカージャブが勝っており、この波に乗っていきたい。

オーヴァルエース産駒のウンスイは門別でデビューし、美浦の和田正一郎厩舎に転厩してのエントリー。昨年のエイシンディードに続く、門別でのデビュー馬による快挙なるか。

エンパイアメーカー直系のフォーウィールドライブを父に持つセタキトは、函館芝1000m戦を新馬勝ち。母系もアメリカの主要血統が占めており、その血の持つスピードの持続力を活かしたい。

新種牡馬サリオス産駒の牝馬イモージェンは、祖母シーザリオの名血。函館のデビュー戦では、好位から抜け出して勝ち切るセンスの良さを見せた。父に初の重賞タイトルを届けるか。

こちらもサリオス産駒で芦毛馬のダマスクは、函館ダート1000m戦を新馬勝ち。デビュー戦で見せたスピードを、芝でも発揮したいところ。

7月11日の新馬戦を8馬身差で逃げ切ったフレイコンも、エントリー。出走確定となれば連闘での重賞挑戦となるが、その圧倒的なスピードを再び見せてくれるだろうか。父は、同じゴドルフィンの所有だったブルーポイント。

その他にも、スピード豊かな2歳馬たちが登録。果たして、世代最初の重賞タイトルを獲得するのは、どの馬になるだろうか。

○小倉記念 夏の小倉のフィナーレを飾るハンデ重賞

小倉記念(GⅢ)
日曜小倉11R 15:45発走
芝2000m(右)サラ系3歳以上 オープン ハンデ
本賞金 1着4300 2着1700 3着1100 4着650 5着430(万円)

■小倉記念の歴史と位置付け

番組表での正式表記は「農林水産省賞典 小倉記念」。1965年に3歳以上のハンデ重賞として創設され、当初から小倉競馬場・芝2000mの条件で施行されていた。現在、小倉競馬場で行われている重賞の中では、最も長い歴史を誇る重賞競走である。

1995年から1999年は別定重量で行われていたが、2000年からはハンデキャップに戻り現在に至っている。また2006年からは「サマー2000シリーズ」の対象レースに指定されており、2006年にはスウィフトカレントが本競走を勝って記念すべき第1回サマー2000シリーズのチャンピオンに輝いた。

多くの名馬たちが、この伝統の重賞競走を走ってきた。かのナイスネイチャが3歳時に本競走を勝っているほか、GⅠ3勝を挙げたドリームジャーニーも4歳時に勝利を挙げている。

また小倉巧者の晴れ舞台でもあり、ロサードが2001年と2003年の隔年で2勝を挙げているほか、メイショウカイドウは2004年から連覇を達成している。同馬は、2005年に小倉で施行される古馬重賞(小倉大賞典、北九州記念、小倉記念)を同一年ですべて勝利という史上初の偉業も成し遂げており、「小倉の鬼」として強烈な印象を残した。

■昨年はメンバー唯一の牝馬、イングランドアイズが快勝

1番人気のメリオーレムですら単勝5.0倍と、ハンデ戦らしく人気の割れた一戦。そのレースを制したのは、出走16頭のなかで唯一の牝馬、イングランドアイズだった。3勝クラスからの格上挑戦で9番人気にとどまっていたが、最内枠、最軽量51キロの好条件を活かして、見事に安田翔伍調教師の期待に応えた。

外枠のグラティアス、スズカダブルがハイペースで引っ張った道中を、イングランドアイズは1番枠から好位を確保。迎えた直線では、鞍上の松若風馬騎手が追い出すと力強く末脚を伸ばし、2着に1.3/4馬身差をつけて差し切った。テン乗りだった松若騎手だったが、見事に同馬をエスコートし重賞初勝利に導いた。牝馬の小倉記念勝利は、2022年のマリアエレーナ以来、3年ぶりとなった。

2着には中団から進めた3番人気のシェイクユアハートが入り、さらに1馬身差の3着にディープモンスターが入った。1番人気のメリオーレムは後方から脚を伸ばせず、9着までだった。

■小倉記念(2026年) 主な出走予定馬

2024年のホープフルSでクロワデュノールの2着に入り、翌年のクラシック三冠を皆勤したジョバンニ。古馬となった今年は金鯱賞2着、香港のクイーンエリザベス2世Cで5着と好走を続けている。香港で手綱を取ったJ.コレット騎手が継続騎乗を予定しており、新馬戦を勝った小倉の地で重賞初勝利を狙う。

一方、昨年のオークスで3着に好走した、タガノアビー。3勝クラスで2走目となった前走は、後方から鮮やかに差し切ってオープン入りを果たした。その勢いのままに、一気の重賞制覇なるか。

5月の都大路S(リステッド)をレコード勝ちした、ガイアメンテ。京都の高速馬場を差し引いても、速い時計、かつ強い競馬だった。1ハロン延長となるが、ここでもその末脚を炸裂させるか。

その都大路Sで1番人気(3着)に支持されたジーティーアダマン。その前走は出走馬中最も重い57キロを背負っており、負けて強しの内容。小倉で反撃の機を窺う。

他の前走1着馬では、5月のメトロポリタンS(リステッド)を勝っている5歳牡馬ウエストナウ。58キロを背負いながらシャイニングソード、バトルボーンといったメンバーを退けており、連勝での重賞勝利に期待が懸かる。

ナムラエイハブは、ポジションが取れる出足が強み。前走のジューンSでは長い府中の直線で粘り切れなかったが、小倉に変わって粘りを増すか。

GⅡ阪神牝馬S勝ちの実績のある、サフィラ。近親にサリオス、サラキアのいる良血だが、ここで復活の勝利となるか。

レーゼドラマは、2月に同じ舞台の小倉日経賞を勝っている。その後も牝馬重賞で堅実に走っており、ここで一気の戴冠を狙う。

2023年の小倉記念を制した、9歳のエヒトもエントリー。今年1月のアメリカジョッキークラブCで3着に入っており、2戦2勝と好相性の小倉で重賞3勝目なるか。

その他にも、多彩なメンバーが登録している小倉記念。はたしてどの優駿が、「ナツコク」のフィナーレを飾るのだろうか。


各地で盛り上がりを見せた函館、福島、小倉の開催だが、早くも今週でフィナーレを迎え、名残惜しさも出てくる。次々にデビューする2歳の素質馬や、3歳と古馬世代の対決、そして今年最初の2歳重賞、そして小倉を彩るハンデ重賞と、残り少なくなった3場の開催を心ゆくまで楽しみたい。

写真:かず、@gomashiophoto、RINOT、Horse Memorys、Sarcoma、しんや、INONECO、s1nihs

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