[佐賀記念]佐賀の大一番、佐賀記念。今年の展望は?

佐賀競馬場で行われている2つのダートグレート競走、冬の中距離『JpnⅢ佐賀記念』と夏の短距離『JpnⅢサマーチャンピオン』。2月12日(振月)に行われる冬の大レースを前に今年の展望、歴史や思い出などを振り返ってみたいと思います。

佐賀2,000mで行われる佐賀記念はもともと、競馬場が佐賀市から鳥栖市に移転した1973年に『開設記念』として始まった歴史ある重賞です。JRAと他地区にも出走枠が解放された1995年以降、1996年に佐賀リンデンニシキ、2001年から笠松ミツアキサイレンス2連覇、2008年兵庫チャンストウライが勝利。そのほかにも2着3着に入線する地方所属馬が多く「地方馬が好走する交流重賞」として知られていました。

しかしチャンストウライが勝利した2008年以降は地方馬が勝てず馬券圏内にも入れなくなってしまいます。馬券の売上が下がり続け地方競馬全体が経営難だった時期、賞金や手当が減額された影響で能力の高い馬が地方の競馬場へ入厩しなくなる悪循環。地方馬にとっては厳しい時代となっていきます。

一方でJRA所属馬は絶好調。2009年にはスマートファルコン佐賀襲来、2013年にはホッコータルマエが勝利するなど後のJpnⅠ勝ち馬が佐賀記念を足掛かりとして羽ばたいていきました。近年では「佐賀記念がダートグレード初勝利」という馬が多く誕生するようになりました。フェブラリーSや川崎記念のような大きなレースには賞金不足で出走できない馬たちが出走するようになったことでダート重賞戦線へと続く“登竜門“のような存在となっています。

1月末に佐賀記念出走予定馬が発表されましたが、個人的な印象として今年の登録馬が例年とは少し質が異なっているように感じました。いつものようにダートグレード初勝利を目指すメンバーに加え今年はノットゥルノ、グランブリッジ、マンダリンヒーローなど既にGⅠで好走経験のある馬たちが登録してきたのです。

理由としては二つ考えられます。一つは「全日本的なダート競走の体系整備」により今年度からダートグレード競走の再編が行われ川崎記念が4月に時期変更されたことによるものです。これまで2,100mで行われる川崎記念は同じ中距離の佐賀記念と条件が被っており実績と収得賞金の十分な馬たちは川崎記念に登録していました。この変更により佐賀記念をステップにして川崎記念を目指すという流れが新たに出来たこと。もう一つは今年2024年度のJBCが佐賀競馬場で開催されるからではないかと思われます。JBCクラシックと全く同じ条件である佐賀記念で試走しておきたい陣営の考えがあってのことではないでしょうか。同様に今年のサマーチャンピオンもJBCスプリント前哨戦としての立ち位置になりそうです。

佐賀からの登録馬の中ではヒストリーメイカーが筆頭。中央時代にダートグレードレースで幾度となく好走してきた馬ですが昨年佐賀に移籍し、いきなり姫路の重賞「白鷺賞」を勝利。今年で10歳になりますが地元戦では昨年より現在の方が好調のように見えます。ほかにはタガノファジョーロ、明け4歳ブレイブアモーレなどにも注目しています。
佐賀記念で佐賀所属馬が馬券圏内に好走したのは2006年オンユアマーク3着、2004年オペラキッス2着まで遡ります。今年も厳しい戦いを強いられそうですが出来る限り上位に食い込んで欲しいと願わずにはいられません。

写真:かぼす

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