縁起の良いもので世間が賑わうお正月。
そんなお正月に関係する名前を、縁起を大切にする競馬界が黙ってみているわけがございません!

今回は3つのテーマにわけて「お正月らしい名前の馬」を集めました。

どうぞ、毎年のお正月ネタに使っていただけたらと思います(笑)


祈る・飾る(縁起物)

オメデトウ

あけましておめでとうございます……ということで、ぴったりなのが、このオメデトウ号ではないでしょうか。

1997年うまれのこの馬の馬主は、おもしろい馬名で有名な小田切オーナー。

名前のインパクトだけでなく、JRAで3勝をあげている実力馬でした。しかもどの勝利もダート1200mという、生粋のダート短距離馬。

さらに、2001年11月18日には1着イダテン・2着オメデトウ……さらには11着にヘイセイフウジンと、縁起の良い名前が揃ったレースにも出走しています。

他にも小田切オーナー所有馬にはメデタシ・メデタイメデタイといった縁起の良い馬名の競走馬が多数います。

メイショウカドマツ

神様が迷うことなく家にいらっしゃるよう、目印として飾るのが門松の揺らいだそうです。

そんな縁起物を名前に持つメイショウカドマツは2009年うまれの牡馬。ダイワメジャーの初年度産駒でした。

デビュー戦は後のG1馬ジャスタウェイの前に12着と大きく敗れるも、2戦目以降は逃げの戦法を試したことで活躍を始めます。弥生賞では7着だったものの、続く若葉Sではワールドエースの2着と好走し、皐月賞(勝ち馬:ゴールドシップ)への出走も果たしています。

6歳のアルゼンチン共和国杯ではG1馬ゴールドアクターに最後まで食らいつきアタマ差2着と好走しています。

3度の屈腱炎を発祥するなど波乱万丈な現役生活を送りましたが、引退後は乗馬として過ごしているようです。

コウハク

祝い事に使われる色の組み合わせの代表格が紅白。年末の紅白歌合戦だけでなく、おせち料理に入る紅白かまぼこなど、年が明けても「紅白」に出会う機会は多いはず。

そんなコウハクがうまれたのは戦後から10年とたたない1954年のことでした。

時代が時代ということもあり、いとこ達には雷紋帑・桜甲・雪姫など、カッコいい漢字名馬がズラリと並びます。

娘の1頭であるメジロドーターから一時期牝系が広がり、2010年ごろまではコウハクの名が5代血統表見られるメジロ馬が走っていました。

なかでも、父メジロブライト・母メジロデュレンに始まり、5代血統表に12頭ものメジロ冠馬がいるメジロバークマンは地方で14勝をあげる活躍を見せていましたが、競争中の怪我で予後不良となってしまい、その後はコウハクの血を持つサラブレッドは走っていないようです。

シチフクジン

お正月の風習の1つ、七福神巡り。最近はさらに人気になっているようです。

シチフクジンという名前の馬はこれまで2頭がデビューしています。

1頭は2005年うまれの競走馬で、2戦未勝利のまま引退しています。

もう1頭は1994年うまれのアラブ馬で園田にて活躍、3勝をあげているようです。

食べる・飲む

クロマメ

マメになれますように、という意味を持っているというおせち料理定番の一品・黒豆。

クロマメという名前の競走馬は歴代で2頭います。

1頭は2003年うまれで南関東競馬で走っていた牝馬。5歳で引退するまでに40戦をこなした頑張り屋さんでした。

勝ち星は1つですが、2桁着順も2回だけと、安定感のある走りを見せてくれた馬でした。

もう1頭のクロマメは2015年うまれの笠松所属馬です。

2歳のうちに14度レースに出走するという、こちらも大変マメな頑張り屋さんのようです。

クリキントン

「豊かさ」や「勝負運」の向上を願う意図があるというおせち料理の栗きんとん。まさに競馬好きにぴったりな一品ではないでしょうか。

クリキントンと命名された本馬は2011年うまれの牝馬です。

珍しい父・ヴリルの競走馬ということもあって、マイナー血統隙のファンでしたらご存知の方も多いかもしれません。

中央デビューを果たしましたが、8戦して掲示板には届かず。その後笠松に移籍して1章をあげています。

名前にふさわしく、栗毛の美しい牝馬でした。

オミキ

お正月や結婚式の披露宴、鏡開き、初宮詣、地鎮祭など、日本で古くから伝わる祭礼には欠かせないのが御神酒。

カンパニー産駒のオミキがデビューしたのは2013年7月。

デビュー戦ではフェルメッツァ・ステファノス、2戦目ではワールドインパクト、さらには3戦目でアドマイヤデウスと、重賞クラスの素質馬と当たることが多く、結局中央未勝利のまま地方競馬へ移籍しました。高知・水沢で勝利をあげるなど、地方での好走を続け、名前もあってか引退後は神事に参加して過ごしているようです。

イセエビ

おせち料理などでは長生きの象徴として考えられている海老も、競走馬名に。

名門・社台ファーム出身の本馬ですが、デビューから丸1年間走って6戦未勝利という結果に終わりました。

ただし近頃注目を集めているハービンジャーの牝馬です、これからの馬生に期待したいですね。

もしかしたら競馬界の「エビ」でしたら「蛯名ジョッキー」を連想する人が多いかもしれません(笑)

感じる・遊ぶ

ハゴイタ

正月遊びの代表格だった羽子板。今は羽子板で遊ぶ人も少なくなっているかもしれませんね。

2005年うまれの牝馬にハゴイタという馬がいます。

川崎所属でデビューしましたが、7戦未勝利のまま引退しています。

実は5代母がスペシャルウィークなどを輩出した名牝系の祖・シラオキという、由緒正し血統馬でした。

フクワライ

マンハッタンカフェが勝利した2001年菊花賞。

その菊花賞で11番人気ながら2着に食い込み、馬連462.1倍という大波乱を演出したのがマイネルデスポット。そのマイネルデスポットの半妹が、フクワライです。

父・ホワイトマズル、母の父・パーソロンと、いかにも長距離で走りそうな血統でしたが、残念ながらダート1200m戦を2戦したのみで引退しています。こちらもオーナーは小田切氏でした。

ウィーンコンサート

「新年といえばウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを聴かなきゃ!」という方も多いかもしれません。

この馬はそんな方々にとって、とてもお正月らしい名前の馬と言えるのではないでしょうか。

2歳の新馬戦を勝利すると、その勢いのままフラワーCで2着(12番人気)と好走。ニシノフラワーの勝った桜花賞やアドラーブルの勝ったオークスへの出走を果たしています。

さらに、その翌年には条件戦を勝利して、スプリンターズSへの出走もしています。

結果はどのG1でも2桁着順ではありましたが、果敢な挑戦とポテンシャルの高さが印象的な馬でした。

母として、ファルコンS勝利場のタガノバスティーユを輩出。タガノバスティーユはスプリンターズSで3着と健闘し、母の借りを返しています。

Karuta Queen(カルタクイーン)

最後の紹介は外国馬といきましょう。

オーストラリア所属の重賞馬です。

レベルの高いオーストラリア短距離戦線で活躍していました。

地元の歴史的名馬ブラックキャビアの輝かしい全勝街道24戦のうち、2度のレースで2着に食い込んでいます。

やはりカルタクイーンとあって、素晴らしい瞬発力を持っていたようです。

また、残念ながら我が家のおせち料理にはブラックキャビアは入りません。

写真:はるこっこ、シオリ

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