[今週の競馬]いよいよ春競馬開幕! 西は桜花賞トライアル、東は皐月賞トライアル!

先週で小倉競馬が終了。来週からは中京競馬がスタートするが、今週は一旦、中山と阪神の2場開催となる。レース間隔が3場の時より忙しなくならない分、ゆっくり競馬観戦を楽しめる週となりそうだ。

そんな2場開催の今週は、土曜阪神でフィリーズレビュー、日曜中山では弥生賞ディープインパクト記念と、牡牝クラシック路線においては重要なトライアルレースが実施される。また土曜中山ではヴィクトリアマイルの前哨戦である中山牝馬ステークスも行われ、いよいよ本格的に春の到来を感じさせるレースが続く。G1レースに繋がる重賞競走を制し、本命候補として名乗りをあげるのは果たしてどの馬になるだろうか。

○中山牝馬ステークス 春の中山名物・ハンデ重賞

中山牝馬ステークス(G3)
土曜中山11R 15:45発走
芝1800m(右)サラ系4歳以上牝馬限定 オープン ハンデ
本賞金 1着3600 2着1500 3着950 4着570 5着380(万円)

■レースの歴史、位置付け

1972年に創設され、その年のみ2000mで施行。翌年からは一貫して1800m戦で行われており、1983年に重賞に昇格、1984年からはグレード制がの導入に伴ってG3戦として開催されている。

歴代優勝馬には繁殖牝馬としてタイトルホースを送り出す馬も多く、格上げ前の1976年にここを勝利した勝ち馬サクラセダンは日本ダービー馬サクラチヨノオーを輩出。

また1992年の1着馬スカーレットブーケもG1・4勝のダイワスカーレットなどを送り出し、母として大活躍を遂げている。だが一方で、このレースを制した後にG1を勝利した馬はまだ出ていない。

■前年のレース模様

前年の紫苑ステークスでワンツーフィニッシュを飾ったクリスマスパレードとミアネーロに、条件戦を連勝で勝ち上がってきたシランケドが加わり、オッズはこの3頭が分け合う形となっていた。

レースはスタートからペイシャフラワーが引っ張り、やや速い流れに。直線に向いたところで2番手を追走したクリスマスパレードが抜け出したが、それにじわじわとホーエリートが迫り、さらに外からシランケドが強襲。最後は外から末脚を伸ばしたシランケドが抜け出し、3連勝で重賞初制覇を飾った。

■今年の出走馬

昨年、4連勝で福島記念を制覇したニシノティアモが本命候補。その前走は好位から上り3ハロン34秒ジャストの脚で勝ち切っており、600m地点から11秒9-11秒3-11秒0と加速ラップを刻み続けての1着だった。牝馬限定のハンデ戦となる今回も、勢いに乗って重賞連勝を飾ることはできるか。

そしておそらく、この新星に負けられない立ち位置となるのが同世代のボンドガールとステレンボッシュ。両者ともに3歳時は牝馬クラシック戦線を盛り上げた実力馬ながら、1年以上勝ち星を掴めていない。ここを制して復活ののろしを挙げ、本番のヴィクトリアマイルに挑みたいところ。

また、彼女たちから1つ下の4歳世代からも7頭が登録。しかも、いずれの馬も昨年の牝馬三冠レースの前哨戦で連対以上の成績を残している実力馬だ。先輩たちが意地を見せるのか、それとも後輩たちが世代交代を告げる結果を残すのか。本番を前に早くも注目の1戦となりそうな予感がある。

○報知杯フィリーズレビュー スプリント路線からマイルの桜花賞へ繋がるトライアル

報知杯フィリーズレビュー(G2)
土曜阪神11R 15:30発走
芝1400m(右)サラ系3歳牝馬限定 オープン 定量
本賞金 1着5200 2着2100 3着1300 4着780 5着520(万円)

■レースの歴史、位置付け

1967年に創設された阪神4歳(旧齢)牝馬特別(報知杯桜花賞トライアル)が前身。その後、1983年に報知杯4歳牝馬特別となり、満年齢表記が導入された2001年に現名称となった。1975年から1978年の間は芝1200m戦で行われていたが、この条件となった初年度の勝ち馬がテスコガビー。同馬はここをステップに桜花賞・オークスを制し、二冠牝馬に輝いた。

その後もエルプスやメジロラモーヌ、キョウエイマーチといった桜花賞馬を多数輩出してきたレースであるが、同競走の勝ち馬が最後に本番を勝利したのは2005年のラインクラフトが最後。今年の勝ち馬には21年ぶりの桜花賞馬に輝けるかという記録もかかる。

また、1995年にこのレースを勝利したのはライデンリーダー。笠松の地から中央に挑戦し、初めての芝をものともせず上り3ハロン最速の末脚で勝ち切った彼女の姿は、地方から中央を制した女傑としてレース史に名を残している。

■前年のレース模様

1番人気のルージュラナキラの単勝倍率は4.5倍、2番人気のインプロペリアも6.0倍と、かなりの混戦模様。重賞やG1で好走した馬も出走していたが、一筋縄ではいかない雰囲気が漂っていた。

レースはスタートからドゥアムール、アオイレーギーナ、ホーリーブラッサムといった3頭が先頭争いを繰り広げ、600m通過が33秒1というハイペースに。さらに直線は馬群が密集し、ルージュラナキラやランフォーヴァウといった人気上位馬が不利を受けるアクシデントも。それを尻目に抜け出したボンヌソワレが後続を引き離そうとするところに、中団で構えていたショウナンザナドゥが猛追。そのまま一気に突き抜け、前走の阪神ジュベナイルフィリーズで4着に終わった悔しさを晴らして見せた。

■今年の出走馬

特別登録の段階で28頭がエントリー。そのうち賞金上位となる2勝馬は7頭で、残り11の枠を21頭で争うという、出走するだけでも一苦労の狭き門となりそうだ。

その11の抽選組、一番の注目を集める予感があるのはやはりマルガ。新馬戦では函館芝1800mの2歳コースレコードで初勝利を挙げるという衝撃デビューを飾った。その後は勝利を挙げられていないが、母譲りの勝ち気な面は確かに見せてくれている。姉ソダシの背中を追うなら、ここでの権利獲得は至上命題とも言えるだろう。

出走当確組ではルージュサウダージが台風の目となるか。新種牡馬フィレンツェフィア産駒の同馬だが、こちらも新馬戦では2歳コースレコードで函館芝1200mを制している。前走の萌黄賞では函館芝1000mのレコードホルダーであるカイショーを下し、スピード能力を見せた。ここも制し、一気に桜の女王へのステップを歩むことはできるか。

○弥生賞ディープインパクト記念 皐月賞と同舞台で相まみえる素質馬たち

弥生賞ディープインパクト記念(G2)
日曜中山11R 15:45発走
芝2000m(右・外)サラ系3歳 オープン 定量
本賞金 1着5400 2着2200 3着1400 4着610 5着540(万円)

■レースの歴史、位置付け

創設当初は芝1600mで行われ、第1回と5回が中山、2~4回が東京で施行された。しかし、初回から4回の間にキーストン、アサデンコウといったダービー馬を2頭も送り出し、第5回の勝ち馬アサカオーが菊花賞を制したあたり、このレースがいかにクラシックで重要な役割を果たしているかを汲み取れる。

同競走から初の皐月賞馬が産まれたのは第6回のワイルドモアだが、これは東京ダートでの開催。芝条件克、中山で行われた弥生賞から皐月賞馬が誕生したのは、あの国民的アイドルホースのハイセイコーが最初であった。

現行条件となったのはグレード制が導入された1984年。変更初年度からいきなり無敗の三冠馬シンボリルドルフを送り出し、以降、2026年3月1日現在で10頭がこのレースをステップに皐月賞馬へと輝いている。

■前年のレース模様

2歳G1馬のアドマイヤズーム、クロワデュノールこそ不在だったものの、朝日杯フューチュリティステークス2着のミュージアムマイルが参戦。実績からも抜けた1番人気に支持されていた。

レースは2番人気のヴィンセンシオが引っ張り、1000m通過が60秒9とスロー寄りの緩やかなペースに。これを見切ったか、スタートから最後方に構えていたファウストラーゼンが向こう正面で一気に先頭へ捲って行く。直線、追撃してきたヴィンセンシオに1度は先頭を譲るかに見えたが、そこから二の脚を使って再加速し、最後まで先頭を守り切って勝利。ホープフルステークスでは3着と好走しながら、単勝7番人気という低評価を覆す快走劇だった。

■今年の出走馬

朝日杯フューチュリティステークスで3着となったアドマイヤクワッズと、東京スポーツ杯2歳ステークスを制したパントルナイーフの2頭が人気の中心となりそうだ。

両者ともに既に重賞レースを勝利しているため、賞金面でクラシックへの出走が不安になるということはほとんどないと思われる。だが、皐月賞と同条件のこの舞台でどこまで走れるかというのは、今後を見据える上でひとつの試金石になるのは間違いない。彼らがここまでのレースで戦ってきた多くのライバルが今年、既に実績を残しているのも見逃せないところだ。果たして結果やいかに。

さらに、大狩部牧場にとっては2020年のクリスタルブラック以来、実に6年ぶりの皐月賞へのプレップレース出走となるメイショウソラリス、パントルナイーフと同郷である新冠橋本牧場出身のステラスペースなど日高出身の素質馬に、川崎所属のコスモギガンティア、近親に昨年のダービー馬クロワデュノールがいるタイダルロックや東京スポーツ杯2歳ステークスで3着に好走したライヒスアドラーなども皐月賞への権利をかけて臨んでくる。登録馬は12頭と少ないが、本番に向けた優先出走権3枚のカードを奪い合う戦いは熾烈を極めそうだ。


先週をもって、2名の騎手と7名の調教師が引退。一方で、3月4日付で新たに7名の調教師が始動する。そのなかには美浦の手塚貴久師の息子である貴徳師や、栗東の元調教師であった橋田満師の息子、宜長師も開業の時を迎えており、ここからどんな馬を競馬場に送り出してくれるのか楽しみだ。父たちが育てたマスカレードボールやアドマイヤベガを超える名馬の輩出を期待したい。

春は別れの季節でもあるが、一方で出会いの季節でもある。果たして今週の競馬には、どんな邂逅が待っているだろうか。

写真:@pfmpspsm、s1nihs、かず、かずーみ、すずメ、突撃砲、水面

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