「名馬」を語る 世界を駆け抜けたニッポンのダート王、トランセンドの冒険 2020年8月9日 芝とダートの関係はどうあるべきか──。日本の競馬は、この国らしい発展を遂げた。クラシックレースをはじめ、八大競走はすべて芝。距離体系も含め基本設定はヨーロッパ競馬を模範としているが、競馬場のつくりは自然の地形を活かし、大草原に柵を巡らせたヨーロッパとは異なり、人工的に整地した、いわゆる「速く走れるトラック」を作るアメリ... 勝木 淳
「名馬」を語る ドゥラメンテ〜ダイナカール一族のプリンスが抱える“力と心と強運”〜 2020年7月22日 「うわぁ、それかぁ」「あー、取られたぁ」POGドラフトシーズンには、こんな嘆き節が競馬ファンの間でしばしばあがる。そしてどのドラフトでも注目の的になる血統、牝系がいくつかある。そのひとつにあがるのが、ダイナカール一族。ダイナカールではピンとこない若者もエアグルーヴ一族と記せば合点がいくだろう。 1980年代の社台ファー... 勝木 淳
「名馬」を語る アグネスワールド〜世界を席巻したスピードスターの原点〜 2020年7月16日 2歳戦最初の重賞である、函館2歳S。芝1200mという施行条件、2歳戦開始からわずか2ヵ月という時期もあるのか、歴代の勝ち馬には早熟タイプが多い。近年はダービー前日に重賞の葵Sが新設されそこで復活する馬も出てきてはいるものの、総じて古馬になっても活躍するような馬が少なく、忘れられがちなタイトルでもあった。 フランスのア... 勝木 淳
ニュース・ブログ レース回顧 [重賞回顧]リズム感を取り戻したダイアトニック〜2020年・函館スプリントS〜 2020年6月24日 スプリント路線は3月高松宮記念以降、国内に大きなレースがなく、自然と1400~1600mという距離延長への挑戦に進む馬が多い。そういったレース間隔の影響からか、6月という施行時期に関わらず函館スプリントSには強豪馬の出走が多い。高松宮記念以来の出走というと、02年ショウナンカンプ(高松宮記念1着)、08年キンシャサノキ... 勝木 淳
ニュース・ブログ レース回顧 [重賞回顧]第73回 鳴尾記念〜完璧をしのぐ、神騎乗〜 2020年6月12日 鳴尾にあった競馬場で最後に競馬が開催されたのは1943(昭和18)年4月。阪神競馬場の前身である鳴尾競馬場は1907(明治40)年開場。戦時中に海軍によって接収、飛行場となり、戦後は米軍のキャンプ基地となった。競馬会は鳴尾競馬場の代替地として一旦は逆瀬川にある宝塚ゴルフ倶楽部のあたりを選んでいたが、それもGHQの要求に... 勝木 淳
ニュース・ブログ レース回顧 [重賞回顧]第87回東京優駿 日本ダービー〜伝説は遺志を継ぐものによってつづく〜 2020年6月1日 日本近代競馬発展に大きく寄与した、偉大な種牡馬・サンデーサイレンス。米国では種牡馬として期待されていなかった同馬を、吉田善哉氏が1991年に購入・輸入したことが日本競馬界が発展するきっかけとなった。サンデーサイレンスの血がなければ、この国の近代競馬がどうなっていたかわからない。サンデーサイレンス直仔から孫へ、そしてその... 勝木 淳
コラム・エッセイ レース回顧 [重賞回顧]第27回平安S〜猛者からの試練“11秒7”〜 2020年5月25日 上半期ダートグレードの大一番帝王賞の前哨戦、平安S。ダート界のトップレベルへの挑戦に向け『新興勢力』同士の争いになる傾向があったレースだが、今年は春先のドバイミーティング中止の影響もあってか、オメガパフュームとゴールドドリームというGⅠ馬が名を連ねた。ダートグレードや海外遠征など選択肢が多いダート界では、フェブラリーS... 勝木 淳
ニュース・ブログ レース回顧 [重賞回顧]第65回京王杯SC~展開次第の府中1400m~ 2020年5月19日 京王杯SCとは不思議なレースだ。安田記念の最有力ステップレースでありながら2000年以降このレースを経由して安田記念を勝ったのはたった4頭(01年ブラックホーク、05年アサクサデンエン、12年ストロングリターン、17年サトノアラジン)。そして、その馬たちの京王杯における着順は3、1、4、9着。京王杯SC→安田記念を連勝... 勝木 淳
「名馬」を語る エイシンヒカリ〜ディープ産駒の『異能の馬』〜 2020年5月18日 ディープインパクト産駒といえば。キズナ、ジェンティルドンナといった馬が、最終直線、父を彷彿とさせる末脚でレースを逆転し勝利をつかむ──というイメージが強い。代表産駒に数えられるような名馬でなくとも、ディープインパクトの子どもは総じて「前半はゆっくり、後半を速く走る」というレースが得意だ。 しかし、なかにはディープインパ... 勝木 淳
「名馬」を語る モーリス~遅れて咲いた、メジロの大輪~ 2020年5月17日 人がやれていることができず、失敗を繰り返しながら成功する。人生はトライ&エラー。ハナから成功するような人はほんのひと握りであり、大抵の場合、挑戦しては失敗し、そこから学んだことを次の挑戦に生かす。それでも、別の問題で失敗する。生き続けている以上、トライ&エラーは終わらない。 だが、その繰り返しはいつか必ず実を結ぶ。大事... 勝木 淳