「俺はなあ、ライスシャワーが大好きなんだよ」。 生ビールをぐびぐびと飲み干したその男は、顔をくしゃくしゃにしながらそう言った。絵に描いたような”オジサン”の姿である。カラオケボックスと接続すれば浜田省吾の名曲がエンドレスで流れてきそうな男である。大学を卒業して早や35年、それ以来数えるほどしか会っていないのだが、ぼくは...
コラム・エッセイ
コラム・エッセイの記事一覧
競馬界には色々と"格言"があるが、長距離のレースにも幾つかの格言はある。その一つは『長距離で、逃げ馬を自由にしてはいけない』。そんな格言を体現するような走りを見せた馬がいる。彼の名前はイングランディーレ、そして鞍上は横山典弘騎手。 3200m戦の天皇賞春は、言わずと知れた古馬混合G1最長の長距離レースである。スタミナ自...
「東京優駿出走」の重さ 生涯ただ一度だけ出走することができる東京優駿の出走枠は「18」。 前年6月にスタートしたクラッシックロードを戦い抜き、ようやくスタートラインに立つことが出来るのが、18頭である。そこまでの過程には、『能力』だけでなく『運』も伴わないと辿り着くことができない。 「ダービーでビリの18着といっても、...
キラキラのエリート街道をひた走った3歳春 ペルーサは、父ゼンノロブロイと同じ名門・藤沢和雄厩舎に所属し、デビュー戦・条件戦・若葉ステークス・青葉賞と一気に4連勝。明るい栗毛で、500kgを超える立派な馬体も目を引いた。 一躍、日本ダービーの有力馬となった彼は、キラキラのエリート街道をひた走っていた。 数々の名馬と国内外...
2017年4月30日。私は妻と共に京都行きの電車に乗っていた。京都駅に着くと友人と合流し、愛知出身・在住ながら慣れた様子の彼の案内でまた電車に乗った。 京都競馬場に向かうためである。 当時の私といえば、競馬を観たり、馬券を買ったりしたことは無かった。育成シミュレーションゲームが好きで、高校の頃からウイニングポストシリー...
声に出して噛まずに読みたい馬名といえば、元祖はこの馬のような気がする。 「ディアデラノビア」 そして、2002年生まれのディアデラノビアの名は20年以上経っても、必ずと言って良いほどPOGなどで耳にする。つまりは名牝系のひとつということだ。牝系とは奥深さが魅力。脈々とつながっていく一本のラインをたどることは歴史を旅する...
1.「型破りな逃げ馬」ダイタクヘリオス 「逃げ馬」を表現するとき、どのような言葉が使われることが多いだろうか。一頭だけ前に出てそのまま歩みを止めない姿を表現する手法には、語り手のセンスが問われるように思う。私が感銘を受けたのは、文筆家・寺山修司が1965年のダービー馬キーストンについて書いたエッセイにおける以下の一節で...
2019年4月14日、皐月賞の開催日。この日、私は友人とともに現地・中山競馬場へと足を運んでいた。レース前から熱気に包まれていたこのレースは、4頭の若駒に人気が集中していた。 1番人気は、ホープフルS勝ち馬サートゥルナーリア。父ロードカナロア、母シーザリオという血統で、ここまで無敗を貫いてきた。どれもほぼノーステッキで...
1.三冠に最も近づいた「準三冠馬」 中央競馬史上、皐月賞、東京優駿、菊花賞に優勝した三冠馬は8頭。1941年のセントライトから、シンザン、ミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、ディープインパクト、オルフェーヴル、コントレイルまでの8頭を数える。また、2020年のコントレイルは史上初となる親子無敗の三冠達...
藤岡康太騎手の訃報に際し、謹んでお悔やみ申し上げます。 ウマフリ代表の緒方さんから連絡がきて、私は康太騎手が亡くなったことを知った。先日は高知の塚本雄大騎手の訃報に触れたばかり。なにもそんなに次々と若い命を現世から連れ去らなくてもいいのに。順番が違う。正直、追悼記事を書くかどうか、少し迷った。私のもとにはいくつか似たよ...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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[重賞回顧]ニュースター誕生! 見惚れるほどの圧勝劇~2024年・朝日杯フューチュリティステークス~
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[重賞回顧]最速の母”ラッシュ”から魂の”ラッシュ”へ、鞍上が繋ぐ悲願成就!~2024年・マイルCS~
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[重賞回顧]”バド”の雪辱を、”スタニング”が晴らす見事な勝利~2024年・エリザベス女王杯~
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[重賞回顧]いざ、逆襲のとき。武豊騎手とドウデュースが感動の後方一気!~2024年・天皇賞秋~