兵庫競馬
今回は近畿地区、兵庫の3歳クラシックについてご紹介したいと思います。
兵庫県競馬は園田競馬場、姫路競馬場の2場からなりますが、2012年ナイター開催が始まって以降、姫路競馬場では開催が行われておらず、園田競馬場のみの開催となっています。姫路競馬場については現在行われている工事が終了後、2018年に再開される見込みのようです。
兵庫三冠は菊水賞、兵庫チャンピオンシップ、兵庫ダービーの3レースとなっていますが、兵庫県競馬はかつてサラブレッドではなくアラブでの競走を行っており、1999年のサラブレッド導入に伴い、3歳クラシックが整備される事となりました。よって、現在の三冠レースは2000年に兵庫チャンピオンシップ、兵庫ダービーが創設されたことによって成立しました。菊水賞については2016年で48回目を迎えるという歴史のあるレースで、かつてはアラブ三冠第一戦として行われていました。
兵庫チャンピオンシップはダートグレード競走でJRA所属馬も参戦することもあってか、兵庫三冠を達成したのは2001年のロードバクシンただ1頭となっています。
それでは兵庫の3歳クラシック路線を見てみたいと思います。
近畿地区クラシック路線
※開催日程は2016年度を参考にしています。
兵庫県競馬のクラシック3歳限定重賞は以上の5レースのみとなっています。
特定のトライアル重賞がないため、クラシック第一戦の菊水賞はほぼ特別戦を使ってきての臨戦となります。牝馬の場合は園田クイーンセレクションをステップにすることができますが、グランダムジャパンの創設に伴い、他地区に牝馬限定重賞ができたので、そちらに向かう馬も見られます。
また、同距離ということもあり、前年の大晦日に行われる2歳重賞園田ジュニアカップで上位に来た馬や、クラシックの中心馬と見込まれる人気馬は、近年順当に上位にきています。
2016年は不良馬場と乱ペースで波乱となりましたが、基本的には上位人気が強さを見せるレースと言えるでしょう。
過去の主な勝ち馬にはロードバクシンの他、佐賀記念を制したチャンストウライ、南部杯2着などダートグレードでも活躍したポアゾンブラックなどがいます。
なお、菊水賞の1着馬には兵庫ダービーの優先出走権が与えられます。
クラシック第二戦となる兵庫チャンピオンシップはダートグレード競走であり、兵庫三冠レースの中で唯一兵庫所属以外の馬が出走可能なレースとなっています。
以前はダービーへの出走を狙った芝馬の出走なども見られましたが、近年はOP特別、ユニコーンS、ジャパンダートダービーとダート路線の整備も進み、JRA勢のダート馬の層も厚くなってきたことから、兵庫地区の馬はかなり苦戦を強いられており、2016年までの5年はJRA勢が3着以内を独占しています。
兵庫所属の勝ち馬は前述のロードバクシン1頭のみで、2着はホクセツサンデー(2011年)、3着はジョイーレ(2006年)、エンタノメガミ(2007年)、フィオーレハーバー(2010年)と、かなりの劣勢となっており、菊水賞勝ちの実績があっても歯が立たないことが多々見られます。
牝馬の場合は近い日程に牝馬限定戦の、のじぎく賞があり、強豪相手の兵庫チャンピオンシップに向かわない選択も可能です。
兵庫チャンピオンシップの主な勝ち馬にはビッグウルフ、ドンクール、グレイスティアラ、フェラーリピサ、ゴールデンチケット、コパノリッキー、ケイティブレイブなど、後のダートグレードでも活躍した馬が多数見られます。
クラシック最終戦となる兵庫ダービーは2006年からダービーウィークに組み込まれ、優勝馬はジャパンダートダービーにおいて近畿地区の他馬に優先して選定馬とされます。
兵庫ダービーでは兵庫チャンピオンシップに出走して敗れた馬の巻き返しも見られますが、敢えてパスし、兵庫ダービーを狙って出走してくる馬も見られます。
過去10年で見ると、2016年は波乱となりましたが、それ以前は連対馬はほぼ3番人気以内で占められており、上位人気が強いレースと言っていいのではないでしょうか。
また、出走頭数の割に牝馬も好走率は牡馬と遜色なく、上位人気に推される牝馬がいれば注目すべきでしょう。
木村健騎手は2016年までの6年で5勝とかなりの好相性を見せており、木村騎手の騎乗馬には注目したいところです。
過去の主な勝ち馬には、前述のロードバクシン、チャンストウライの他、全国区で活躍しながらレース中の故障でこの世を去ったオオエライジンなどがいます。
近畿地区3歳クラシックの注目ポイント
- 暮れの園田ジュニアカップ上位馬や核となる素質馬には注目
- 兵庫チャンピオンシップでは苦戦
- 兵庫ダービーでの木村騎手の騎乗馬
写真:馬人