[リーディング]C.ルメール騎手の独走に福永祐一厩舎の偉業、そして天国に届ける重賞勝利…まさに「競馬日和」の3日間開催!

競馬の流れは、数字で如実に表れる。好調な陣営や種牡馬を見つけ、注目するのも楽しみのひとつと言えるだろう。先週の競馬をリーディングの順位とともに振り返る。

■厩舎リーディング 福永祐一厩舎が絶好調!!月曜中央メインに加え南部杯まで制覇

先週、中央競馬に5頭の管理馬を出走させた福永祐一厩舎。そのうち3頭が勝利を挙げた。土曜京都5Rの2歳新馬戦(芝1600m戦 キューティボンド・川田将雅騎手)を制すると、月曜東京11RのオクトーバーS(リステッド オープンハンデ 芝2000m戦 アスクセクシーモア・岩田康誠騎手)、同京都11RのスワンS(GⅡ オープン 芝1400m戦 ダイヤモンドノット・横山武史騎手)も1着。月曜の東西メインレースを勝利した。

だが、この日はこれだけで終わらず、スワンSから2時間半後に行われた地方・盛岡12Rのマイルチャンピオンシップ南部杯(JpnⅠ ダ1600m戦 メイショウハチロー・吉原寛人騎手)も勝利。開業3年目にして初のGⅠ級タイトル獲得となった。

東京、京都、盛岡のメインレースを全て制覇した福永調教師。南部杯の勝利調教師インタビューで語っていたように、騎手時代に2勝した南部杯で調教師としてのGⅠ級初勝利も挙げたということで、福永師にとって特別な縁があるレースなのかもしれない。この3日間の活躍で再びTOP10入りを果たした福永厩舎の、さらなる躍進に期待したいところだ。

先週が終了した時点で、TOP10の順位は以下の通り。

1位 杉山晴厩舎 52勝(+1勝) 先週1位
2位 斎藤誠厩舎 38勝(+1勝) 先週2位
3位 矢作厩舎 37勝(+1勝)先週3位
4位タイ 中館厩舎 35勝(+4勝) 先週8位タイ
4位タイ 大竹厩舎 35勝(+1勝) 先週4位タイ
4位タイ 池江厩舎 35勝(+1勝) 先週4位タイ
7位タイ 寺島厩舎 33勝(+3勝) 先週10位タイ
7位タイ 手塚久厩舎 33勝(+0勝)先週6位
10位タイ 福永厩舎 32勝(+3勝)先週12位
10位タイ 藤原厩舎 32勝(+1勝) 先週7位

9月9日の記事で中館英二厩舎の躍進に触れたが、ここにきて再加速。先週は管理馬が4勝を挙げる大活躍で、土曜東京11RのサウジアラビアロイヤルCも勝利して重賞制覇。一気に4位タイまで浮上してきた。また、渡辺薫彦厩舎も3勝を挙げるなど、ジョッキーから転身した調教師たちの活躍が目立つ1週間だった。

■騎手リーディング 抜群の安定感を誇る王者・C.ルメール騎手

まさに「府中の鬼」というべきだろうか。3日間で23鞍に騎乗したC.ルメール騎手が11勝。騎乗依頼の半分近くを勝利で飾ると同時に、2着4回3着4回も記録し、連対率は6割超え、複勝率に至っては8割超えという驚異的な数字を叩き出した。

しかも、これら23回の騎乗中、掲示板外に敗れたのは1度のみで、あとはすべて5着以内。ここまで来ると、恐ろしいという表現すら物足りなく思えてしまうほどの安定感だ。

これにより、2位・岩田望来騎手との差は20勝近くまで広がった。そして、岩田望騎手のすぐ後ろには、4勝を加算した松山弘平騎手の姿もある。

果たして、ここから他の騎手の追い上げはあるのか、それとも、このままルメール騎手が独走態勢を築いて年末まで突っ走ってしまうのか。見方によっては、岩田望騎手が中央競馬に復帰する今週が、天下分け目の戦いとなるかもしれない。

先週が終了した時点で、順位は以下の通り。

1位 C.ルメール騎手 134勝(+11勝) 先週1位
2位 岩田望騎手 116勝(10月11日まで騎乗停止。12日は地方・盛岡で騎乗) 先週2位
3位 松山騎手 113勝(+4勝) 先週3位
4位 川田騎手 89勝(+3勝) 先週4位
5位 横山武騎手 87勝(+2勝) 先週5位
6位 坂井騎手 86(+5勝) 先週6位
7位 西村騎手 81勝(+2勝) 先週7位
8位 丹内騎手 70勝(+2勝) 先週8位
9位 横山和騎手 68勝(+3勝) 先週9位
10位 戸崎騎手 65勝(+1勝) 先週10位

月曜京都11RのスワンSでダイヤモンドノットに騎乗した横山武史騎手は、これがおよそ1年ぶりのJRA重賞勝利。昨年、ガイアフォースで富士Sを制して以来続いていたJRA重賞での連敗も「56」でストップさせ、自身が持つJRA重賞の年間連続勝利記録も「7」に伸ばした。

勝利騎手インタビューでも「まずは騎乗依頼をくださった関係者の皆さんに感謝したいですし、引き続きまた乗せていただく機会がありましたら、また改めて頑張りたいなと思います」と、横山武騎手の人柄が感じられる受け答えを見せてくれた。関東リーディングのトップを走り、全国でも5位につけている同騎手は、GⅠが多数控えているこのあとも、さらに存在感を発揮してくれるはずだ。

■種牡馬リーディング 止まらないエフフォーリアの勢い!!

土曜東京11RのサウジアラビアロイヤルCを制したアゴルディーノの父はエフフォーリア。これが産駒の重賞初制覇となった。同馬は先々週、異例の早さで産駒が全10場での勝利を達成したばかり。全体の種牡馬リーディングでも、出走頭数がのべ100頭以下ながら68位につけているように、好調さがうかがえる。

おそらく、年末には同じく初年度から札幌2歳S勝ち馬ショウナンガレオンを送り出したFlightlineとの対決が控えている。果たして、どちらの新種牡馬が制するのか。はたまた、新星の台頭はあるのか。2歳路線の戦いはますます面白くなりそうだ。

先週が終了した時点で、順位は以下の通り。

1位 キズナ 122勝(+4勝) 先週1位
2位 ロードカナロア 81勝(+1勝) 先週2位
3位 キタサンブラック 83勝(+3勝) 先週3位
4位 エピファネイア 96勝(+6勝) 先週4位
5位 サートゥルナーリア 78勝(+3勝) 先週5位
6位 ドレフォン 70勝(+1勝) 先週6位
7位 レイデオロ 64勝(+2勝) 先週7位
8位 モーリス 63勝(+1勝) 先週8位
9位 シルバーステート 58勝(+1勝)先週9位
10位 ブリックスアンドモルタル 45勝(+2勝) 先週12位

1ヶ月前まで三つ巴の戦いを繰り広げていた上位3頭は、ここにきてキズナが一歩リード。2位ロードカナロアとは、およそ3億5000万円の差がある。一方、2位ロードカナロアと3位キタサンブラックの差はおよそ4600万円と、相変わらず近い。

1、2位の差が3億5000万円と聞けばセーフティリードにも思えるが、ロードカナロアやキタサンブラックの産駒が秋華賞と菊花賞を連勝すると、その加算額は3億1000万円。それ以外のレースにも勝利すれば、順位が逆転する可能性はある。

逆にキズナの立場でいえば、ここで後ろをどれだけ突き放しておけるかが、3年連続リーディング獲得の重要なポイントになるかもしれない。秋華賞には、大本命が予想されるモンローウォークを筆頭に、ドリームコアやエンネといった有力馬が複数出走予定。絶好のチャンスといえるが、ロードカナロアも桜花賞2着のギャラボーグがエントリーしており、まだ種牡馬リーディングの行く末は見えない。

■生産者リーディング 中田英樹氏、JRA重賞初制覇

土曜東京11RのサウジアラビアロイヤルCを制したアゴルディーノは、中田英樹氏の生産馬。同氏はこれまで、フィールドルージュやマサノミネルバといった交流重賞勝ち馬を送り出しているが、JRAの重賞制覇はこれが初めて。地方を含めたグレードレースの勝利も、2008年に川崎記念(フィールドルージュ)を制して以来18年ぶりの勝利となった。

また、馬主のディアレストクラブにとっても、この名義でのJRA重賞は初制覇。そしてアゴルディーノは、今年6月29日に逝去された田村康仁元調教師の下でデビューしている。オーナー、生産者はもちろん、天国の田村師にも届くうれしい勝利だったに違いない。間違いなく、年末の大舞台にむけて弾みがついたと言えるだろう。

先週が終了した時点で、順位は以下の通り。

1位 ノーザンファーム 522勝(+18勝) 先週1位
2位 社台ファーム 217勝(+11勝) 先週2位
3位 三嶋牧場 55勝(+2勝) 先週3位
4位 社台コーポレーション白老ファーム 69勝(+2勝) 先週4位
5位 下河辺牧場 57勝(+4勝) 先週5位
6位 ケイアイファーム 45勝(+2勝) 先週6位
7位 ノースヒルズ 51勝(+3勝) 先週8位
8位 ダーレー・ジャパン・ファーム 59勝(+0勝) 先週7位
9位 岡田スタツド 38勝(+0勝) 先週9位
10位 千代田牧場 32勝(+1勝) 先週11位

生産者リーディングTOP10の勝率に注目すると、最も高いのはダーレー・ジャパン・ファームの14.0%。生産馬が100回以上出走した牧場のなかではトップの値である。リーディング首位をひた走るノーザンファームの勝率が10.7%であることを考えると、高水準といえるのではないだろうか。

もちろん、ノーザンファームが現時点で4892回の出走数を記録しているのに対し、ダーレー・ジャパン・ファームは同420回と母数に大きな違いはある。それでも、コンスタントに勝利を挙げているからこそ、リーディングでもTOP10圏内を維持できるのだろう。

この秋は、ダーレー・ジャパン・ファーム生産馬の安定感に注目してみるのもアリかもしれない。


3日間競馬を終え、今週からはGⅠロードに突入。2週間の新潟開催もスタートする。秋競馬が、音を立てて本格的に動きはじめるシーズンだ。まずは、今週の秋華賞を皮切りに奏でられる3週間のGⅠメドレーを心ゆくまで堪能したい。

写真:だいゆい、ぼん(@Jordan_Jorvon)、はねひろ(@hanehiro_deep)

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