巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。
実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。
そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のビッグレースからピックアップして紹介していきたいと思います。
今日はフェアリーステークスの出走馬の中から2頭の種牡馬を中心に注目してみたいと思います。
ニシノラヴウインク・ブルトンクール・ポケットシンデレラ
母父にスペシャルウィークを持ち、昨年の阪神ジュベナイルフィリーズでサークルオブライフが勝ったことで3世代続けてG1馬を輩出することになったエピファネイア。このフェアリーステークスにも3頭の産駒を送り出しています。
エピファネイア産駒のG1馬、デアリングタクト・エフフォーリア・サークルオブライフにはある共通点があります。それは「サンデーサイレンスの4×3のインブリード(近親配合)を持っている」と言う点です。4×3のインブリードとは子供から見て両親それぞれの血を遡った時、4代前と3代前の同一の種牡馬がいる配合のことを言います。
例えば、昨年の有馬記念勝ち馬エフフォーリアで言うと、本馬から父の血を遡ると、父エピファネイア(1代前)、その母シーザリオ(2代前)、シーザリオの父スペシャルウィーク(3代前)、そしてスペシャルウィークの父サンデーサイレンス(4代前)。一方の母の血を遡ると、母ケイティーズハート(1代前)、その父ハーツクライ(2代前)、ハーツクライの父サンデーサイレンス(3代前)と父母それぞれにサンデーサイレンスの血が入っていることになります。これが「4×3のインブリード(近親配合)」です。
この「4×3のインブリード(近親配合)」のインブリードは、競馬界では「奇跡の血量」と呼ばれており、活躍馬が多く出る配合パターンとして知られています。エピファネイア産駒躍進には「サンデーサイレンスの4×3インブリードが狙いやすい」血統構成が下地になっているのかもしれません。
今回出走する3頭もニシノラブウインク(母の父アグネスタキオン、その父サンデーサイレンス)、ブルトンクール(母の母ファビラスターン、その父サンデーサイレンス)、ポケットシンデレラ(母の母シャイニンルビー、その父サンデーサイレンス)といずれも「サンデーサイレンスの4×3のインブリード(近親配合)」が成立しており、エピファネイア産駒の成功パターンを踏襲していると言えます。ここで好成績を残せばクラシックの新星として浮上してくる可能性も高そうです。
エリカヴィータ・ウラカワノキセキ
エリカヴィータとウラカワノキセキの2頭はいずれも母の父がフジキセキです。この2頭に限らずこのレースにはフジキセキに関わる血統の馬が多く出走しています。
父にオルフェーヴル、つまりメジロマックイーンの血を持つライラックは、祖母で桜花賞2着の実績があるブルーリッジリバーの父がフジキセキです。(ちなみにライラックの母系はダイワスカーレットの母系と同じ源流です。)
これがグラスワンダーやライスシャワーの主戦ジョッキーとして知られた的場均元騎手・現調教師が送り出すユキヤナギは父パドトロワの母の父がフジキセキです。
先ほど紹介したポケットシンデレラもフジキセキの血が直接入っているわけではありませんが、曾祖母で1996年のマーメイドステークスを制したシャイニンレーサーはフジキセキの姉にあたります。
1つの重賞にこれだけ関係する馬が出走すると言うのはフジキセキの血統の強さ、種牡馬としての優秀さを伺うことができると思います。
中山マイルと言う舞台は以前は朝日杯3歳ステークス(現・朝日杯フューチュリティステークス)が行われていた舞台でもあり、そのレースを勝利しているフジキセキの血を受け継ぐ馬にとっては適性のある舞台とも考えられそうです。
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