巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。
実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。
そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のビッグレースからピックアップして紹介していきたいと思います。
今日は阪神牝馬ステークス、ニュージーランドトロフィーの出走馬の中から注目馬を紹介してみたいと思います。
阪神牝馬ステークス ジェラルディーナ
ヴィクトリアマイルに向けての重要なステップレースである阪神牝馬ステークス。今年の注目馬は曽祖父にグラスワンダーを持つジェラルディーナです。
ジェラルディーナの母ジェンティルドンナは2012年の牝馬三冠馬。そしてこのレースにはもう一頭牝馬三冠馬アパパネの娘、その名もアカイトリノムスメが出走し世紀の”三冠牝馬の娘対決”が実現します。
ジェラルディーナの母ジェンティルドンナは、無敗の三冠馬ディープインパクトの娘。桜花賞は1番人気こそ前年の2歳女王ジョワドヴィーヴルに譲ったものの、レースでは中団から鋭く抜け出し、ヴィルシーナやアイムユアーズと言った強豪を抑えて1着。続くオークスでは距離が不安視されて3番人気と人気を落としたものの、翌週に行われた日本ダービーより0.2秒速い勝ち時計2.23.6と言うタイムで5馬身差の圧勝を飾り、世代では抜きんでた実力があることを示しました。
ラスト1冠の秋華賞では、向こう正面で最後方から一気に仕掛けて先頭に立つと言う”奇襲”を仕掛けてきた15番人気のチェリーメドゥーサが残り200mまでセーフティーリードを保つも、そこからジェンティルドンナが二冠牝馬の意地を見せつけるような末脚を発揮、並んで伸びてきたヴィルシーナの追撃も振り切って見事に三冠を達成しました。
一方のアパパネは2歳の時から阪神ジュベナイルフィリーズを制し、牝馬三冠は全て1番人気で勝利しています。ジェンティルドンナのように圧勝することはありませんでしたが、接戦で負けない勝負強さが光る名馬でした。
特に語り草となっているのはオークス。このレースはフローラステークスの勝ち馬でゼンノロブロイの娘サンテミリオンと直線半ばから壮絶な叩き合いを演じ、いずれも全く譲らないままゴールまでなだれ込みました。長い写真判定の末、掲示板に上がったのは同着の文字。日本競馬史上初めて”G1での1着同着”と言う結果に終わりました。この時の勝利騎手インタビューでお互いのジョッキー、蛯名正義騎手と横山典弘騎手が抱き合ってお互いを讃えていたのは競馬史に残るシーンと言って差し支えないでしょう。
この2頭の歴史的三冠牝馬の子が対決する阪神牝馬ステークスはG2とは言え必見のレースと言えるでしょう。
ニュージーランドトロフィー ティーガーデン・リューベック
3着以内に入るとNHKマイルカップの優先出走権が得られるトライアルレース、ニュージーランドトロフィー。今年はティーガーデンとリューベックに注目です。この2頭は牝系を辿るといずれもソニンクと言う馬に行きつきます。ティーガーデンはソニンクとアグネスタキオンの間に生まれた牝馬ルミナスポイントの孫にあたり、リューベックはソニンクとスペシャルウィークの間に生まれた牝馬ライツェントの息子にあたります。
このソニンクの牝系は近年海外での活躍が目覚ましい牝系です。ティーガーデンの姉ソングラインは今年の2月に行われた”サウジカップデー”の1351ターフステークスで見事優勝を果たし、90万ドル、日本円にして1億円の賞金を獲得しました。今後はヴィクトリアマイルでG1勝利を目指しています。
ライツェントの姉ディアドラは2019年～2020年まで長期海外遠征を敢行。2019年にはイギリスのG1ナッソーステークスではレースレコードを1.5秒更新するタイムで優勝し、2000年のジュライカップのアグネスワールド以来2頭目のイギリスG1を制覇。競馬発祥の地の競馬史に名を刻みました。
ティーガーデン、リューベックの2頭にも将来的に海外での活躍も視野に入れてほしいところです。
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