関屋記念ってどんなレース?

関屋記念の「関屋」とは、旧新潟競馬場の所在地から付けられました。

旧新潟競馬場は1901年より新潟市関屋字青山下百問割にありましたが、1943年に戦争の激化に伴い開催が中止。戦後長期間にわたって中央競馬は開催されていませんでした。

1960年台前半になると競馬再開の機運が高まり、1965年に郊外の北蒲原郡豊栄町笹山(現住所: 新潟市北区笹山)の現在地に新たな新潟競馬場が完成しました。1966年にかつてあった旧新潟競馬場の所在地を後世に残すために、関屋記念が創設されました。

当初は3歳以上のハンデキャップ重賞として芝2000mで行われましたが、1970年に距離を芝1800m戦に変更。さらに1975年からは芝1600mへの変更を経て、1983年からは負担重量を別定戦に変更しました。
2001年からは新潟競馬場のリニューアル工事に伴い、従来の右回りから左回りに変更し、新潟競馬場・外回りの1600mで行われるようになっています。

今年の主な出走馬

プリモシーン(牝5 美浦・木村厩舎 56Kg 福永騎手騎乗)

一昨年のこのレースを制したプリモシーン。
2年ぶりの制覇に向けて出走します。
一昨年のフェアリーステークスと関屋記念、今年の東京新聞杯と芝1600m戦の重賞で3勝を挙げている実績馬です。加えて昨年のヴィクトリアマイルにて1分30秒台で2着に入るなど、スピード勝負に長けている馬と言えるでしょう。
前走のヴィクトリアマイルはスタートのタイミングが悪く、後方からの競馬となり8着に終わりました。勝ったアーモンドアイは4番手からの競馬で、大逃げを見せたトロワゼトワルが4着に入るなど、後方からの競馬をする馬にとっては厳しいレース展開だったはずです。

ポイントとなるのは、56Kgのハンデ。
牡馬に換算すると、実質58Kgのハンデになります。牝馬にしては500Kg台と恵まれた馬体ですが、他の注目馬と比べると56Kgのハンデがどう響くのかの点です。また、ディープインパクト産駒らしく切れ味抜群の馬ですので、先週の新潟競馬場の様な馬場状態が悪くなると、少し不安要素が残るかもしれません。

クリノガウディ―(牡4 栗東・藤沢則厩舎 56Kg 横山典騎手騎乗)

高松宮記念で1位入線(4着に降着)したクリノガウディ―。
この夏、再び芝1600m戦に挑みます。
前走のCBC賞(12着)は好スタートを決めることができるこの馬にしては珍しく、後方からの競馬となりました。大逃げを打ったラブカンプーが逃げ粘り、先行したアンヴァルが2着に入るなど、先行した馬にとって有利な展開となったことも響き、大敗に終わりました。58Kgと、ハンデが厳しかった影響もあったのかもしれません。

今回、クリノガウディ―にとっての強みは、距離が延びることです。芝1600m戦では朝日杯フューチュリティステークス、中京記念で2着に入るなど、元々は芝1600mがベストの馬だと思います。
横山典弘騎手とは3戦目のコンビで信頼関係も構築されているはずです。また、東京新聞杯ではプリモシーンとは0.1秒差の3着でしたが、レース内容は良かったと思います。
陣営が理想とするローテーションを組むためには、最低でも2着に入って賞金を稼ぎたいところ。前走の大敗だけで見限るのは早計でしょう。

アストラエンブレム(せん7 美浦・小島厩舎 56Kg 北村宏騎手騎乗)

5月に同じ新潟芝1600mで行われた谷川岳ステークス(リステッド競走)を制したアストラエンブレム。
今回、初の重賞制覇を狙います。
2017年のエプソムカップ(芝1800m)や新潟記念(芝2000m)で2着に入るなど中距離で活躍していましたが、今年に入ってからは芝1600mに集中。2月の洛陽ステークスで3着、3月の東風ステークスで2着に入るなど着実に上昇しています。前走の谷川岳ステークスでは、ラスト600mのタイムがメンバー中2番目に速い33.2秒をマークし、約3年2か月ぶりの勝利をゲットしました。

戦績を振り返ってみると、全6勝中、芝1600m戦での勝利が5勝。
新潟芝1600m戦に絞ると、3戦3勝と実績を残しております。
一気に相手が強くなると思いますが、関屋記念で4勝を挙げている北村宏司騎手とのコンビで重賞制覇を狙います。

アンドラステ(牝4 栗東・中内田厩舎 54Kg 岩田望騎手騎乗)

初の重賞挑戦となったエプソムカップで4着に入ったアンドラステ。
得意の芝1600m戦で重賞初制覇を狙います。
前走のエプソムカップを振り返ると、先行したダイワキャグニーが優勝。大逃げを見せたトーラスジェミニが3着に粘る中で、追い込んできたアンドラステはダイワキャグニーとは0.2秒差の4着と健闘しています。ダイワキャグニーは東京コース巧者、トーラスジェミニは続くオープンの巴賞を制するなど実績が残す中で、キャリア6戦目で初の重賞挑戦となったアンドラステは見せ場十分の内容だったと思います。

芝1600m戦に限ると、4戦3勝3着1回とまだ底を見せておりません。
新潟芝1600m戦は初めての挑戦となりますが、新潟芝1800m戦のパールステークス(3勝クラス)で勝っているなど新潟コースと相性はいいはずです。騎乗する岩田望来騎手と共に初の重賞タイトルを狙います。

グルーヴィット(牡4 栗東・松永幹厩舎 56Kg デムーロ騎手騎乗)

昨年の中京記念を制したグルーヴィット。
前走の京王杯スプリングカップ3着からの巻き返しを狙います。
昨年の中京記念では52Kgのハンデを活かし、プリモシーン(この時はハンデが55.5Kg・3着)を負かしています。また、過去の戦績を振り返ると、中京記念や1勝クラス(当時は500万下)を勝つなど左回りの東京・中京コースで結果を残しています。前走の京王杯スプリングカップも東京コースで行われましたが、勝ったダノンスマッシュとは0.3秒差の3着で、タワーオブロンドン(8着)やセイウンコウセイ(5着)などのG1ホースに先着しています。

デムーロ騎手とのコンビでは2戦1勝、3着1回と結果を残しています。新潟コースは初めてのコースになりますが、左回りの東京・中京で結果を残している実績からみて、十分通用すると思います。

その他では、今年の中京記念を制したメイケイダイハード(牡5 栗東・中竹厩舎 56Kg 石橋騎手騎乗)。中京記念3着のエントシャイデン(牡5 栗東・矢作厩舎 56Kg 川須騎手騎乗)。中京記念5着のミッキーブリランテ(牡4 栗東・矢作厩舎 56Kg 岩田康騎手騎乗)。中京記念17着もヴィクトリアマイル4着の実績を持つトロワゼトワル(牝4 栗東・安田隆厩舎 54Kg 三浦騎手騎乗)。一昨年のエプソムカップを制したサトノアーサー(牡6 栗東・池江厩舎 56Kg 戸崎騎手騎乗)が出走します。

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