「名勝負」を語る [競馬タイムトラベル]2000年京都金杯・キョウエイマーチ 2019年1月1日 今も昔も、桜花賞馬はどうにも儚いというか、散り急ぐというか……要は活躍期間が短めの馬が多いというイメージがある。こう思っているのは私だけでは無いのではないだろうか。その点、2015年の桜花賞馬レッツゴードンキはそうしたイメージとかけ離れた活躍を見せた。逃げから差し&追い込みにモデルチェンジしたとは言え、堅実さはそのまま... ウマフリライター
それぞれの競馬愛 高崎競馬を、忘れない。〜2004年12月31日、高崎競馬場最後の日〜 2018年12月31日 ──またこの季節がやってきた。年末になると、かならず思い返す出来事がある。 この話は、2004年まで遡る。 2004年12月31日。 当時まだ「青年」だった私は、モヤモヤと葛藤していた。「今日で終わってしまう」累積赤字により高崎競馬の廃止が決まってからそれまで、ルーチンワークのように、なんとなくボンヤリとした思いで高崎... ウマフリライター
それぞれの競馬愛 ジャンプレースに、魅せられて。 2018年12月25日 「アップ、ごめん」 場内に響く悲鳴とどよめきを耳にしたときから、何も言えず、ただ行く末を見つめていた。そのすぐそばで新たに誕生した障害王者が、あたたかい拍手と声援とともに讃えられていた。 屈腱炎を克服し、幾多の死闘を繰り広げてきたニホンピロバロン。 くしくも絶対王者・オジュウチョウサンが連勝街道を歩み始める直前に最後の... ウマフリライター
「名馬」を語る イスラボニータ〜衝撃のラストラン〜 2018年12月22日 1995年3月5日、中山競馬場。この日に行われた弥生賞で、衝撃的なレースぶりからクラシック皐月賞への最有力候補へと名乗りを挙げた1頭の名馬がいた。 2歳王者となった前年末のレースも、逃げ馬を射程に捉え、追い込んでくるスキーパラダイスをクビ差抑えるという正攻法の競馬だった。その王者たる走りは、多くの競馬ファンを虜とした。... ウマフリライター
「名勝負」を語る 邂逅〜中山大障害〜 2018年12月21日 2015年12月26日、中山大障害。 一頭の競走馬が──障害界の一時代を築いた名馬が、競走中の事故でこの世を去った。2013年中山大障害・2014年中山グランドジャンプとJ-G1連覇を達成した誇らしげな姿を、ふと思い出す。そんな彼の才を最大限に引き出した中山の障害コースが、皮肉にも彼の最期の地となった。 その障害馬の名... 川井 旭
競馬場を楽しむ 父と、競馬場へ。〜新潟ジャンプステークス観戦記〜 2018年12月20日 事の発端は、その1ヶ月前に遡る。 小倉サマージャンプを現地観戦すべく準備を進めていた矢先に発生した台風12号──東から西へ逆走するという異例のコースを辿ったこの台風が、よりによって週末に九州北部を直撃したのだ。 出発前日のギリギリまで小倉行きを強行するかどうか迷ったが、家族に心配をかけてまで出掛けるのは本意ではない。泣... びくあろ
「名馬」を語る 鮮烈で清冽な、南関東のブリザード 2018年12月18日 2018年12月2日、チャンピオンズカップ(GⅠ)が行われました。そこでは3歳馬のルヴァンスレーヴ(美浦・萩原清厩舎)が1番人気に応え、見事優勝。3歳シーズンを終えて8戦7勝──さらにはたった一度の敗けも2着、という素晴らしい戦績はまさにチャンピオンに相応しいものでしょう。そんな若き王者が初めて挙げた重賞勝利──それが... ウマフリライター
一口馬主 マイネイサベルを、100分の1だけ持ってみて。 2018年12月15日 競馬ファンの方々にとって「ラフィアン」といえば、どんなイメージが浮かぶでしょうか? マイネル・マイネの冠名。岡田総帥。2歳戦に強い! ……と言ったところでしょうか。実は近年ラフィアンでは、繁殖牝馬になる事を意識してか、冠名を使っていません。マイネという冠名のイメージによって、産駒の価値が変わらないようにするためでしょう... プーオウ
「名勝負」を語る 錦秋の青空の下の逃げ切りに亡き父を想うこと ~1998年 菊花賞に寄せて 2018年10月21日 師走のある日の朝、まだ私が学生の頃。父の訃報をしらせる電話を受けたとき、私は下宿先で寝ているところだった。「落ち着いて聞きなさい」と切り出す祖母の方こそ、全く落ち着いていないだろうと妙に冷静だった。不思議と、悲しいといった感情は湧かなかった。急ぎ帰省しないといけなかったのだが、なぜか吉野家で朝昼兼用の牛丼の大盛りを、殊... 大嵜 直人
「名勝負」を語る 16分の13、そして桃・柴山形一文字の勝負服 ~1998年秋華賞に寄せて 2018年10月13日 1998年9月27日。巨星、堕つ。ナリタブライアンの訃報は、あまりにも突然だった。そして、その年の真夏、フランス・ドーヴィル競馬場。G1・モーリスドギース賞、シーキングザパール・武豊騎手、1着。G1・ジャックルマロワ賞、タイキシャトル・岡部幸雄騎手、1着。東西の名手に導かれた日本調教馬が、「世界」の舞台で輝いていた。3... 大嵜 直人