「road to the future」未来へ続く道。
このコーナーでは、週末のレースを勝ち上がった一口馬主クラブの2歳馬たちを取り上げていきます。
ここから、クラシック戦線や世代の各路線、古馬になって活躍する名馬がきっと現れるはずです。
今週はどのような期待馬が勝利を収めたのでしょうか?
11月2日(土)
■東京4R 2歳未勝利・芝1,800m・1:49.2
カネラフィーナ - シルク・ホースクラブ
牝馬(1番人気)
父:Frankel
母:ジョイカネラ(母父:Fortify)
厩舎:手塚 貴久(美浦)
騎手:戸崎 圭太
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:100,000円(500口)
好スタートを切ると無理をすることなく先行し、直線では3着タイヨウノキセツそして2着ヴァイスクレーとの叩き合いをそれぞれ制して3戦目での勝ち上がりとなりました。
母ジョイカネラは亜国の1000ギニーとエンリケアセバル大賞典のGⅠを2勝し、亜オークスなどでも2着になるなど亜3歳牝馬チャンピオンにも輝いた活躍馬。初年度から配合相手にFrankelを迎えるなど期待の高さが伺えます。
今日はラスト200m以降の叩き合いに見ごたえがありました。距離は現状これくらいが丁度よい様に見えます。
■京都1R 2歳未勝利(牝馬限定)・ダート1,800m・1:53.1
レイナデアルシーラ - グリーンファーム愛馬会
牝馬(1番人気)
父:ナダル
母:アンデスクイーン(母父:タートルボウル)
厩舎:西園 正都(栗東)
騎手:岩田 望来
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:150,000円(200口)
スタート良く先頭を奪いますが、道中は常にマークされ決して楽なレースにはなりませんでした。それでも直線では2着以下を大きく引き離し快勝。今日は1枚も2枚も力が違ったと言えます。
母アンデスクイーンもグリーンファーム愛馬会の募集馬として現役時代を送り、ダートの交流重賞3勝と活躍をしました。繁殖牝馬としては初仔のアンデスビエント(父:ドレフォン)が今年の関東オークスを制しています。
今日の走りと牝系を見るに、マイルから1,800mくらいに現状は適性があるのではないでしょうか。
■福島1R 2歳未勝利・ダート1,700m・1:47.3
レッドベルダンス - 東京サラブレッドクラブ
牡馬(4番人気)
父:レイデオロ
母:ダンシングラグズ(母父:Union Rags)
厩舎:手塚 貴久(美浦)
騎手:嶋田 純次
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:150,000円(400口)
今日のレースで特に印象的だったのは4コーナーでムチが入りスピードに乗っていながら、コーナーをスムーズに回れていたこと。嶋田純次騎手が上手く乗ったこともあるでしょうが、高い小回り適性を感じました。結果的に距離のロスは少なく、壁のない外に持ち出せたことが結果につながりました。
母ダンシングラグズは米国のダートGⅠアルシバイアディーズSの勝ち馬。曾祖母ジュエルプリンセスは米国の古馬牝馬チャンピオンに輝き通算13勝をあげた名馬です。父がレイデオロということもありデビュー2戦は芝のレースを選択しましたが、3戦目のダート替わりで鋭い末脚を披露し勝ち上がりました。
ここまでの走りを見ると現状はダートに適正を感じます。距離はマイルから1,800mくらいが良さそうに映ります。
■福島5R メイクデビュー福島・芝1,200m・1:10.9
クロユキ - インゼルサラブレッドクラブ
牝馬(1番人気)
父:モーリス
母:チカリータ(母父:クロフネ)
厩舎:松永 幹夫(栗東)
騎手:高杉 吏麒
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:62,000円(500口)
雨が舞う稍重のコンディション。母父クロフネの血が活きました。
スタート良く先手を奪うと、道中は内ラチ沿いを追走。3、4コーナーでも上手く立ち回り直線でも最内を突きます。結果的にこれが正解で直線で後続に2馬身半差をつけ、見事に新馬勝ちを飾りました。
母チカリータは現役時代はダートで2勝。母としては初仔のシュニー(父:マインドユアビスケッツ)がダート1,800m戦で勝ち上がりを果たしています。
クロユキは父がモーリスに替わり芝のスプリント戦での初勝利となりました。
今日の様なスムーズな競馬が出来ればもう1ハロン伸びても十分に許容範囲となるでしょう。
11月3日(日)
■東京1R 2歳未勝利・芝1,400m・1:22.1
フェルシナ - サラブレッドクラブライオン
牝馬(1番人気)
父:ルーラーシップ
母:ヒルダ(母父:ダイワメジャー)
厩舎:西園 翔太(栗東)
騎手:佐々木 大輔
生産者:社台コーポレーション白老ファーム(白老町)
一口価格:50,000円(400口)
最内枠からのスタートとなり馬群に包まれる可能性もありましたが、上手く先団につけ進路を確保します。直線に向くと外に持ち出し佐々木大輔騎手の激しいアクションに応え、先に抜け出していた逃げ馬をゴール前でとらえ切りました。
母ヒルダは現役時代、新馬勝ちを果たし函館2歳Sでは3着と好走。古馬になってからはダート路線に進んでいます。また祖母バロネスサッチャーは米国で重賞勝ちの実績があり、GⅠで2着が3回など活躍をしました。
今日は正直、届かないと思えるようなところからの差し切り勝ち。近2走のレースぶりや血統的に考えるとマイルまでは守備範囲に思えます。
■東京4R メイクデビュー東京・芝1,400m・1:23.7
カラヴァジェスティ - サンデーサラブレッドクラブ
牡馬(1番人気)
父:Caravaggio
母:Tonahutu(母父:Sir Prancealot)
厩舎:奥村 武(美浦)
騎手:戸崎 圭太
生産者:Shadai Corporation(米国)
一口価格:600,000円(40口)
スタートは速くありませんでしたが、戸崎圭太騎手が焦らずに中団待機を選択。
結果、デビュー戦から色々と学ぶことが出来ました。そして、直線で外に持ち出すと素晴らしい伸び脚を披露し、見事に新馬勝ちを果たしました。
母Tonahutu(トナフトゥ)は愛国産で英国で2勝、北米で3勝。重賞でも好走を披露しています。また、祖母のReally Polish(リアリーポリッシュ)も北米で重賞制覇含む9勝と活躍をしています。
父が芝のスプリンターとして活躍したCaravaggio(カラヴァッジオ)ということで距離の面に注目して見ていましたが、マイルまでは十分に守備範囲に入る走りに映りました。
本国におけるカラヴァッジオ産駒といえば2023年の阪急杯勝ちを含め短距離重賞で活躍しているアグリ。
今日の走りでスピード力は伝わってきましたので、これからの成長力に期待をします。
■東京5R メイクデビュー東京・芝1,800m・1:50.3
レイニング - キャロットクラブ
牡馬(1番人気)
父:サートゥルナーリア
母:クルミナル(母父:ディープインパクト)
厩舎:国枝 栄(美浦)
騎手:戸崎 圭太
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:175,000円(400口)
スタートは五分に出るも、戸崎圭太騎手が馬の気分を損ねないような競馬に徹し一時は最後方の集団へ。最初の1,000mが1:04.2とスローペースとなり苦しい競馬になるかと思いきや、大外からまとめて差し切り勝ち。私の眼には着差以上に非常に強い競馬に映りました。
母クルミナルもキャロットクラブの所属馬とし2015年の牝馬クラシックを盛り上げます。その後、繁殖生活に入りOur Bloodとして重賞戦線で活躍したククナを輩出しています。
父は新種牡馬で絶好調のサートゥルナーリア。母父ディープインパクトとの組み合わせでは本馬を含め早くも5頭が勝ち上がっています。
今日は余裕たっぷりの勝ち方でしたが、距離はマイルよりの1,800m戦までが現状は良さそうだと感じました。早めに賞金を加算し、来春のクラシック路線を意識したい1頭なのではないでしょうか。
■京都9R もちの木賞・ダート1,800m・1:51.6
クァンタムウェーブ - キャロットクラブ
牡馬(1番人気)
父:ナダル
母:クァンタムミス(母父:Smoke Glacken)
厩舎:松永 幹夫(栗東)
騎手:西村 淳也
生産者:田端牧場(新冠町)
一口価格:90,000円(400口)
「強い!」この言葉に尽きます。
スタート一完歩目ではそれほどスピードに乗れずに、スタンド前から2コーナーにかけては5番手あたりを追走。
3コーナーから徐々にスピードに乗るも4コーナーあたりで接触がありリズムに乗れない場面も。しかし、捲りを披露し、逃げ馬とのマッチレースに持ち込むと、4番手以下はグイグイと引き離す展開になります。一度は逃げるロードラビリンスに再び離されるも、再度交わし切って見事に2連勝を果たしました。
終始、スムーズな競馬が出来たわけでない中で、2歳馬がこれだけのパフォーマンスを披露すれば十分すぎる内容でしょう。
また、表示されたタイムは「1:51.6」
この日、京都競馬場ではもちの木賞を含めて4鞍ダート1,800m戦が重馬場行われましたが、
2R 2歳未勝利 1着バレンシア 1:57.3
6R 3歳以上1勝クラス・牝馬限定 1着シンコーナホチャン 1:53.6
11R GⅢ・みやこステークス 1着サンライズジパング 1:49.7 / 8着トウセツ 1:51.4
とクァンタムウェーブは大変、速いタイムを記録しています。
今日のレースぶりを見るに力があるところを十分に披露してくれました。
次走が非常に楽しみな1頭が登場してくれたと言えるでしょう。
賞金が加算できれば、来春のダートの世代戦で上位争いを形成出来る存在に成り得ると思います。
※本記事内のクラブ名は愛馬会法人名を使用しています
写真:みき、米、すばる、かずーみ