エコロテッチャンがOROスプリントオープンに滑り込みで出走できることになり、僕は盛岡競馬場に向かいました。もしかすると、これがテッチャンと僕にとって最後のレースになるかもしれないと感じたからです。繁殖を控えたテッチャン自身にとって文字どおりラストランになるかもしれず、また僕がテッチャンの走りを生で観ることができるのも最...
ブログ・手記の記事一覧
まず始めに、今年は中央・地方問わず騎手や厩務員の業務中の死亡事故が相次いでおります。前回コラム公開日には藤岡康太騎手の訃報が伝えられましたし、先日も金沢競馬で若い厩務員の方が亡くなられました。謹んでお悔やみ申し上げます。 私も馬主の端くれとして、またプロジェクト主宰として、最近は調教師さんや育成牧場(コンサイナー含む)...
生産者として、僕の配合理論は大きく変わりました。近親交配(インクロス)をできるだけ遠ざけた配合をしようと考えるようになったのです。まずは受胎してくれないと何も始まりませんし、無事に産まれて、育ってくれなければいけません。もちろん、福ちゃんのような病気を持って生まれる馬を減らしたいという気持ちもあります。そのためには、ま...
来シーズンの種付けの予約が始まりました。スプリンターズステークスでアグリが勝つまでにカラヴァッジオの予約を入れないと、また昨年のように一杯になってしまうかもしれないという危機感を抱きつつ、知り合いの獣医師に電話を入れました。不受胎馬検査や腹貸しなどについて相談したかったこともあります。「来年度はスパツィアーレにカラヴァ...
パトリオットゲームの能力試験を見に行ってきました。と言っても、何のことだかさっぱり分からないと思いますので説明しておくと、下村獣医師ことシモジュウからの話で大狩部牧場の生産馬をEVO(エクワインベットオーナーズ)の上手獣医師に購入してもらい、山﨑裕也厩舎に入厩することになったカズヤラヴの22がパトリオットゲームと名付け...
「不受胎馬検査はどうしますか?」とも聞かれました。毎年、繁殖シーズンが終わった時期に、軽種馬農協にて不受胎に終わった繁殖牝馬を対象に検査が行われます。費用は2万円ぐらい。碧雲牧場では今まで不受胎馬検査をしたことがないそうで、詳しいことはかつて軽種馬農協に獣医師として勤めていた下村獣医師ことシモジュウに聞いてみたらどうで...
生産者から見る血統の世界と、競馬ファンから見るそれは、分けて考えるべきだと僕は思います。生産者にとっての血統は、受胎から産駒の誕生、幼少期までを形づくるため、競馬ファンにとっての血統は、それ以降の競走馬としての活躍を占うためのそれです。同じサラブレッドの血統ではあり、地続きではありつつも、競走馬「以前」と「以後」では血...
「ダートムーアの受胎が確定しました!」と碧雲牧場の慈さんから報告がありました。受胎していること自体はだいぶ前に確認できていたのですが、そこから消えてしまったり、流れてしまったりする馬もいますので、夏から秋に最終妊娠鑑定が行われます。そこできっちり受胎していることが分かれば、あとは来年の出産を待つのみです。まずはひと安心...
毎日のように牧場から届く、福ちゃんの幸せな日々を眺めていると、福ちゃんは片目が見えないことをつい忘れてしまいがちになります。他の仔馬たちと同じように走り回り、母ダートムーアの乳房を吸い、草を食み、天使のような寝顔で眠っています。小眼球症という病気があることを知らずに遠くから見れば、普通の馬と何ら区別がつかないのではない...
プロローグ 「何度目になるんかなあ。リオ(パラリンピック)の前年やから2015年の……そう、ちょうど今くらいの時季やったから、丸9年になるんかな。それから少ない年でも1年に2度、多い年やったら3回くらいは往復してますもんね」 東京パラリンピック馬術競技で、日本人として21年ぶりに入賞(7位)を果たした宮路満英選手(66...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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