![[今週の競馬]上半期のGⅠ戦線もいよいよフィナーレ!夏の訪れを告げる函館開催もスタート!](https://uma-furi.com/wp-content/uploads/2025/06/IMG_6906.jpeg)
今週は上半期のGⅠ戦線のフィナーレを飾る、宝塚記念が阪神競馬場で開催される。初夏の仁川を舞台に、ファン投票で選ばれた優駿たちが、この春最後のGⅠタイトルに向けて駆ける。
そして夏の訪れを告げる北海道開催も、今週から函館競馬場でスタート。JRAで唯一、海を望む競馬場として知られる函館競馬場は、そのJRAの競馬場の中でも最古の歴史を誇るが、今年は開設から130周年を数える節目の年となる。競馬場内外ではさまざまなイベントが行われており、また市内を走る市電には記念のラッピングが施されるなど、記念の開催を盛り上げている。
その函館競馬場では、土曜日にサマースプリントシリーズの第一戦となる函館スプリントSが開催。水無月の函館を口開けに、スプリンターたちの夏の熱い戦いが幕を開ける。また、同じ土曜日の東京競馬場では、上半期最後の障害重賞である東京ジャンプSが開催。府中でのジャンパーたちの名勝負にも注目の一週間となりそうだ。
○宝塚記念 春のGⅠ戦線の掉尾を飾るグランプリ
宝塚記念(GⅠ)
日曜阪神11R 15:40発走
芝2200m(右)サラ系3歳以上 オープン 定量
本賞金 1着30000 2着12000 3着7500 4着4500 5着3000(万円)
■レースの歴史、位置付け
「有馬記念と同様に、出走馬をファン投票で選出するグランプリレースを関西にも」という趣旨から、1960年に第1回が開催された。レース名は、阪神競馬場が位置する兵庫県宝塚市の地名に由来する。当初は阪神競馬場、芝1800mの条件で4歳以上(旧馬齢表記)で開催されたが、その後多くの施行条件の変遷を経て、現在は阪神芝2200mを舞台に、春のGⅠ戦線を締めくくるグランプリレースとして親しまれている。
前述の通り、有馬記念と同様にファン投票による優先出走制度があり、出馬投票を行った馬のうちファン投票上位10頭が優先出走できる。また1999年からは、この宝塚記念専用のファンファーレが使用されており、年に一度しか聴くことができない荘厳なファンファーレが春のグランプリを盛り上げてくれる。
以前は、オークスやダービーで活躍した3歳馬が出走できるよう、6月下旬に開催されていた。2003年にはネオユニヴァース、2007年にはウオッカといったダービー馬が出走し、秋を待たずして一流古馬と対戦し盛り上がりを見せた。ただ、2025年からは開催時期が2週間繰り上がり安田記念の翌週となったことで、春のGⅠ戦線が7週連続の開催となった反面、3歳馬の出走はハードルが高くなっている。
春のグランプリらしく、歴代の勝ち馬にはハイセイコー、トウショウボーイ、メジロマックイーン、ディープインパクト、オルフェーヴル、イクイノックスといった、顕彰馬にも選出されたような名馬の名が並ぶ。しかしながら、阪神内回りの2200mという非根幹距離、そして天候が不順で馬場が悪化しやすい時期の開催もあり、過去にはこの宝塚記念で初のGⅠ制覇を成し遂げた馬たちも多い。

また、2017年からは大阪杯、天皇賞(春)とともに「春三冠」の最終戦として位置づけられ、同一年に3レースを制した馬に褒賞金が与えられることとなった。これまで「春三冠」を制した馬はいなかったが、今年はこの歴史的偉業にクロワデュノールが挑むことになる。
■前年のレース模様
同年の大阪杯を制して臨んだベラジオオペラが1番人気に推され、続いたのは前年の有馬記念馬レガレイラ。以下、大阪杯2着のロードデルレイ、実績馬ドゥレッツァと続いた。
ゲートが開くと、7番人気のメイショウタバルと武豊騎手がじわりと先手を奪う。そのまま単騎の逃げに入ると、絶妙なペースでラップを刻んでいく。4コーナーでベラジオオペラが並びかけるも、余力十分に直線入り口では再度突き放す。メイショウタバルは前年の3歳時は重賞を2勝するも、クラシックでは結果が出ずに悔しい思いをしたが、前走のドバイターフ5着から見事に巻き返してGⅠ初制覇を飾った。3馬身差の2着にベラジオオペラ、さらにクビ差の3着には上がり最速をマークしたジャスティンパレスが入線した。

メイショウタバルの父・ゴールドシップも宝塚記念を連覇しており、父子制覇の偉業となった。武豊騎手は、2005年のディープインパクト以来となる宝塚記念5勝目となり、自身の持つ同レース最多勝記録を更新した。また管理する石橋守調教師は、開業12年目でうれしいGⅠ初勝利。オーナーの松本好雄氏は、2001年にメイショウドトウで勝利して以来となる、宝塚記念2勝目を挙げた。
■今年の出走馬
今年の大阪杯、天皇賞(春)とGⅠ連勝中のクロワデュノールが出走予定。ともに1番人気に応えて、強い競馬で連勝を成し遂げている。ここも勝利すると、春古馬三冠達成となり、前述の褒賞金3億円を手にすることとなる。史上初となる春古馬GⅠ3連勝の偉業を、達成できるだろうか。

この偉業を阻止せんとするのは、ともに前年の有馬記念以来の出走となるミュージアムマイルとレガレイラ。ミュージアムマイルは中東情勢からドバイターフを回避して、ここに目標を定めた。レガレイラは前年と同じ臨戦予定だが、昨年は有馬記念後に発覚した剥離骨折もあり11着に敗れており、逆襲を狙う。また、有馬記念で2着に激走したコスモキュランダも出走予定。年末にファンをあっと言わせた粘り腰を、この宝塚記念でも見せることができるか。

前年の覇者のメイショウタバルも出走予定。大阪杯ではクロワデュノールの2着に惜敗したが、前年快勝した舞台で逆転を狙う。その大阪杯で3着だったダノンデサイルも、同じく巻き返しを狙って出走予定。他にも、金鯱賞勝ちのシェイクユアハート、日経賞勝利から臨むマイユニバース、本格化の兆しを見せるタガノデュード、前年の凱旋門賞でも好走したビザンチンドリームなど、多士済々。
春のグランプリらしい豪華メンバーが集う仁川から、目が離せない。
○東京ジャンプステークス
東京ジャンプステークス(J・GⅢ)
土曜東京4R 11:30発走
障害芝3110m(左)サラ系障害3歳以上 オープン 別定
本賞金 1着3000 2着1200 3着750 4着450 5着300(万円)
■レースの歴史、位置付け
1999年の障害競走の改革にともなうグレード制導入により、「東京オータムジャンプ」の名称で創設された重賞である。その名の通り、当時は10月に実施されていたが、2009年の番組改編により6月の開催に時期が変更となった。これにより、現在は上半期最後の障害重賞として位置づけられ、下半期の重賞戦線を見据える上でも重要な一戦である。
また昨年より暑熱対策として、レースの出走時刻が午前中に変更されており、本年も午前中最後の第4レースでの発走となる。
重賞レースでしか使用されない大竹柵と大いけ垣の障害が設置された難易度の高いコース設定であり、府中の長い直線での連続障害の飛越は迫力満点。最後のハードル障害をクリアしても、そこからゴールまで300m以上あり、高い飛越センスとともに平地の脚力も求められる。
過去には1999年の第1回優勝馬のゴーカイに始まり、アポロマーベリックやシングンマイケル、そしてオジュウチョウサンなど、数々の名ジャンパーたちがこのレースを制している。なお2023年からはジューンベロシティが3連覇を成し遂げており、史上12頭目となるJRA同一重賞3連覇を記録している。

■前年のレース模様
前年まで2連覇中だったジューンベロシティが、断然人気に応えて3連覇を飾った。同一重賞を3年連続で勝利するのは、JRA史上12頭目という大記録となった。
そのジューンベロシティは7番枠から出て道中は好位を追走、2周目の向こう正面では早くも先頭に。そのままゴールまで押し切る強い競馬で、同レース3連覇を飾った。これで障害重賞5勝のうち4勝が東京コースでの勝利と、適性の高さを見せつけた。1馬身3/4差の2着には2番人気のサイード、そして大きく離れた3着にはスヴァルナが入線した。

■今年の出走馬
前年、3連覇を成し遂げたジューンベロシティが出走予定で、同一重賞4連覇の偉業を狙う。秋には東京ハイジャンプも制しており、まさに東京障害コースの鬼。その東京ハイジャンプでは、前年のJRA賞最優秀障害馬を受賞したエコルデュエルを下しており、中心視される。
コレクテイニアは障害入り後に6戦して、すべて3着以内に入る堅実な走りを続けている。直近でもオープンで2戦続けて2着に入っており、重賞でもその力を見せるか。昨年の京都ジャンプステークス勝ちの実績があるローディアマントは、今年初戦で道中で外側に逃避したことで調教再審査を受けており、仕切り直しの一戦となる。
ピーターサイトは3月のペガサスジャンプステークス2着からの臨戦。昨年末の中山大障害では6着に入っており、真価の問われる一戦になりそうだ。また、そのペガサスジャンプステークスで5着だったスズカハービンや、障害オープン勝利から挑むルドヴィクスなどが出走予定となる。
○函館スプリントステークス 函館開幕を告げるスプリント決戦
函館スプリントステークス(GⅢ)
土曜函館11R 15:45発走
芝1200m(右)サラ系3歳以上 オープン 別定
本賞金 1着4100 2着1600 3着1000 4着620 5着410(万円)
■レースの歴史、位置付け
夏季競馬の短距離重賞の拡充を図るため、1994年に創設された「札幌スプリントステークス」が起源となる。その名称の通り、第3回までは札幌競馬場の芝1200mで施行されていたが、1997年の番組改編で札幌と函館の開催順序が入れ替わったことにより、舞台を函館競馬場に移し、レース名も現行のものに変更された。
従前は6月最終週ないしは7月第1週に施行されていたが、2012年から6月中旬に繰り上げられている。現在は、夏競馬の象徴でもある北海道開催の始まりを告げるスプリント重賞として親しまれている。
また、2006年からは夏季競馬の充実を図るために設けられた「サマースプリントシリーズ」の第1戦に指定されている。2010年のワンカラット、2022年のナムラクレア、2024年のサトノレーヴが、それぞれ本競走を制したのちに「サマースプリント」のチャンピオンに輝いている。

■前年のレース模様
快速・インビンシブルパパが引っ張ったレースは、前半3ハロンが32秒5のハイペースとなる。迎えた直線で好位抜け出しを図った3番人気のジューンブレアを、内から差し切ったのが2番人気に推されていたカピリナと戸崎圭太騎手。着差はハナ差ながら、勝ち時計1分6秒6はコースレコードを記録。従来のレコードを0秒2更新する猛時計だった。
3着には後方から脚を伸ばしたドンアミティエが入線し、逃げたインビンシブルパパは4着に粘った。単勝1.7倍の1番人気に推されていたナムラクレアは、後方から追い込むも8着までだった。
■今年の出走馬
高松宮記念5着からの臨戦となる、レイピア。今年は2月にスプリント重賞で2戦続けて2着に入っており、堅実な走りを続けているが、函館の地で初の重賞制覇を狙う。またその高松宮記念で不完全燃焼だったエーティーマクフィも参戦予定。前年の京阪杯ではGⅠ馬ルガルを破って勝利を挙げており、函館でも輝きを放つか。

実績では抜けているのがピューロマジックで、異なるコースでスプリント重賞3勝を挙げている。近走は精彩を欠いているが、初の出走となる函館コースで巻き返しを図る。一方、上がり馬では前走でオープン入りしたルシードが注目。昨年夏から芝に主戦場を移し、今年に入るとスプリント戦を4戦して2勝2着2回と好調、一気に重賞勝ちまで上り詰めるか。
また前年の同レース4着だったインビンシブルパパも出走予定。経験値を活かして、前年以上の結果を残せるだろうか。
今週の宝塚記念で、上半期のGⅠ戦線もフィナーレを迎える。春のGⅠシリーズの大トリを務めるにふさわしい豪華メンバーで争われるグランプリとなりそうであり、熱戦に期待したい。
そして、いよいよ夏の北海道開幕を告げる函館開催もスタート。各地で次々にデビューする2歳新馬たちの走りも含めて、楽しみたい。
写真:水面、s1nihs、mosan、だいゆい、@gomashiophoto
