[今週の競馬]秋のGⅠ戦線が開幕!中山でスプリント路線の大一番、阪神では秋のダート路線を占う重賞が開催!

時候は「秋分」を迎えた。太陽が秋分点に達し、昼と夜の長さが同じになるころであり、これから徐々に夜の時間が長くなっていく。

今週末の中央競馬では、いよいよ秋のGⅠ戦線が開幕。秋のスプリント王者を決めるスプリンターズSが日曜日に中山で開催される。春の高松宮記念と並ぶ、国内スプリント戦線の頂上決戦となる。

また、土曜日には阪神でダートのハンデ重賞、シリウスSが開催される。ダート重賞に、スプリントGⅠと、いよいよ秋競馬が盛り上がりを見せる週になりそうだ。

○シリウスステークス ダートの大一番を見据えるハンデ重賞

シリウスステークス(GⅢ)
土曜阪神11R 15:45発走
ダート2000m(右)サラ系3歳以上 オープン ハンデ
本賞金 1着3800 2着1500 3着950 4着570 5着380(万円)

■シリウスステークスの歴史と位置付け

1997年に創設されたハンデ重賞であり、創設当初は阪神競馬場、ダート1400mの条件で12月に開催されていた。

01年に地方競馬で「JBCクラシック」、「JBCスプリント」が新設されたことによるダート路線の整備にともない、開催時期が初秋に繰り上げとなった。その後、阪神競馬場の改修により07年からはダート2000mに距離が変更となった。2026年現在において、ダート2000mで施行される唯一のJRA重賞である。

また08年にジャパンCダートの舞台が東京競馬場から阪神競馬場に変更になったことにより、本競走は重要な前哨戦として位置づけられていた。その後、ジャパンCダートは14年からチャンピオンズCに改称し中京競馬場で開催されているが、引き続きその前哨戦としての役割を担っている。

過去にはゴールドティアラ、ブルーコンコルド、オメガパフュームといったダートの名馬たちが制しているほか、直近ではハギノアレグリアスが23年から連覇を達成している。24年はリフレッシュ工事の関係で中京競馬場での代替開催だったため、異なるコースでの連覇達成だった。

そのハギノアレグリアスは2026年9月現在、阪神競馬場で誘導馬として活躍している。

レース名の「シリウス」は夜空に輝く恒星の一つで、おおいぬ座を構成する。太陽を除くと、地球上から見える星のなかで最も明るい恒星である。

■昨年はホウオウルーレットが重賞初勝利を挙げる

ケンタッキーダービーで5着に入った実績があり、条件戦を連勝してきたテーオーパスワードがハンデ57.5キロで1番人気。それに前走平安S組のジンセイ、タイトニットがともに56.5キロで上位人気に支持された一戦。これを制したのは、57キロで8番人気のホウオウルーレットだった。

レースはホウオウプロサンゲが先手を奪うと、上位人気馬は前目のポジションを取りに行き、馬群はやや縦長の展開に。外の13番枠から出た岩田康誠騎手とホウオウルーレットは、最後方から進める。

直線は4コーナー先頭から抜け出したジューンアヲニヨシが粘り、坂を上がったところでサイモンザナドゥとジンセイの2頭が迫る。しかし、ゴール前で外からホウオウルーレットが急襲し、わずかに差し切って勝利を挙げた。1/2馬身差2着にはサイモンザナドゥ、さらにハナ差の3着には粘ったジューンアヲニヨシが入線した。

ホウオウルーレットは道中最後方から、3コーナーでも慌てず内を回し、そこから馬群を捌いて最後は外から差し切った。道中のペースが流れたこともあったが、コースロスを抑えた岩田康騎手の手綱捌きが光る勝利だった。

同馬は23年10月にオープン入りしてから堅実に走り続けてきたが、うれしい重賞初勝利を飾った。また同馬の半兄オメガパフュームも18年に本競走を制しており、兄弟制覇となった。

■シリウスステークス(2026年)の出走予定馬

前走、帝王賞で5着だったラムジェットがエントリー。その前走は上がり3ハロンが出走馬中2位で、末脚は変わらず堅実。24年の東京ダービー以来となる勝利を、ここで挙げることができるか。

昨年の3着馬、ジューンアヲニヨシも登録。近2走は着外に敗れているものの、2月に同じコースの仁川Sを勝っている。相性の良い舞台で、重賞初勝利を狙う。

24年のマーチSを勝った、ヴァルツァーシャル。7歳となった今年は、4戦してすべて掲示板内と安定した走りを見せている。阪神コース、2000m戦ともにキャリア初の条件となるが、それらをクリアできるか。

その他にも、25年のマーキュリーCを制したカズタンジャー、デビューから11戦して掲示板を外していないギュルヴィ、昨年2着のサイモンザナドゥ、スレイプニルS勝利から挑むリアレストなど、ダートの猛者たちがエントリーしている。秋の仁川で輝くのは、どの馬だろうか。

○スプリンターズステークス 秋のスプリント王者決定戦

スプリンターズステークス(GⅠ)
日曜中山11R 15:40発走
芝1200m(右・外)サラ系3歳以上 オープン 定量
本賞金 1着17000 2着6800 3着4300 4着2600 5着1700(万円)

■スプリンターズステークスの歴史と位置付け

1967年に創設されたスプリント重賞であり、当初は中山競馬場、芝1200m、3歳以上のハンデキャップ重賞として施行されていた。短距離路線の整備が進んでいなかった当時は、3歳以上の馬が出走できる唯一のスプリント重賞であった。

84年のグレード制導入にともないGⅢの格付けを受け、開催時期を3月に移設した上で安田記念の前哨戦として位置づけられ、87年にGⅡへ昇格した。

その後、スプリンターのための大レースを実施することによって、競走距離体系を明確にし一層の充実を図る観点から、90年にGⅠへ格上げされた。またこの時期は、12月の有馬記念の前週に開催されていた。

00年にはスプリント競走体系の整備により、秋の中山開催の最終週に開催時期が繰り上げとなった。現在は、秋のGⅠ戦線の開幕を告げるレースとして定着しており、春の高松宮記念と並んでスプリンターたちの大目標とされている。

歴代の勝ち馬には、サクラバクシンオーやタイキシャトル、ロードカナロアといった、時代を彩った名スプリンターたちの名が並ぶ。またニシノフラワーやフラワーパーク、カレンチャン、グランアレグリアといった、類まれなスピードで牡馬を圧倒した名牝たちの勝利も印象深い。

また、国際競走として指定されており、過去にはサイレントウィットネス(香港)、テイクオーバーターゲット(豪州)、ウルトラファンタジー(香港)といった海外馬が本競走を制してきた。

■昨年はウインカーネリアンと三浦皇成騎手がGⅠ初制覇

秋のGⅠ戦線開幕を告げる電撃戦を制したのは、11番人気の8歳牡馬、ウインカーネリアンと三浦皇成騎手だった。

ゲートが開くと、13番ジューンブレアと大外16番枠のウインカーネリアンが好発を決める。三浦騎手は内のジューンブレアを見る形で、ウインカーネリアンを2番手に自然に誘導。ピューロマジックとトウシンマカオがその後ろにつき、23年の勝ち馬ママコチャがこれを見る展開。春の高松宮記念を制した1番人気サトノレーヴは、6、7番手あたりから追走し、2番人気ナムラクレアは中団後方に位置を取った。

先頭からの隊列がすんなり決まり、ジューンブレアと武豊騎手がペースを抑えたことで、前半3ハロンは33.7秒と前年より1.6秒も遅いペースで進む。後方にポジションを取った馬たちには厳しい展開となり、4コーナーを回るとジューンブレア、ウインカーネリアンの前2頭がそのまま抜け出してのマッチレースに。

直線310mを目いっぱい使っての追い比べとなり、首の上げ下げから最後はウインカーネリアンがわずかに前に出てゴール板を駆け抜けた。勝ち時計1分6秒9は、コースレコード(12年スプリンターズS、ロードカナロア)に0.2秒と迫る好タイムでの決着だった。

アタマ差2着にジューンブレアが入り、前につけた2頭での決着となった。その後ろはゴール前で5頭による激しい争いとなり、上がり最速で追い込んだナムラクレアが1.1/2差の3着を確保。以下、4着サトノレーヴ、5着ヨシノイースター、6着同着のダノンマッキンリーとママコチャの5頭が、0.1秒差に入る大接戦だった。

11番人気→7番人気の決着となったことで、馬連は6万830円、馬単11万9920円と高配当となり、それぞれの式別におけるスプリンターズS最高払戻金額を更新した。

勝ったウインカーネリアンは、23年の東京新聞杯以来となる勝利を、GⅠの大舞台で決めた。そして三浦騎手はデビュー18年目で悲願のGⅠ初勝利を、所属する鹿戸雄一調教師の管理馬で飾った。JRAのGⅠは、実に127回目の騎乗で初勝利。スタンドからは「ミウラ」コールが湧き起こり、場内は祝福ムードに包まれた。

管理する鹿戸雄一調教師は、21年の有馬記念(エフフォーリア)以来となるJRA・GⅠ勝利。ウインカーネリアンの父スクリーンヒーローも管理しており、ひときわうれしい勝利となった。

馬主の株式会社ウインは、03年のNHKマイルC(ウインクリューガー)以来となる、JRA・GⅠ2勝目。また生産者のコスモヴューファームは、JRA・GⅠ初勝利の快挙となった。

■スプリンターズステークス(2026年)の出走予定馬

今年の桜花賞を制したスターアニスが、ここに照準を合わせてきた。GⅠ昇格後のスプリンターズSを3歳牝馬で制したのは、ニシノフラワーとアストンマーチャンの2頭のみ。オークスからの直行というローテーションも異例だが、それらをはねのけて勝利を挙げることができるか。

その才能を開花させ、充実期に入ったフリッカージャブ。北九州記念に続いて、前哨戦のセントウルSも制して3連勝中。出脚よくポジションが取れるのが強みで、前走も番手から危なげなく抜け出しての完勝だった。4連勝で、GⅠ初勝利を決めるか。

今年の京王杯スプリングCを制し、安田記念でも2着に入ったワールズエンド。1200m戦は初の出走となるが、距離短縮で好位からの粘りが増すか。父ロードカナロアは本競走を12年、13年に連覇しており、勝利すればレース史上初めて父仔制覇の偉業が達成される。

昨年のNHKマイルCを勝った、パンジャタワー。前走は前哨戦のキーンランドCで2着と、上々の滑り出し。こちらも父タワーオブロンドンが19年に本競走を勝っており、父仔制覇の偉業に挑む。

昨年の覇者、ウインカーネリアン。9歳となった今年も、春の高松宮記念で3着に入るなど、まだまだ元気いっぱい。昨年に続いて、歓喜の瞬間は訪れるだろうか。

今年のサマースプリントシリーズでチャンピオンに輝いた、ピューロマジックもエントリー。快速を飛ばして逃げる同馬は展開のカギを握る一頭であり、枠順を含めて注目したい。

その他にも、23年の勝ち馬ママコチャ、24年の覇者ルガル、短距離重賞の常連・レイピアなど、当代のスプリンターたちが秋の中山に集結。瞬き厳禁の6ハロン戦を制するのは、どの馬になるだろうか。


いよいよ今週末は、GⅠのファンファーレが中山競馬場に戻ってくる。GⅠの高揚感と緊張感を味わえる週末になりそうだ。晴れの舞台に出走する馬たちに、精一杯の応援を送りたい。

写真:INONECO、RINOT、ぼん(@Jordan_Jorvon)、Horse Memorys、@QZygbdf8L1kEB9U

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