[ウマ娘]不屈の"キング"の努力に感動! ウマ娘キングヘイローと、史実馬キングヘイロー。

「オーホホホ!!!」
高らかに笑う"キング"こと、キングヘイロー。

周りにはお嬢様と呼ばれる彼女はとても自信家ですが、負けず嫌いな彼女。

そんな負けず嫌いな彼女のモデル馬のキングヘイローはいったいどんな競走馬だったのか?
史実を基に紐解いていきます。

ウマ娘キングヘイローの目標レース

ジュニア級メイクデビューに出走

キングヘイローの父ダンシングブレーブは現役時代、イギリス2000ギニー、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス、凱旋門賞を勝利した名馬。
また、キングヘイローの母グッバイヘイローは、父Haloという時点で十分良血なのですが、自身もアメリカ最高峰のケンタッキーオークスを含むGⅠ7勝の名馬です。

そんな2頭を両親に持つキングヘイローは、名馬になる宿命を背負ってこの世に生まれました。

少し強引ですがウマ娘の継承で表現すると、継承するウマ娘が2頭とも評価がS以上で、星3因子が沢山というのをイメージしていただければ──期待せずにはいられないのが伝わってくるかと思います!

デビュー戦は「前評判通り、1番人気!」とはならず……実は同じレースにキングヘイローと同じぐらいの超血統馬トレアンサンブルが出走していて、1番人気は譲る形になりました。

しかしレースではキングヘイローが王者の片鱗を見せます。先行からの押し切り勝ちという、まさに王道の競馬。前途洋々のスタートを切りました。

また余談ですが、トレノアンサンブルは新馬戦を含む2戦に出走した後、引退してお母さんに。競走馬としては成績は残せませんでしたが、障害GⅠ2勝のマルカラスカルを輩出するなど、お母さんとして沢山の名馬を送り出しました。

ホープフルSで5着以内

デビュー勝ちを収めた後、クラシック3冠を目指すトレーナーさんが、担当馬の実力試しに出走させるレースの1つが、このホープフルステークスでしょう。

実はホープフルステークスがGⅠになったのは2017年と最近で、キングヘイローが出走していた当時はラジオたんぱ杯3歳ステークスというレース名のGⅢクラスの重賞競走でした。競馬場も現在の中山競馬場ではなく、阪神競馬場で施行されていました。

史実馬キングヘイローは新馬戦、1勝クラス、GⅢ東京スポーツ3歳Sを3連勝してラジオたんぱ杯3歳ステークスに挑みます。連勝中でノリにノッていたこともあり、単勝1.4倍の圧倒的1番人気に。多くのファンがキングヘイローの勝ちを確信していました。しかしこのレースではロードアックスに差され2着となってしまいました。

2歳戦の最後のレースこそ負けてしまいましたが、キングヘイローは来年のクラシックで中心となる存在だと、多くのファンが期待していました。

皐月賞で5着以内

ゲーム『ウマ娘』では、ホープフルから皐月賞へ直行するトレーナーさんは多いかもしれません。
しかし当時はトライアルレースの弥生賞などから皐月賞というローテーションが定石というのもあり、キングヘイローは皐月賞の前に弥生賞に出走しました。
そしてこの弥生賞で、キングヘイローは永遠のライバル2頭に出会います。

後の"日本の総大将"スペシャルウィーク、"葦毛の逃亡者"セイウンスカイです。

しかしすでに重賞で1着,2着と活躍しているキングヘイローも負けていません。
ファンは、キングヘイローを1番人気に支持します。

前走こそ敗れましたが経験豊富なキングヘイローが優勢か──と思いきや、序盤から先頭をキープし粘りこんだセイウンスカイが2着、そしてものすごい差し脚を見せたスペシャルウィークが1着という結果に。キングヘイローは2頭から4馬身遅れた3着と敗れ、一抹の不安を抱えたまま皐月賞を迎えることとなりました。

そして迎えた皐月賞。
弥生賞でものすごい差しを見せたスペシャルウィークが1番人気、セイウンスカイが2番人気。
キングヘイローは3番人気と、少し人気を落としていました。

しかし意地を見せたいキングヘイローは、レースではセイウンスカイの後ろをずっとマーク。4コーナーまで完璧な競馬を披露します。
脚も溜まっている、スペシャルウィークからの追撃もしのげそう、後は目の前のセイウンスカイだけ──。
ここまでの完璧な競馬を見ると、キングヘイローがセイウンスカイを交わしても不思議ではありませんでした。
しかしどんなに追っても届くことはありませんでした。たしかにキングヘイローの競馬は完璧でしたが、それ以上に完璧な競馬をしていたセイウンスカイの前に、2着に敗れます。
キングヘイロー陣営は「ダービーこそは」と静かに心に誓ったことでしょう。

日本ダービーで5着以内

皐月賞をクリアすると、次なる目標はダービー5着以内。
「たとえ皐月賞は落としても、ここは絶対取りたい!」というトレーナーさんは多いはず。

史実でも、皐月賞の借りを返すべく、キングヘイローは日本ダービーに出走します。
2400mということもあり、好位からの競馬ができるキングヘイローは2番人気に支持されます。

弥生賞、皐月賞と後塵を拝したキングヘイロー。
鞍上の福永騎手もここは負けられないと強く意気込みます。そして意気込み通りスタートから先頭を走り、走り続けました。皐月賞とは違い、明らかなハイペース。
キングヘイローは当時史上2番目のハイペースで逃げてしまいました。
ハイペースで逃げてしまった馬の運命は、アニメ『ウマ娘』2期をご覧の方であれば、お分かりだと思います。キングヘイローは前半のハイペースでスタミナが切れ、14着と大敗──エリートが初めて挫折した瞬間でした。

菊花賞に出走

ゲーム『ウマ娘』で、多くのトレーナーさんの悩みの種となるのが、この菊花賞でしょう。
皐月賞、ダービーとある程度スピードが要求がされるレースが続く中、3000mのスタミナが問われるレースをどれほど良い順位で終えられるのか。ウマ娘をプレイする中での一つの関門ではないでしょうか。

史実のキングヘイローも、夏休みを挟んで菊花賞へ向かいます。
神戸新聞杯、京都新聞杯では2着、3着とそこそこの競馬はしますが、以前のような圧倒的な競馬は鳴りを潜めてしまいました。菊花賞はセイウンスカイVSスペシャルウィークの2強対決……すでに3強と呼ばれることもなくなっていて、実際にレースでも5着に敗れてしまいました。

その後有馬記念にも出走しますが6着と振るわず。
決して悪い馬ではないのですが、デビュー前の期待・デビュー後の3連勝を考えると、どうしても少々物足りない感じがしてしまいます。

何よりここまでGⅠを一つも取れていないことは、ファンのみならず、キングヘイロー陣営もとても歯がゆく感じていたことでしょう。陣営はキングヘイローの適正は2400mではなく、スプリントからマイルと判断し、復権の為に短距離戦線を主戦場に変えました。

年を越して4歳になったキングヘイローは期待通り、東京新聞杯(GⅢ)中山記念(GⅡ)と連勝し勢いを取り戻します。そして迎えた安田記念。1番人気は栗毛の怪物グラスワンダー。キングヘイローは2番人気と負けていません。

次こそはGⅠ制覇──とはならず、まさかまさかの11着。
その後も宝塚記念、天皇賞(秋)に出走するも振るわず、掲示板にも載れませんでした。

もうGⅠは無理なのかと多くの人があきらめかけていたかもしれません。しかしその評価を跳ね除けるように、年末のマイルチャンピオンシップ、スプリンターズステークスで2着、3着と、適性があるレースならばGⅠ制覇の可能性を見せてくれました。

高松宮記念で1着

ウマ娘のアプリではジュニア級(2歳)からシニア(4歳)の3年間でプレイ終了ですが、キングヘイローは5歳になっても頑張ります。

キングヘイローは、思い切ってフェブラリーステークス──初めてのダート戦に挑戦しました。
年末の短距離戦でのスピードを評価され1番人気に支持されますが、砂が苦手だったようで13着。

やはりここは芝のスプリントと、高松宮記念に出走します。

ある程度の実績はあるものの、ファンからするとGⅠでそこそこ走るという評価に落ち着いてしまったキングヘイロー。またこのレースにブラックホーク、アグネスワールドと短距離スペシャリストが2頭出走することもあり、4番人気という評価でした。

迎えたレース。
そこそこのスタートは見せますが二の足がつかず後方へ。
後ろから5頭目と短距離では不利な位置取りになります。ジリジリと前との距離を詰めようとしますが、内は空いておらず、距離的な不利がある大外から仕掛けます。
4コーナーを過ぎても前との差は詰まらず、10頭以上を抜かなければいけません。
私も当時のレース映像を見たのですが、もし生放送を見ていたら「あーまたダメだったか」と思っていたかもしれません。それほど絶望的な位置からキングヘイローは、1頭、また1頭と抜き、最後は1,2番人気のブラックホーク、アグネスワールドを一気に交わし、デビューから21戦目──GⅠ通算11戦目にして、ついにキングヘイローはGⅠを制覇しました。

GⅠ制覇後(安田記念で3着以内、スプリンターズSで1着、天皇賞(秋)で1着)

ゲーム『ウマ娘』のキングヘイローは、高松宮記念制覇という目標達成後も、様々な目標を掲げていくことになります。

史実のキングヘイローも高松宮記念を制覇した後は、安田記念、スプリンターズ、マイルチャンピオンシップとGⅠレースに果敢に出走。しかし、勝利を挙げることはできませんでした。

引退レースは有馬記念。
2400m以上のレースに出走るのは2年ぶりです。
流石にここは厳しいというファンの評価で9番人気に。
無事に回ってきてくれればというファンの期待を、キングヘイローは良い意味で裏切ります。

レースでは思い切った後方からのレース。4コーナーを回ってもほぼ最後方と、ほとんどのファンはキングヘイローから目を離していました。しかし、のこり200mから猛然と前を追いかけ、1着までのこり0.2秒というところまで追いつめたのです。

キングヘイローは競走馬として最後の最後まで諦めず、強靭なメンタルで先頭を追いかけ続けました。

最後に

エリートとして競馬界に迎えられたキングヘイローの馬生は、周りが予想していたほど順風満帆ではなく、何度も壁にぶつかるものでした。決して彼自身の能力が不足していたわけではなく、スペシャルウィーク・セイウンスカイ・グラスワンダー・エルコンドルパサーと競馬史に残るメンバーと同じ世代に産まれてしまった運命のいたずらだったのかもしれません。

競走馬というのは突然走る気を失ってしまい、いきなり成績不振に陥ることがあります。
とくに強豪がひしめく重賞レースに何度も出走していればなおさらのことです。
しかしキングヘイローは上記の4頭の中で最も多くのレースに出走し、最後の有馬記念では適性のある距離でないにもかかわらず、当時の絶対王者・テイエムオペラオーに迫りました。
そんな彼の走りに多くの競馬ファンが勇気を与えられたことでしょう。

そんな彼の諦めない気持ち、エリートとしてのプライドが、ウマ娘のキングヘイローに受け継がれています。

トレーナーの皆様もあきらめることなく、キングと一緒にURA制覇を目指してみてください!

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