京都競馬場の改修工事でスケジュールが変則的な今年の競馬界。
今週から、西のレースは阪神競馬場に舞台を移す。
5月までの超ロング開催の開幕を飾るのは伝統の中距離重賞「京都記念」だ。
春のG1戦線を見据えた強豪馬と重賞制覇を狙う上り馬が激突する京都記念。今年は復活をかける優駿が集った。
レース概況
今年の出走馬は11頭と少頭数となったものの、大混戦のメンバー構成となった。
その中で人気の面で頭一つ抜けていたのは一昨年のオークス馬ラヴズオンリーユー。このレースでは新コンビとなる川田将雅騎手を鞍上に向かえ、オークス以来の勝利を目指した。
さらに一昨年のダービー馬で、同じく一昨年の神戸新聞杯以来の勝利を目指すワグネリアンも武豊騎手を初めて迎えて挑む。さらに、ステイフーリッシュやダンビュライトなど久々の勝利を目指す馬が多く集まった。
宝塚記念と同じ、4コーナーのポケットからのスタート。
まずまずの飛び出し。直線一杯を使っての先行争いに移った。
外からスッとダンビュライトが好位をとるかと思われたが、内枠のハッピーグリンとステイフーリッシュが気合いで先頭・2番手を取った。3番手にダンビュライト、その後ろに早めラヴズオンリーユーが追走した。ワグネリアンは後方3番手。
先頭と2番手がやや後続を離した隊列に。
前半の1000mは59秒3と、かなり速いペースでレースが進んだ。
3コーナー付近からじわっと後続が詰め寄り、馬群が固まってきた。
逃げたハッピーグリンは後退、変わってステイフーリッシュが先頭に替わる。
外からはダンビュライトにレイエンダ、ラヴズオンリーユーが迫って直線に向いた。経済コースを通ってステイフーリッシュが先頭を守る。
2番手からダンビュライト、そしてラヴズオンリーユーが接近する。残り200mを切って前3頭の争いとなった。粘るステイフーリッシュ。追い詰めるダンビュライトとラヴズオンリーユー。
3頭の勝負は坂を駆け上がってグッと伸びた黒の勝負服、ラヴズオンリーユーが競り勝った。
最後の100mで突き放し、1馬身強の差をつけて久々の勝利を手にした。
各馬短評
1着 ラヴズオンリーユー (川田将雅騎手 1人気)
初コンビで挑んだ京都記念で、久々の勝利を手にした。
道中は早め4番手を追走。内回りコースの特性を活かしてジワジワと脚を伸ばすと、直線で一気に弾けた。3頭のたたき合いを制しての勝利はオークスの勝利を彷彿とさせる力強さだった。
ここから、G1に向けての復活劇が始まる。
2着 ステイフーリッシュ (和田竜二騎手 3人気)
2番手でレースを進めたステイフーリッシュが、粘って2着に食い込んだ。
道中はハイペースのなか、2番手を確保。ハッピーグリンが後退すると変わって先頭に立ち、直線では最内を通って後続の脚から粘り通した。最後ラヴズオンリーユーに差されたが、ハイペースを粘った脚は見事。
中距離での安定感は健在だ。
3着 ダンビュライト (松若風馬騎手 6人気)
ダンビュライトが3番手から前に迫って3着入線となった。
先行争いに顔を出したが、結局は2番手から離れた3番手を追走。3コーナー過ぎからラヴズオンリーユーに合わせて前へと迫ると直線3頭のたたき合いの末、わずかに3着となった。
しかし先行から前へと迫った脚は上り3位と素晴らしいもの。先行策を取った際の安定感は抜群だ。
総評
京都記念はラヴズオンリーユーの勝利となった。
近走、3着はあれどなかなか勝利に恵まれなかったラヴズオンリーユー。
しかし、兄リアルスティールも古馬になってG1を制覇していることを考えれば、決して早熟な血統とは言えない。
2019年世代の女王として、最強女王が居なくなった牝馬戦線を引っ張っていく。